南極ゴジラ『怪奇星キューのすべて』をみたよ!

はじめに

こんにちは!
南極ゴジラ観測隊、隊員の西淳子です。
私、前回の観測(観劇)日誌「桃源Qをみたよ! #9」でこんなことを書いていました。

『桃源Q』がきっかけで、南極ゴジラさんに恋をしたので、また今後も感想などを書いていきたいと思います!

「桃源Qをみたよ! #9」より https://note.com/jacky244ray/n/n89b2ea84d976

……それから約2年が経ちました。
全然書いてへんやんけ!
いやー、この2年間、YouTubeやInstagram、本公演のビデオ版などで観ることができる作品はちゃんと観ましたよ!本当です!
でも感想書くのが苦手すぎて、苦手だからと放っておいたら、こんなに時間が経ってしまいました。時が経つのは早いですね。早くて、こわいです。こわい……と言えば、南極ゴジラさんの『怪奇星キューのすべて』!
観ました!初の生観劇!やったー!
これはもう久しぶりに観測日誌を書きたい!書かなきゃ!ということで書いていきます!



その前に前日譚、ちゃんちゃん

その前に前日譚を少しだけ書きます!
2023年8月5日土曜日。南極ゴジラさんの劇が観れる嬉しさと夜勤明けに訪れるあの謎のハイテンションと台風接近ハイテンションがごちゃまぜになりながら、私は東京へと向かいました。
ごちゃまぜトリプルハイテンションのおかげで予定より早く東京に着いた私は、翌日、迷子にならないように北千住駅から会場の北千住BUoYまでを歩くことにしました!
方向音痴兼機械音痴の私はナビアプリを使っているくせに若干迷子になりながら、どうにかこうにかBUoY付近に到着しました!記念に看板(?)を撮ってから駅のほうへと向かおうとしたら、ナショナルちゃんを持った女性がBUoYへと入っていきました。もしかして、古田絵夢さん⁉本物⁉と思っていたら、今度は眼鏡をかけたファッショナブルな男性がBUoYへと入っていきました。もしかして、こんにち博士さん⁉本物⁉やったー!わーい!
というわけで、本人さんかどうかは確認していないので分かりませんが、観劇の前日に本人さんっぽい方を見かけることができてうれしかったよーという話でした。ちゃんちゃん!

8月6日13:00の回

2023年8月6日日曜日、午前11時頃。
私は会場近くの公園で、近づいても逃げない鳩を撮っていました。私が予約していたのは6日の17:00の回です。なぜそんな私が会場近くの公園にいるのかというと……どうやら13:00の回の当日券があるかもしれないとX(キューTwitter)で知ったからです。
観たい!めちゃくちゃ観たい!でも他に観たい人がいっぱいいるかも!その人たちにも観てもらいたい!
そんなジレンマに苦しみながら鳩を見ていたら思いつきました。そうだ!ギリギリの12:30頃に会場へ行って、まだ当日券があったら観よう!我ながら良い案なのでは?鳩さん、ありがとう!
そんなこんなで、公園の鳩と戯れたり、Twitterで『怪奇星キューのすべて』に関するツイートを見たり、ラジオ《やさしい地球》へメールを投稿したりしながらその時を待ちました。

そして、お昼の12:30頃。
会場に着きました。受付入口のところに太郎物語のお二人(たぶん)がいて、わーい!となったこともあり、受付のあとに間違ってそのまま会場に入ろうとしちゃたりしましたね。ほんとうにすみませんでした。
受付近くで待っているあいだは受付のあたりを見ていた(今思えばめちゃくちゃ迷惑な奴だな、俺。ごめんなさい)のですが、いろんなお客さんの楽しそうな姿が見れて、なんだかうれしくなっちゃいました。

13:00頃。
ありがたいことに当日券で観ることができて、会場に入りました!
目の前に広がるあこがれの南ゴジワールド!開演前アナウンスがあり、ラジオの周波数を合わせて、ついに初の生観劇!

この物語にはこの始まりがふさわしい。
この劇はこんなふうにはじまる。

……気がついたら終わっていて、私の心はめちゃくちゃドキドキしていました!生きてるって感じです!

めちゃくちゃドキドキした状態で北千住BUoYを出ました。外に出てもまだドキドキしています。とりあえず再び会場近くの公園へと向かいました。

近づいても逃げない鳩さん

劇の感想、全然書いてへんやんけ!

