桃源Qをみたよ! #6

今回は、『桃源Q』第6話「せーので発射するタイムカプセル」の感想や考察などを書いていきます(ネタバレも含まれているので、まだ観ていない方は注意!です)!

まずはタイトルがかわいらしい。「せーので」が特に効いていて、明るい感じのかわいさ。

[ビックノース]さんがTwitter上で、「第6話のタイトルはウラシマ効果の意味でのタイムカプセル的要素と、赤星の見つけたタイムカプセルの二つの意味があるのかな?」という考察を挙げていて、なるほど!!と思いました。これはありそう。

では、本編にうつります(色のついた部分は大まかな内容です)。

赤星とQは、高校の同級生で、職場の同僚。赤星は宇宙科学研究所の技術担当で、Qは宇宙飛行士。「付き添いワフワフロボット」で赤星を見守る(監視する?)Q。もうすぐ飛び立つQが乗るロケットに欠陥が見つかったと赤星は話す。代替品が地元にあった気がすると、河原でそれを探す赤星。高校の頃の思い出話をする二人。ときおり、Qに「話、聞いてないと思ってた」と言う赤星。

「付き添いワフワフロボット」ってドラえもんみたいだなあって思った。たしか、ドラえもんの職業は「特定意志薄弱児童監視指導員」だったはず。「ワフワフ」がかわいい。
赤星がQに話していたゲームの内容が、第1話と同じだったのが良かった。あの後、二人はデートしたっぽいので嬉しい。

いつも一方通行だと思っていたと、赤星は一人語り始める。高校生の頃、赤星は美術部でQは帰宅部。河原で大胆に寝ているQを赤星は部活帰りに見つける。「……上質なマスキングテープ」、「マスキングテープじゃなくて……」、「マーカー」などと大きな寝言を言うQ。愛おしく思い、赤星はそばに座る。再び寝言を言うQに「カーマンライン?」と話しかけると正解だった様子。Qの手を撮影する赤星。赤星にとってそれは忘れられない思い出で、Qは「推し」のような存在らしい。

赤星が高校生の頃の思い出を語るシーン、めっちゃ好き!第2話で赤星がQとの出会いを語るシーンがあるんだけど、それのリフレインにも見える。どちらも赤星のQに対する「好き!」って気持ちが伝わってくるのが良いんだよなあ。
Qの寝言もかわいい!
「一方通行」と「推し」というワードは気になったから、最後のほうで書きたいと思う。

「高校生の頃と言えば、俺の手を待ち受けにしてたでしょ」と赤星に話すQ。認める赤星にいつ撮ったのか、Qが尋ねる。「上質なマスキングテープ」と赤星が呟くと、Qはいつも見る夢の話を赤星にする。そこから先は何か思い出せずに腑に落ちないまま目覚めるらしい。「カーマンライン」と呟く赤星に、「それ!」と反応するQ。Qは赤星にカーマンラインについて話し出す。人間もセミのように越えなきゃなと語り合う二人。200年後、人は地球に住めなくなるらしい。「俺たちが宇宙を越えていかなきゃならない」とQ。「好きだから、宇宙」と話す赤星に、「うん」とQは返す。

自分の手を待ち受けにされて「キモい」だけで済ませてしまうQは懐が深いなあと思った。赤星のことをロボを通して見守っていたり、この後の赤星の嘘に対して「気にしてない」って言ったりしていて、めちゃくちゃ良い人なんだろうなあと思った。
カーマンラインの話でカエルとセミが出てきたのが、めちゃくちゃ良かった!第6話を観たあとに第2話を再び観たら、第2話のラストの感動がより深くなった。
「俺たちが宇宙を越えていかなきゃならない」のシーンは、めっちゃ熱い!二人のお互いを信頼し合っている感じがたまらない。

「次に乗るロケットが飛んでから戻ってくるのが(上手くいけば)30年後かも」と赤星に伝えるQ。動揺する赤星。人間がカーマンラインを越えて生活できるかの実験の期間が30年らしい。ヘルメットを被り、今から行くことを伝えるQ。欠陥していたというのは赤星の嘘らしい。「行かないでくれ」と赤星は頼むが、「行くよ、ごめんな」と謝るQ。宇宙に対する想いを語るQと、Qに対する想いを語る赤星。
「もしもパラレルワールド的なものがあったとしたら、どんな世界でもQのことを好きになってたと思う」と話す赤星。「めっちゃ好きじゃん」と吹き出すQ。
赤星は川に入って探し物をする。探していたそれは、タイムカプセルだった。タイムカプセルの中身(?)を一人語り始める赤星。ロケットに乗り込むQ。「さようなら、ありがとう」と言う赤星の画面が3、2、1と回転する。ロケットが発射されて、エンドロールへ。赤星はそのロケットを追いかけるが……。

