桃源Qをみたよ! #5

今回は、『桃源Q』第5話「きみの百点満点くれよ」の感想や考察などを書いていきます(ネタバレも含まれているので、まだ観ていない方は注意!です)!

第5話のタイトルに関しては後から書くので、さっそく本編に移ります(色のついた部分は大まかな内容です)。

人のいない超未来。旧人類博物館を訪れたロボットのQ(以下、新Q)は赤星博士ロボ(以下、ロボ星)を見つける。壊れているのかなと新Qが叩いた瞬間、ロボ星が起動する。ロボ星は赤星博士の人工知能を埋め込んだ教育用おしゃべりロボットらしい。「赤星博士?」と尋ねる新Q。赤星博士について説明するロボ星。出口がどこにあるのかを新Qが尋ねるが、ロボ星は古い型らしく、あまり会話にならない。「勉強が嫌いなのですか」と尋ねるロボ星は、「テストにはコツがあるのです」と新Qに話し出す。

テストの点数が最悪だったQは前の席の赤星に話しかける。Qが赤星の物理のテスト用紙を取ると、それは百点であった。「どうやって勉強しているの」と赤星に訊くQ。赤星は「テストにはコツがあるんだよ」と答える。赤星がコツを教えようとしたらQは友達から話しかけられる。友達のもとへ向かうQ。

最初のほうで「気のせいか」と新Qが言ってるんだけど、この時点でうっすらとQの記憶は蘇っていたのかなあ。
館内アナウンスで、「南極ゴジラが月面演劇を達成したことは偶然ではありません」と流れていたのが嬉しかった。こんにち博士さんの短歌に「作家にはいつかやりたい劇がありこっそり買った月面の土地」があるんだけど、それが実現したんだ!って思った。
煙草を吸おうとしている女性にマッチを差し出すロボットのイラスト、素敵だなあ。
赤星とQの会話シーンも好き。赤星のQに対するあの感じ、分かるなあ。

「他に知りたいことはありますか」とロボ星。「あれっ?わたし……」と戸惑うが気のせいだと思い込む新Q。「旧人類は何を食べていたのか」、「毎日どんなことをして何をするのが好きだったのか」、「赤星博士は何をすると楽しいのか」をロボ星に質問するQ。「勉強することとロボットを作るのが楽しいです」と答えるロボ星。

人間っぽくロボットを作ったら友達になれるんじゃないかと、Qに語る赤星。Qは赤星に借りていたノートを返そうとする。Qが鞄から取り出した歌集を読み始める赤星。歌集に挟まれていたQの自作短歌を赤星は音読する。みんなには短歌を詠んでいることを内緒にしてほしいとお願いするQ。「素敵だけど」と返したあと慌てる赤星に、Qは「わたしのこと、口説き落とそうとしてるんでしょ」と茶化す。「短歌好きなの?」と尋ねるQに、「短歌を詠んでいるとき、いろんな人の別の人生を生きている感じがするの」と話すQ。「魅力的ってそういうことでしょ」と言うQに、「そうかもしれないね」と返す赤星。

人間が食べていた物の中にミルク味のアイスがあったのが良かった。第1話のあのシーンが好きだったから、これも嬉しかった。
赤星がロボットの話を生き生きと話しているの、良いなあ。
鞄から取り出した歌集が「新短歌教室の歌集1」だったの、めちゃくちゃテンションあがった!!Qの短歌、「夏服が風をふくんで膨らんでカーテンふんわりおどろいている」もめっちゃ良い。青春って感じがする。
Qの「みんなには言わないでね」は、私も家族や職場の人とかには短歌を詠んでいることを内緒にしているから気持ちが分かるなあ。
「素敵だけど」って言ったあとに慌てちゃう赤星がかわいかった!
Qの「短歌を詠んでいるとき、別の人生を生きている感じがするの」、「いろんな人の感情を持ってる」は面白いなあと思った!物語っぽい短歌や連作をつくるとき、私もそれに近いかもしれないなあ。あと、この「いろんな人」っていうのは「別世界のQ」のことを表しているのかなあと思った。
Qの「わたしのこと、口説き落とそうとしてるんでしょ」や「魅力的ってそういうことでしょ」って言うシーンもめちゃくちゃ良くて、赤星が恋に落ちちゃうのもめっちゃ分かる!