いや、劇の感想、全然書いてへんやんけ!めちゃくちゃドキドキしたことしか分からないじゃん!ここまで読んでくださった方はそう思ったことでしょう。ここまで読んでくださったのにすみませんね〜。でも、言い訳させてください!これ書き始めたの、2023年8月27日です。生観劇から3週間も経っています。つまり、そういうことです。
というのは半分冗談で、初の生南極ゴジラさんということや劇がめちゃくちゃ良かったこともあり、うまく言葉にすることができず、6日13:00の回の感想はこんな感じになっちゃいました。ごめんなさい!

8月6日17:00の回

いやー、2回観ることができて良かったですねー。この回の感想はちゃんと書きます!

というわけで、再び北千住BUoYへ。
早めに受付をすませたので座席を選ぶことができました。
『怪奇星キューのすべて』では座席がレジャーシート席・ミニ椅子席・椅子席の三種類があり、先ほどの13:00の回は椅子席で観ました。今度はより近くで観てみたい!ということで、17:00の回はレジャーシート席にしました!
開演前にグッズを買いに行きました。グッズを販売しているところがエレクトリカルパレードの移動式屋台なのが良かったです!たしか、九條えり花さんと古田絵夢さんがいて、わーい!やったー!でした!13:00の回では台本とTシャツを買ったので、今回は他のグッズをいくつか買いました。南ゴジさんのグッズはいつもキュートで素敵なので、ついたくさん買ってしまいます!
グッズを買ったあとは『ホップステップ 南極ゴジラ vol.6』を読んだりしながら開演を待ちました。『ホプステ』、たしかvol.3以降は劇場とかでの限定配布だったので、vol.2ぶりに読むことができてうれしかったです!そうこうしているうちに開演前アナウンスがあり、17:00の回開演です!

この物語にはこの始まりがふさわしい。
この劇はこんなふうにはじまる。

※前回の『桃源Q』の感想のときには大まかな内容もいっしょに書いていたんですが、今回はさすがにそれを書くだけで精一杯になっちゃうと思うので省きます。とりあえず手元にあるグッズの台本を読みながら、観劇時のことを思い出しつつ、特に印象に残っているシーンなどをぽつぽつと書いていきたいと思います。

プロローグ

「この物語には……」のナレーションがあり、宇宙船の墜落直前のシーンから『怪奇星キューのすべて』は始まるのですが、初っ端からすごかったです!
甘電池、森山ボンド、UB の三人の宇宙飛行士たちを他の登場人物たちが囲んで、墜落する宇宙船を表現していました。緊張感、迫力があるプロローグで劇中の世界へより入り込めました。13:00の回のときには気づかなかったのですが、宇宙船の音などもたぶん生の声とかでやばかったです。

第一章 墜落事故 

第一章が始まるときのナレーションで、怪奇星キューの広さだったり、宇宙の息しづらそうな感じだったりが伝わって好きでした。

ボンドが水男と戦う場面で電池と湯気が叫ぶシーンがコミカルでおもしろかったです!

第一章のあと、たしか一回目の移動がありました。移動時は丁寧な案内があったり、移動時の合間もボンドと電池が湯気の死体を埋めているところを観ることができたり、太田垣百合子さんのラジオ「やさしい地球」があったりして、移動時も楽しめました。13:00の回は持ち込んだラジオで「やさしい地球」を聴いたのですが、その体験もめっちゃ良くて持ってきて正解でした。17:00の回はカバンの奥にラジオを入れていて取り出せなかったのですが、ラジオなしでも聴くことはできたのでありがたかったです。

第二章 ゴーストシップ 〜この星の住人のすべて〜

17:00の回で移動した際、席がちょうどUBが倒れているうしろのところだったので、「人が倒れている!」とビクッてなりました。13:00の回も観てるのに……
 
ヤッタ!ヤッタ!と小躍りしている電池とその電池に話しかけようとするエレクトリカルパレードがかわいかったです。そのあと、電池がジェントルマンっぽくなったのもおもしろかったです。