宇宙に対する想いを語るQと、Qに対する想いを語る赤星のシーンも良いんだよなあ。赤星にとっての「宇宙」は「Q」なんだけど、Qにとっての「宇宙」はとてつもなく広い存在なのが切ない。
パラレルワールド的なものの話をしているときに、「店員とお客さん」とか「売れないお笑いコンビ」が出てきて、「おおっ!」てなった。
「ロケットの欠陥した部品」と「タイムカプセル」と第4話の「マトリョーシカ&ビー玉」と第5話の「ラブセンサー」は関係がありそう。これはとんでも考察なんだけど……。「ロケットに必要なもの」が実は「マトリョーシカ&ビー玉(あるいはそれらが持つエネルギーとかパワーみたいなもの)」なんだと思う。「タイムカプセル」がロケットの欠陥した部品の代替品なのは、「マトリョーシカ&ビー玉」に近い力を秘めているからなのでは?どちらもカプセルという点で共通はしているので。そして、「タイムカプセル」も「ラブセンサー」も「赤星が持っているQに関する忘れたくない記憶」という点で共通している。よって、これらの4つは関係があるのではないかと思いました!
赤星の「さようなら、ありがとう」のあとに赤星の画面が「3、2、1」と回転して、Qの画面に「せーので発射するタイムカプセル」と第6話のタイトルが表れるのもめちゃくちゃ感動しました。

メインビジュアルに関する話の前に、もう一つ【とんでも考察】を挙げたいと思います!それは「Q」に関することです。
「Q」は「PならばQ」のQなのではないかと思いました!
第6話では「片想い」ではなく「一方通行」と頑なに言っているので、「一方通行」は重要なワードなのではないかと考えました。「赤星⇒Q」と表したときに思い出したのが、数学で習ったことのある「PならばQ」でした。
P⇒Qが真のとき、「PはQの十分条件」で「QはPの必要条件」です。
ということは、「赤星⇒Q」が真である(?)としたら、Qは赤星にとって必要な存在だと言えるのではないでしょうか。赤星役が南極ゴジラさんで、Q役が客演の方なのもそれが関係していそうです。
また、たしか「P⇒Q」が真であるということは「P⊂Q」であるので、赤星にとっての「宇宙」は「Q」であり、Qにとっての「宇宙」はそれよりもさらに広い存在であることを表していそうです。
あと、「推し」については「アイドルマスター」が関係していそうです。「アイドルマスター」というコンテンツでは、ファンのことを「プロデューサー(P)」と呼び、推しているキャラクターを「担当」と呼ぶ文化が有るみたいです(ネットで得た知識なので本当かは不明ですが)。ここでも「P」が出てきましたね。

というわけで、とんでも考察を含めた本編に関する感想や考察は以上です。
第7話以降もとても楽しみです!

最後に、メインビジュアルについて!
第6話のメインビジュアルは、ネレオカリス。
宇宙飛行士のヘルメットを被っていて、お目目もくりくりしています!不気味かわいい!
Wikipediaで調べようとしたら見つかりませんでした(さよなら、Wikipedia先生。どうか死なないで)。
とりあえずいろいろ調べてみたところ、体の前部外側を固い殻が覆っているらしい。ネットで調べて出てきた画像の中には、ヘルメットを被っているように見えるイラストも出てきました。初期の甲殻類の仲間らしいです。
名前の由来は分かりませんでした。「カリス」はエビとかカニみたいな意味であることは推測できるんですが……。「ネレオ」がちゃんとは分からなかったです。ギリシャ神話に由来する海の神の名前が「ネレオ」らしいので、それかなあ。「ネレウス」という小惑星もあるらしいです。

おわり!

蛇足の一首!

きみの手は近くて遠い。待ち受けの、宇宙の果ての手に手をのばす (西淳子)