桃源Qをみたよ! #4

今回は、『桃源Q』第4話「ビー玉になった雨粒いつまでも溶けない」の感想や考察などを書いていきます(ネタバレも含まれているので、まだ観ていない方は注意!です)!

まずはタイトルが詩的で素敵!ビー玉を見るたびに、もしかしたらこれももともとは雨粒だったのかなあと思っちゃう。
第4話でめちゃくちゃ謎なアイテムの一つとして、ビー玉が出てくるのですが、あのビー玉ももともとは雨粒だったのでしょうか。

では、本編に移ります(色のついた部分は大まかな内容です)。

帰宅する赤星。妻のQに語りかけるが、「誰?」、「おばけ?!」、「不法侵入型のオレオレ詐欺?!」、「不審者」などと言われて追い出されてしまう。しかも15日の日曜日だと思っていたのに、5月7日の金曜日だった。家の表札には「赤星」と書かれてある。手に持っていたビー玉を見て何か思い出す赤星。この前、仕事に向かう際に道に落ちていたマトリョーシカを拾ったらしい。開けると中に、ビー玉と小さい紙が入っていたと一人語る赤星。

赤星を見たQが最初のほうで「おばけ?!」って言っていたのが、少し不思議。第7話が黄泉の国のお話らしいので、それと何か関係があるのかなあ。
Qの「不法侵入型のオレオレ詐欺?!」というセリフが面白かった!似たような場面に遭遇したら、ぜひ使いたいなあと思った。
『サザエさん』も「桃源Qは国民的アニメの都市伝説」という開演前アナウンスと関係がありそう!これについては第5話の感想・考察のほうで書きます。「タラちゃん、家出する」が本当だったのかを調べてみたら、違うみたいなのでこれも気になる。第4話で赤星が何度も家を出たり入ったりしていたこととかを表しているのかなあ。
マトリョーシカやビー玉はやっぱりめちゃくちゃ気になる!たぶん今のところ、第6話と関連がありそう(?)なので、これは第6話の感想・考察のほうで書きます。

「とりあえず、もう1回」と、赤星はビー玉を二回ぶつける。Qは赤星に親しげに話してくれるがいつもと様子が違う。どうやらこの世界では、赤星はQの旦那「又三郎」の幼なじみらしい。「お邪魔しました」と家を出た赤星はビー玉をぶつける。家には知らない女性がいて、驚く赤星。どうやらこの世界では、赤星はこの女性の旦那らしい。再び家を出た赤星はまたビー玉をぶつける。家には、たっくんへの手紙とオムライスが……。どうやらこの世界では、たっくんという男性がQの旦那か恋人らしい。だんだんと別の世界のことも思い出す赤星。Qに認識してもらえない世界は辛すぎると嘆く。元の世界へ戻りたい赤星は、並行世界を飛び続けるしかないと考える。しかし、何度試してもQに旦那だと認識してもらえず……。

「又三郎」は宮沢賢治の『風の又三郎』から?『風の又三郎』の中で「モリブデン」が出てくるみたいなので、たぶんそうじゃないかなあと思った。
「赤星」、「あーたろう」、「赤くん」から二人の仲の良さが伝わってきて、好きです。
「行き先と帰り時間だけは連絡してって言ってあるのに」のセリフ、第4話の結末を知った状態で聞いたらゾッとした!まさか伏線だったとは。
オムライスを食べる赤星、「元の世界のQに会いたい」という気持ちが表れていて良い!
このあたりのギターの演奏や壁に映し出された美しい写真も不穏な感じをめちゃくちゃ表していて凄いなあ!と思った。
あと、二人の「ヤッホー!」がかわいい!

「何でもいいからQと話したい」と思った赤星は、Qの家で雨宿りさせてもらうことにする。この世界ではQは一人暮らしであった。「家族とかがいたらよかったなあ」というQの言葉に、赤星は泣いてしまう。「ありがとう、Q」と家を出る赤星。

雨宿りのシーン、Qの明るくて優しい人柄が伝わってきて好き!赤星がQのこと大好きなのもめっちゃ納得できる。
あと、刺繍にもカエルくんが出てきたから、『桃源Q』の世界ではカエルくんは人気者だなあと思いました!
「家族とかがいたらよかったなあ」というQの言葉は、それまでのQの「誰?」の繰り返しもあって、めっちゃ心にグッと来るなあ。そりゃあ、泣きたくなるわ。