UBと焚火の噛み合っているような、噛み合ってないような感じの会話もよかった。異星人と会話するときってこんな感じなのかもしれないなあと思いました。

パレードと焚火が語る怖いお話、こわかったですね……それぞれ別のお話なんだけどオチが繋がっている?重なっている?のもよかったですよね。
第二章は客席から見て右側のほうで電池・ボンドとパレードがやりとりしていて、左側のほうでUBと焚火がやりとりしているって感じだったんだけど、同時進行で物語が動いていたというのもあって、怖いお話のところではおー!ってなっちゃいましたね。

第三章 衣・食・住・恐 〜この星の生活のすべて〜

マッド先生の豪邸の場面。
電池が客席のほうに向かって「―――なんでこんなことになってるんだろう。ね。……」と語りかけるシーンがあったんだけど、私が座っていた席がちょうど電池の後ろ側ということもあって、まるで電池(ユガミノーマルさん)から話しかけられたっぽさがあり、めちゃくちゃうれしかったです!

マッド先生の顔に貼ってあるティッシュの心もとなさ……17:00の回はレジャーシート席だったから、マッド先生が喋るたびにティッシュがピラピラしているのがよく見えておもしろかった。マフィアみたいな感じのところもおもしろかったです。
でも、その後の怖い治療はちゃんとこわかったですね……実際にあんなことがあったら小便ちびると思います。

スタイン、目力とかがすごくて、いい意味でヤバかった。スタインの「もちろん! この牛人間スタインの、ミルクやで!」のところ、おもしろかったです!私もスタインのミルク入りケロッグ食べてみたい……

電池・ボンドとビニールの墓場の場面。
ビニールの「やさしい音楽を演奏してしまったから」のところが好きでした。マッド先生の豪邸の場面ではヤーさんっぽくてこわいキャラだったけれど、このシーンではビニールの優しいところが出ていて、キュンってなっちゃいましたね!まあ、そのあとの脱獄方法で笑っちゃったんですが。

第三章の最後のほう、湯気の「50m溺れ死にのトレーニング、はじめますよ?」がおもしろかったです。いや、自分が殺して埋めたはずの人間が生き返っている(?)のはめちゃくちゃ怖いんだけど……でも、湯気のセリフが「私を殺して埋めたな。恨んでやる!」とかじゃなくて、「トレーニング、はじめますよ?」なのが湯気らしくて好きですね。

第四章 最優秀脚本賞 〜この星の文化のすべて〜

UBたちがナショナルに出会う場面。
ナショナルがふわふわした喋り方で、ゆるキャラっぽくてかわいかったです。
こんにち博士が演出後記で

電池とボンドのパートはとにかくハードボイルドにしたくて、人殺して逃げて追いかけられて、みたいな展開。一方でUBはずっと砂漠を歩き続けて、変な仲間がどんどん増えてサーカス団みたいになっていく、みたいなことをしたかったです。

こんにち博士 「怪奇星キューのすべて」演出後記 より
https://note.com/i_am_kondo/n/n9b68d0073c2b

UBは、栞里、和久井、えむさんの順番に出会っていくのですが、3人は南極ゴジラの中でも超南極ゴジラ、南極ゴジラの中の可愛げを担っている部分3人、と思っていて、そこに無理やり巻き込まれていくUBという構図を作れたと思っています。怪奇星キューに行くなら俺は絶対UBチーム側で旅したい

こんにち博士 「怪奇星キューのすべて」演出後記 よりhttps://note.com/i_am_kondo/n/n9b68d0073c2b

と書かれていて、わかりみでした!UBたちが街へと向かっていくときに観客席のそばを通っていたのですが、すごくキュートでした!

電池とボンドが脚本家の浮藤翔太と出会う場面。
電池の「スランプマンだ」が地味にツボでした。
ボンドが火炎放射器で浮藤を燃やしてからの3人のやりとりがテンポよくてめちゃくちゃおもしろかったです!ドラキュラ漫才……!
雷が落ちたときのパレードの「きゃーーーー!!」はすごかったですね……!本格的な「きゃー!」でビクッてなりました。

UBたちがファミリーたちと出会う場面。
開演前、音楽隊が囚人服っぽい格好で気になっていたのですが、ここで出できてうわーってなりました!

