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仕事と人生を好転させるコミュニケーションスタイル

社会人デビューしたみなさんが、公私ともに颯爽と未来を切り開いていくうえで習得してほしい4つのスキルとして、「パーソナリティ(人間的魅力、人望)」・「コミュニケーション(対話技法)」・「インテリジェンス(知性と教養)」・「スペシャリティ(専門性)」をあげました。

前回までは、周囲から「いい人ねぇ」を思ってもらうための人間的魅力とか人望とかを身につけるための方法について書いてきましたが、今回はコミュニケーションの話です。

結局、人を動かすのは、信頼のおける人が発した気のきいた言葉です。やはり、周囲との人間関係の中で自分の居場所を確保していくためには、日常的なコミュニケーションはとてつもなく大切なのです。

好感度の高い人が、キッチリかつ感じよくメッセージを届けることで、はじめて相手はあなたから購入することを決断するのです。要は、言葉という「相手を意図する方向に動かす最強の武器」を使いこなせるかどうか。これが、みなさんがこれから公私ともに人生をハッピーなものにできるかどうかの浮沈を握っています。

で、今回おすすめするのが、「おもてなしの逆算話法」と「全身傾聴技法」のふたつです。

まずはじめに、大前提として知っておいてほしいことをお伝えします。今回ご紹介するコミュニケーション技法の本質は、一にも二にも、相手に好感をもたらす対話術です。

逆に言うと、だれかと対話するときに、絶対にやってはいけないことを絶対にしない…ということを明確に認識しておく必要があります。もったいぶらずに言うと、自尊心という地雷を踏まない……ということです。

人は誰しも、自分は正しいと思っています。自分は特別だと思っています。いまは望ましい状況にない人でも、いざとなれば自分はやれる人間だ…と思っています。コミュニケーションでいちばんしてはいけないのは、こうした相手の自尊心を踏みにじることです。

社会人となったみなさんには、人としての基本スキルとして、周囲の人たちにプラスの印象をもたらすようなコミュニケーションスタイルを知ってほしいものです。なぁに、そんなにむずかしいモノじゃありません。わずか2つの技法をモノにすればいいだけですからね。

それでは順番に解説していきますので、今日から友人や家族を相手に実践してみてください。

まずは、「おもてなしの逆算話法」から。
「逆算話法」って聞いたこと、ありますか? まぁ、ないと思います。私のオリジナルひょうげんですから(笑)。

私たちは何気に言葉を吐いています。五感で感じたままに、あれやこれやとくっちゃべっています。こういうのを、「中枢神経でしゃべる」といいます。未来あるみなさんは、これを即刻やめてください。これからは、「感じて、話す」のではなく、「感じて、考えて、話す」のです。

で、問題は、「何を」考えるのか、です。
答えは、「あなたの吐く言葉を聞いた相手がどんな気持ちになるか」です。みなさんが周囲から一目置かれようと思ったら、これはいちばん大切なことかもしれません。

いいですか。「これからあなたが発する言葉を耳にした相手が、どんな心情になるか」を考えた上で話すということです。さらに言えば、「相手にどう感じてほしいのか」を考えて、そこから逆算してメッセージを発信するということです。

当然ながら、ネガティブよりもポジティブになってもらったほうがベターでしょう?

ならば、相手が前向きな気持ちになるように言葉と表現を選んで話をするよう意識してください。これを意識するかしないかで、コミュニケーションの成果はまるでちがってくるということを知っておいてください。

同じ主旨のことを伝えるのであっても、その伝え方で相手の受けとめ方は大きく変わるものです。みなさんの伝え方次第で、相手は天にも昇るかのような気分にもなるし、奈落の底に突き落とされたような暗い気分にもなるのです。

例えば、あなただって、忙しいときに職場の先輩から「これもやっておいて」と、一方的に指示されるような言い方をされたらどんな気持ちになるでしょうか?

表面上は「はい。わかりました」と言うかもしれませんが、心の中では「ちぇっ。勝手なことばっかり言いやがって」と舌を打つかもしれませんよね。

このケースで、「おもてなしの逆算話法」を駆使して相手の胸の内に前向きな気持ちを沸き立たせようとしたらどうなるでしょう。おそらく、「忙しいところ申し訳ないけれど、これもやってもらえたら助かるんだけど。お願いできるかな?」みたいな感じになるでしょうか。内容的にネガティブなことを伝えるときほど、この逆算話法は有効です。

この積み重ねが、あなたという人間の好感度を引き上げるのです。これからは、言葉を吐く前にちょっと頭のなかを整理して、相手にどんな気持ちになってほしいのかを考えるようにしてください。あなたと言葉を交わすことで、相手が(そうする前と比べて)明るい気持ちになるように配慮しながらコミュニケーションを取る…。そうじゃなきゃ、わざわざ、相手の限りある時間と寿命を奪ってまで会話する意味がありません。意味がないどころか、罪ですよ。これが私たち人間にだけ与えられた「ことば」というものの本質です。

相手と話すとき、そこには愛がなければなりません。相手のために善かれと思って伝えるのです。だから、ことばを紡ぐ文字(五十音)は「あい」からはじまります。聖書にもあるように、「ことばは神なりき。これに命あり。この命は、ひとの光なり」なのです。

さて、もうひとつが、「全身共感傾聴技法」です。
人間関係を築く上で、話し方以上に重要なのが、相手の話の聴き方です。聞き方ではなく「聴き方」です。相手の話を聴くときは、全身全霊で共感しながら聴くようにします。

「もしも私があなたの立場にいたとしたら、やはり同じように感じると思います」と、頷いたり相槌を打ったりしながら、共感を示すことが重要です。これがカラダ全体で相手の話を聴くということです。

私たちは、大人になるにつれて、人に話を聴いてもらえなくなるものです。ただでさえ忙しい世の中です。人はみな、自分のことで精いっぱい。他の人の話なんて聞きたくないのです。ご自身のことをちょっと考えてみればわかるはずです。

みなさんがこれから接することになる職場の人も、お客様も、取引先の人も、みぃんな同じです。私たちは誰しも、年齢を重ねていくうちに、誰かに本気で話を聴いてもらえる機会が減っていくものなのです。

だからこそ、あなたが聴いて上げることに価値があります。人はみな、自分の話を聴いてくれる相手を好きになるものなのです。デキる人は、超能力者ならぬ「聴能力者」たれ、です。


いかがでしたか?
早速いま、この瞬間から、「おもてなしの逆算話法」と「全身傾聴技法」を使ってみてください。なにごとも、トライ&エラーあるのみです。ゴールデンウイーク中は意識的に、恋人や友人や家族相手に試してみてください。

「あれっ。社会人一ヶ月やって、なんか変わった?」なぁ~んて言われるかもしれませんよ。とにもかくにも、ゲーム感覚でトライしてほしいですね。


ということで、次回は『インテリジェンス(知性と教養)』を速攻で身につける方法を解説します。お楽しみに!

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