マトリョーシカの中に入っていた小さい紙のことを思い出し、赤星はその紙をひらく。紙には、並行世界へ行く方法と元の世界へ戻る方法が書いてあった。ビー玉をおはじきのようにぶつける赤星。すると、Qは「おかえりー」と迎えてくれる。元の世界に戻ってQに会えたことを喜ぶ赤星であったが……。Qは「誰?」と赤星に尋ねる。「記憶ノート」には赤星の写真と「私の旦那さん」という文字が……。
雨に濡れて高熱を出し、三日三晩眠り続けたQは目を覚ますが、記憶が三時間と持たなくなっていた。三時間毎に記憶がリセットされるようになったQ。「あのとき……」と後悔する赤星。泣きながらポケットの中を探ると、そこにはさっきまでとは色の違うビー玉が……。ビー玉をカチリと音を立ててぶつけるが、並行世界へはもう行くことができず。泣き崩れる赤星と虚空を見つめるQ。そしてエンドロールへ。

「なに?赤星?」のQの笑顔と「よかったぁ」ってQに抱きつく赤星、めちゃくちゃ良い。カタルシス!!
ってなった次の瞬間にQの「誰?」は、圧倒的絶望!!「こんなことにならなかったのかもしれない」を赤星ではなくQが言うのも、より絶望を感じた。色の違うビー玉が現れて一縷の希望が見えたと思ったら、並行世界にすら行くことができず……。泣き崩れる赤星と虚空を見つめるQという対比がまた「お互いの想い度合いの不均衡」を表していて、凄い……。凄すぎて怖い!!

エンドロールで「恋=バグ」、「リフレイン」と『桃源Q』のテーマが二つ映っているのも良い……。
あと、第4話と第1話は話の造りが似ているなあと思った。第4話では赤星がQのもとへ何度も訪れて、最後のほうでQが赤星を認識したと思ったら、忘れられて終わり。それと比べて、第1話ではQが薬屋を営む娘(赤星?)のもとへ何度も訪れて、最後のほうでQが赤星に気付いたっぽい感じで終わり。表裏一体みたい。

というわけで、本編に関する感想や考察は以上です。
第3話と第4話の脚本はどちらも太田垣百合子さんらしいんだけど、ギャップがすごいなあと思いました!

最後に、メインビジュアルについて!
第4話のメインビジュアルは、なんだろう?分からない!「南ゴジグッドナイト」で聞いておけばよかったなあ(笑)
毎回、メインビジュアルの部分は南極ゴジラさんのインスタグラムを参考にしているのですが、第4話だけメインビジュアルの説明が見あたらないのです(私が見逃しているだけ?)。第5話・第6話のメインビジュアルについては説明が書いてあるので、第4話だけ説明がないのは意図的なのかなあ?
第4話のメインビジュアル、第一印象は「胎児みたいだなあ」です。成長したら、「もののけ姫」のシシ神様や「ポケモン」のオドシシ、ゼルネアスとかになりそう。
しかし、『桃源Q』のメインビジュアルはカンブリア紀の生物をモチーフにしているらしいので、胎児ではなさそう?!です。
というわけで、めちゃくちゃ考えた結果、「オウムガイ」説を挙げたいと思います!「アンモナイト」も思い付いたのですが、「アンモナイト」はカンブリア紀よりもうちょっと後っぽいので……。胎児のように丸まった身体は「殻」っぽいし、ビー玉をたくさんつけた角は「触手」っぽいですよね?!ビー玉をたくさんつけていて、とてもオシャレさんです!
「オウムガイ」の英名は「ノーチラス」で、ギリシャ語で水夫、船舶を意味するとのこと(Wikipedia先生、いつもお世話になっています!)。
ジュール・ヴェルヌの冒険小説『海底二万里』に出てくる潜水艦の名前が「ノーチラス号」と言うらしいのですが、読んだことがないので関係があるのかどうかは分からないです……。Wikipedia先生の情報によると、『海底二万里』の中で「魔の大渦(メイルストローム)」というものが出てくるらしいのですが、次の第5話で「バミューダトライアングル(魔の三角海域)」が出てくるので、もしかしたら関係があるかも?
あと、これまたWikipedia先生の情報によると、ヨルシカの楽曲に『ノーチラス』というものがあるらしいです。聴いてみたら「風邪」とか「雨模様」といった単語が出てきたので、この楽曲ももしかしたら関係があるのかなあと思いました!

おわり!

蛇足の一首!

ビー玉のようにまっすぐ、まっすぐきみにぶつかる俺に気づいてほしい (西淳子)

追記
第4話のメインビジュアルは、ハーペトガスターでした(南極ゴジラさんのインスタグラムより)!見逃してしまい、ごめんなさい!名前は「這い回る(herpeto)」「胃(gaster)」から来ていて、本体の大半は胃であっただろうと考えられているみたいです。カンブリア紀の生物はおもしろい子だらけだなあ。