【終活110番058】死後事務委任の基本

死後事務委任契約をご存知でしょうか?

人が死亡すると、葬儀の主宰、役所への行政手続き、病院代等の清算、年金手続き、クレジットカードの解約など、様々な事務手続きが発生します。

一般的に、これら事務手続きは家族や親族が行ってくれますが、身寄りがいない方の場合には誰もその作業をしてくれる人はいません。高齢化社会が進み、子供がいない夫婦が増え、家族関係が薄くなった現代においては、この死後事務を行う方が誰もいないまま亡くなる方が後を絶ちません。

このように、死後の煩雑な事務手続きを生前にうちに誰かへ委任しておくことができるサービスが「死後事務委任契約」です。身近な親族や知人に依頼をするだけではなく、法律や福祉の専門家に依頼することも可能です。依頼する内容ですが、例えば、以下のようなことが想定されます。

(1)行政官庁等への諸届(役所への死亡届の提出、戸籍関係手続き、健康保険や年金の資格抹消申請、その他)の事務
(2)直葬、火葬、納骨、埋葬に関する事務
(3)永代供養に関する事務
(4)生活用品・家財道具等の遺品の整理・処分に関する事務
(5)医療費、入院費等の清算手続きに関する事務
(6)老人ホーム等の施設利用料等の支払い及び入居一時金等の受領に関する事務
(7)公共サービス等の名義変更・解約・清算手続きに関する事務
(8)親族等への連絡に関する事務
(9)インターネット上のホームページ、ブログ、SNS等への死亡の告知、または閉鎖、解約や退会処理に関する事務
(10)保有するパソコンの内部情報の消去事務

当然ですが、死後事務委任契約の効力が発行される時点では、委任者は亡くなっています。従って、死後事務委任の内容を変更することはできません。つまり、死後事務委任契約を作成する段階で、なるべく広く委任事項を盛り込んでおき、死後に不都合が生じないようにしておくことが理想です。

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