【デキる上司の十訓十戒020】払わせない ~割り勘ですべてが終わる~

さて、デキる上司の十戒のさいごは、やはりお金の話になります。ここまで読んでいただければ、もう重々ご承知いただけたとは思いますが、大嫌いだったかつての上司へのリベンジの意味を兼ねてクイズを出すことにしますネ(笑)。

<問題>上司であるあなたは、残業していた部下2人を連れ立って居酒屋に行った。会計時、合計で1万円ちょっとであることがわかった。さて、上司であるあなたはどうしますか? 

管理職研修でこんなケーススタディを取り上げたことがあります。

「自分が半分。つまり5千円出して、部下がひとり2千5百円」    「部下から2千円ずつ。自分が6千円」               「部下からは1千円ずつ。自分が8千円」。

こうした意見が8割を超えたことに、私は驚きを隠せませんでした。これって、均等割りではないものの、立派な割り勘です。就業時間外です。仕事の話も出たはずです。こういった神経が理解できません。思い当たる人がいたらすぐにやめてください。下劣な言葉を使いますが許してください。でも……せこすぎます。一発で嫌われます。

曲がりなりにもあなたは上司です。給料も部下より多いはずです。あなたがそれを手にできている理由を理解しているでしょうか? あなたがエライから? とんでもない! 部下がいるからです。

その部下が何かの事情で遅くまで仕事しているのを切り上げさせて、貴重な自由時間や睡眠時間を強奪したのです。上司であるあなたは楽しかったかもしれません。でも部下は? 挙句の果てに「カネを出せ」と迫られたのです。そんな上司を好きになる道理は微塵もありません。部下に対して、失礼極まりないことです。

基本、部下とは飲みに行かない。もしも行ったときには払わせない。全額、上司であるあなたが支払ってください。で、常識ある部下であれば、そしてあなたの指導が行き届いていれば、「ごちそうさまでした。楽しかったです」くらい言ってくるかもしれない。そのときは、「いや。こちらこそ、疲れているのにつきあわせて済まなかったね。でも、キミたちと話せてうれしかったよ」くらい気の利いた台詞を吐いてください。          頼みます。これはもう、本当によろしくお願い致します! 

ちなみに、当然のことながら正解は……

「デキる上司は全額払う」です。


いかがでしたか? 【デキる上司の十訓十戒011~020】は?

みなさんの価値観との合致度はどの程度でしょうか。もちろん、地域性や企業風土といったものがあるでしょうから、ここにご紹介した十戒がすべての読者に当てはまるとは言えないかもしれません。あくまでもセオリーです。

しかしながら、地域や企業風土を問わず、一般職(管理職ではない被評価者)の人たちにこの話をすると、9割以上が「そんな上司がいたら素晴らしい」「わが社ではありえない」「素敵!カッコいい!(女性社員)」というポジティブコメントを出してくるという事実を添えておきます。

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