恐怖の祭典・K1グランプリ!
私が座っていた席がたしかピアノの近くだったということもあり、K1グランプリのテーマ曲の演奏をすごい近くで聴けて、うおー!ってなりました!
πの登場シーン!ミワチヒロさんが演じる陽気なキャラ、いいですよね……!大好き!πの首ガクーン!を観て、そういえば、πの登場人物の紹介文に「かつてはマジシャンをしていた」って書いてあったなあと思い出して、笑っちゃいました。
そして、電池・ボンド・パレード・浮藤・湯気によるコント!すごくはちゃめちゃで、まさに雷鳴って感じでした!
そんなにぎやかなK1グランプリから一転、あの恐怖の第一幕のラストがあって、あれはすごかったでしたね!観劇前にトイレに行ってなかったら、ちびってたかもしれない。

第五章 怪奇星キューのすべて

第二幕が始まる前の休憩時間のとき、南ゴジさんや客演のみなさんが白い衣装なのを見て、「あっ、これからもっとこわくなりそう」っていうドキドキ感がありましたね。
ラジオの「やさしい地球」もそれまではゆったりしていてチルな感じだったのに、休憩時間のときのはゆったり感はあるけれどちょっと不思議で不気味な内容だったので、さらにドキドキしました。

9号の幼少期の場面。
精神科医たちの治療のところ、テンポよく淡々と行われる感じがめっちゃこわかったです!9号のセリフがない分、9号がこわがっている様子がより伝わってきました。9号の母親も、あれは9号を想っての言動ではあるんだろうけど、子ども(9号)の立場から見れば、自分を無視されているようでめっちゃこわいですよね。
そんな中で出てきたこわいマンがかわいかったです。9号とこわいマンが過呼吸になったときにいっしょに深呼吸するシーンが好きでした。

9号の初恋の場面。
フラワーちゃん、かわいかったですね。私の脳内にもこわいマンとフラワーちゃんが出てきてほしい……
9号の初恋の相手である魔女はいろんな意味でこわかったです。ちょうちょを手で握りつぶすところとか、自分に恋をしていることに気づいていて9号をおもちゃ扱いするところとか……
魔女を演じていたのが、たしか古田絵夢さんで、第一幕のナショナルのときと比べて声色とか雰囲気とかにギャップがあってすごかったでした。

航空クラブの場面。
ジュニアとクラブ生たちのあの感じもこわいですよね。あの感じはちょっと苦手です。9号の隣にいた補欠の「ワンワン!」はかわいかったです!
電話恐怖症のところ、幼少期の9号はこわいものに対してすごくビクビクしている感じだったのに比べて、青年の9号はビクッとはなるけれど、恐怖症が治ることはないという諦め?みたいな部分も見えて、それが悲しくて好きでした。

シャトルランの場面。
シャトルラン、今こうやって振り返るとけっこうこわいですね。走っている自分はどんどん苦しくなっていくのに、シャトルランの音楽は淡々とそして段々と速くなっていって……
幼少期の9号と青年の9号がいっしょに走っているという演出?がよかったです。
アメリカの女性がたくさんの犬を走らせて、試験会場が大パニックになるところも、淡々と進んでいくシャトルランがめちゃくちゃになる爽快感?と9号が一位になったといううれしさが一気にきて、よかったでした。

スプートニク9号が打ち上げられる場面。
犬専用のロケットに乗るの、めっちゃこわいだろうなあ。たしか、ここでキリンジの「エイリアンズ」の合唱?斉唱?があったんだけど、それも相まってすごく残酷でとても美しい場面だなあと思いました!
打ち上げられたあと、怪奇星キューがどうやって誕生したのかが明かされるんだけど、なるほどーそういうことだったのか!すごっ!って、なりました。

400万年が経って、3人の宇宙飛行士が怪奇星キューを脱出する場面。
第二幕に入ってからは静かで重い雰囲気が多かったから、ここの脱出するところはスリリング!って感じでした!怪奇星キューの住人たち、めちゃくちゃキュートだと思っていたけれど、実はめちゃくちゃ怖いんだなあ……と思っていたら、