「誰?あなた」と尋ねる新Qに、「赤星博士です。私は赤星博士の人工知能を埋め込んだ教育用おしゃべりロボットです」と答えるロボ星。Qは自分じゃない人の記憶が頭のなかにあることをロボ星に伝える。「それがラブセンサーの正体なのです」と返すロボ星。赤星博士はロボットを人間に近づけるため、とある人物の記憶をロボットに埋め込んだとのこと。赤星には会いたい人物がいたがもう会えなくなってしまったため、その人に似たロボットを作ったらしい。

「短歌を作ったんです」とQに話す赤星。Qを好きになった赤星は仲良くなるためにQに向けた短歌を作ったらしい。赤星が「数学も物理も全部捨てるから」と自作の短歌を伝えようとすると、「ごめん」と止めるQ。海外に引っ越すことになり、この後すぐ行かないといけないらしい。「またきっと大人になったら会えるよ、じゃあね、赤星くん」とQは去ってしまう。

Qが去ったあとに映像と音声が流れて、Qが乗った旅客機が行方不明になったことや赤星のその後が映し出される。

自作の短歌でQに告白しようとする赤星、かっこいいなあ。初めは「Q…さん」だったのが、ここでは「Qちゃん」になっているのも良いなあ。
「フェルマーの最終定理」や「モリブデンの結晶構造」が出てくるのも「おおっ!」ってなった。『桃源Q』考察プロジェクトの【とんでも考察part2】も面白かったから、「桃源Qはフェルマーの最終定理」というアナウンスは気になるなあ。
別れのシーン、たぶんQも赤星のこと好きだった(あるいは気になってはいた)んだろうなあと思う。
Qが去ったあとのシーンで、旅客機Q333が行方不明になったっていうのがめちゃくちゃ気になりました。
「Q333」なのは「『桃源Q』のQ」と「お話が序盤・中盤・終盤とそれぞれ3話ずつになっていること」が関係していそう。
前回の第4話で「サザエさん」が出てきたのは、サザエさんの最終回の都市伝説が関係してるんだと思う。サザエさん一家が旅行した際に乗っていた飛行機が事故で海に墜落してしまい、それでおしまいという都市伝説。
クラファンの返礼品の一つであるドキュメンタリーのタイトルが「体育館に飛行機を落とす方法について」なのも、めちゃくちゃ気になる。第7話が黄泉の国のお話で体育館が出てくるらしいから、ひょっとしたら関係がありそうだなあって思った。

「わたしの頭の中にある記憶、Qの記憶でしょう?」と尋ねる新Q。ロボ星は「難しいです。ごめんなさい」と返す。「だよね。何やってるんだろう、わたし」とロボ星から離れようとした瞬間、バグりだすロボ星。ロボ星の画面に「数学も物理も全部捨てるからきみの百点満点くれよ」と映し出されて、Qはそれを笑顔で見つめる。そしてエンドロールへ。

ラストシーンもめちゃくちゃ良くて、Qの笑顔と赤星の短歌で終わるのがすごく切なかった。タイトルの「きみの百点満点くれよ」が「7・7」でリズムよかったのは、赤星の短歌の下の句だったからなんですね。
毎話、エンドロールの最初のほうでそれぞれのタイトルが出てきてたのが、この第5話・第6話あたりで特に効いていたのが素敵だなあと思いました!
第5話のエンドロールのときに、メインテーマがピアノなのも素敵だった!

というわけで、本編に関する感想や考察は以上です。
劇中に出てきた二首の短歌が気になった方で、『新短歌教室の歌集1』をまだ読んでいない方がいらっしゃったらぜひ読んでほしいです!!こんにち博士さんと太田垣百合子さんの短歌が載っていて、他にも素敵な短歌と評がたくさん載っていますよ!

最後に、メインビジュアルについて!
第5話のメインビジュアルは、オパビニア。
丸っこいロボットみたいでメカかわいい!
学名はオパビン峠から命名されたらしく、「オパビン」は現地の言葉で「岩」を意味するらしい(こんにちは、Wikipedia先生)。岩?岩?!絵夢さんのお絵かき⑮に岩みたいな顔をした黄色い生き物が出てくるんだけど、あの子と何か関係があるのかなあ?
「オパビニア」でググったら、スピッツ(スピッツさん?)の楽曲に『オパビニア』があるらしい。聴いてみたら第5話の内容と関係がありそうなフレーズがいろいろありました!

おわり!

蛇足の一首!

あのときのふんわりとした風がいい。きみといっしょに風化するなら (西淳子)