浮藤がまだ優秀な脚本家だったとしたら、
この物語をこんなふうに終わらせるに違いない
 

とナレーションがあって……

第六章 怪奇星キューのすべてのすべて

「君たちは、この星から、出ることはできない」と言う9号に対して、「タイム」と電池。
4分間も話し合う時間をくれる9号、やさしい……

怪奇星キューの住人たちがすでに死んでいることがわかったときには、これまでの謎とか引っかかっていたことがすっきりして、あー!ってなりましたね。死んだはずの湯気が生き返っていたり、パレードの「この星からは・・多分出られないと思うけど」というセリフだったり、焚火が一人で野球をしていたり、スタインの「ほら、夏場はさ、みんななんか喉が渇いた気になって、ミルクたくさん飲んじゃうから」というセリフだったり……永遠に死に続ける(生き続ける)ってどんな感じなんだろう。きっとこわいんだろうなあ。

四者会議の場面。
9号がゆっくりと歩いて、椅子に座る場面がすごく好きでした。あのとき、「見えないけれど、たしかにそこにいる」という感じがすごく伝わって、涙が出そうになりました。というより、涙出てましたね。
4人がそれぞれ、自分のこわいものを語るところも好きです。自分のこわいものが相手には理解されないことがあるってのが、リアルだなって思いました。
ボンドの「おれがもう死んでるからか?」は、あー!ってなりました。電池の「ボンドが宇宙船に乗るんだったら、僕も地球に帰りたい」という考えが、最初聞いたときにはボンドといっしょで「お前ほんまにどつきまわすぞ・・・!」だったので……電池、ごめんね!もしかして、UBの「わたし、この星一回出たら、もう二度とここには戻れないだろうなって思ってる」というセリフもそういうことだったのかなあ。

四者会議が終わったあとのナショナルの「あとかたもなくなったあとは、どこにでもいるってことなんです。だから、こわくはありません」というセリフも好きでした!

ナショナルのお葬式。
葬式前のπのセリフ「僕は家ナシ首ナシおちゃめ将軍ですよ」がすごくおちゃめでかわいかった!
浮藤の「月面で劇をやったら面白いんじゃないかって……」はサム月!ってなってよかったですねー! 
3人がお葬式のためにおしゃれな衣装に着替えるシーン、いい意味でオフショットな感じがあって好きでした!
スタインジョーク、スタインがそれ言うと本当にそうなのではないかって思ってしまう……スタインの懸命さがヤバすぎて……
湯気は相変わらず湯気らしくてよかった。ボンドはスカウトの返事、あのあとどう答えたんだろう……
パレードが電池にお葬式の司会をやることになったのを伝えるシーンはかわいかったです。この二人のかわいい会話がもうないかもしれないのはさみしいですね……
ナショナルのお葬式、キュートな棺桶にすてきな詩と、めちゃくちゃよかったでした!17:00の回の詩が太田垣百合子さんの短歌

わたしをそのまま空に打ち上げ、ほくろの数だけ星をつくって  (太田垣百合子)

ナナロク社の学校、『新短歌教室の歌集1』、ナナロク社、2021年、p.33

の怪奇星キューVer.で、おおーってなりました!めちゃくちゃよかった!
お葬式が終わってみんなで踊るところもすごく好きでした。『ホネホネ山』の金ぴかの時間で、みんなが楽しそうにしている場面が好きだったから、今回もみんなが楽しそうにしている場面が観れてうれしかったです!
ナショナルと9号の会話もすごくよかったです。第六章は涙腺がずっとバカになっていたので、ずっと涙目でしたね。

4444。
グッズの台本に「ロケットの下から出てくるボンド、手は真っ黒に汚れている」と書かれているのをみて、ボンドー!ってなりました!ちょっと、これはかっこよすぎるだろ……
月の石に名前を書くシーンで、UBが9号に「あなたも書く?」って訊ねたり、ボンドが「正面は、やめてくれ。ここは俺のゾーンやから」って言ったりするところもよかったでした。電池が2人とハグする場面とそのときのセリフもよかった。3人のそれぞれのらしさが表れていて好きでした!
電池が乗ったロケットを3人(ボンド、UB、9号)が押し出すところや、止まりそうになるロケットにダンスを踊る住人たちがぶつかって再び進んでいくところ、電池と9号(少年)が出会うところと……ラストシーンは好きなところがたくさんありました!
電池と9号(少年)の手があともう少しで届きそうだけど届かないところで、たしか、ボンドとUBがロケットを押して届いたところも好きでした!

……と、こんな感じで『怪奇星キューのすべて』の感想は以上です!なんか他にも書きそびれていることがありそうだけど、とりあえず以上です!
すてきな演劇をありがとうございました! 

考察というか妄想。「星」と「キュー」の物語

最後にもう少しだけ!
ここは(ここも?)別に読み飛ばしてもらって大丈夫です!
久しぶりに観測日誌を書いていて、南極ゴジラさんの本公演の作品って、「星」と「キュー」の物語でもあるのかもしれないなあと改めて思いました(つい最近、ビデオ版『南極ゴジラの地底探検』を観た影響もあるかもしれない)。もっと言っちゃえば、「星」と「キュー」が出会って、別れて、そして再会する(?)物語。

例えば、第3回本公演『南極ゴジラの地底探検』の球李(きゅうり)と星。
さまざまなパラレルワールドで、二人は出会って別れて、また別のパラレルワールドで出会って別れて……

例えば、第2回本公演『ホネホネ山の大動物』の星干男(ほし ほしお)と九輪九作(くーろん きゅうさく)。
これはこんにち博士のnote「ホネホネ山の見どころ99」の8/99 赤星とQに

今作でお互いを強く意識し合う二人も「星」「“九″輪」と赤星とQを意識したものになっています。

こんにち博士 「ホネホネ山の見どころ99」 より
https://note.com/i_am_kondo/n/n733cc1976d29

とあるので、「星」と「キュー」の物語だと言えそうです。
もともとは仲の良かった二人が化石戦争と呼ばれるほどの大喧嘩をして、一人が死んで、そのあともう一人も死んで、あの最後の微熱のセリフがあって……

第1回本公演『贋作ジュラシックパーク』は……当てはまらなさそうなのでちょっとカットで。
一応、主人公の大場紙太郎が恋する相手として「星」が、紙太郎の友達みたいな存在として「Q」が出てくるけれど……
ただ、「Q」はもう一人の紙太郎みたいな存在ぽかったし、ラストのシーンで「星」役の古田絵夢さんが紙太郎を最初に発見していたから、無理やりだけど「星」と「Q」が再会したと言えそう……?

で、今回の第4回本公演『怪奇星キューのすべて』!
自分の中で考察?妄想?した結果、今回も「星」と「キュー」の物語になっていると思います!たぶん!しらんけど!

「星」はいったん置いといて、今回の「キュー」は「9号」じゃないかと考えます。理由はグッズの台本に書かれている登場人物一覧のなかで一番「キュー」っぽい名前だからです!理由が適当すぎますね。

で、今回の「星」は誰だったのか。
それは、たぶん「甘電池」?。理由は台本に書かれている登場人物一覧のなかで一番最初に載っているからです。これまた適当すぎますね。
というのは半分冗談で、ラストのシーンで9号と甘電池が出会う場面があるからというのが理由の一つです。
あと、第五章で9号が宇宙に憧れたきっかけはテレビの砂嵐の中に薄く浮かんでいた短い詩だったとナレーションがあるんだけど、その詩の内容が空へ打ち上げられた人間が、星になるというものなんですよね。
さらに、四者会議のときに甘電池が「地球に帰ったら僕はスターだし……」と言っているんですよね。スター……つまり、そういうことなんだよね。やばいでしょ。

……でも、だったら名前が「甘電池」じゃなくて「星」でもよかったのでは?
ということは、今回の「星」は甘電池ではない?いや、甘電池だけではない!複数人いる?!
ってことで、今回の「星」は宇宙飛行士の3人(あるいは宇宙飛行士の4人)だったのではないかと考えます。「人は死んだらお星さまになる」ってよく言いますからね(9号なんて本物のお星さまだし……)。甘電池が地球へ帰るときに「月の石(森山ボンドとUBと9号の名前が書かれたもの)」を持って行ってますしね。
信じるか信じないかはあなた次第です……

おわりに

『怪奇星キューのすべて』を観たあと、ずっと怪奇星キューにいたい!もうこのまま、怪奇星キューの住人になりたい!って思っちゃいました!
でも、9号に「生きてるやつはさっさと出てけ」って言われたので、私もちゃんと地球に帰りたいと思います。
それじゃあまたね、キュー。

蛇足の一首!

すごろくで最初にあがる それからは彼らの守護霊みたいな時間  (西淳子)

最後まで読んでくれてありがとうございます!いつかいっしょに「怪奇星すごろく」で遊びましょうね!

2023年9月6日