【107】エンディングノートにまつわる3つの都市伝説

エンディングノートにまつわる都市伝説をご存知ですか?

エンディングノートはすべて記載されたことがない
エンディングノートは死んでから発見される
エンディングノートは同じものが複数発見される

シニアの終活をお手伝いしている仕事柄、この都市伝説には思わずほくそえんでしまいます。なぜかって?
8割がた、的を得ていると思うからです。

書店の終活コーナーには多くのエンディングノートが並んでいますが、購入者の殆どがはじめの数頁に手をつけただけで頓挫してしまうことがわかっています。その理由は、そもそも積極的には考えたくないテーマであることに加え、高齢者が独力で未来をイメージしたり、想いを文章にまとめたりすることが容易ではないことがあげられています。

さらに、最近では各出版社からエンディングノートは記入項目増加の一途です。よく見かけるのが、いきなり5年括りで自分史を書けと言うもの。そんなことを唐突に言われても、多くのシニアはペンを手にしたまま固まってしまいます。何とか数ページ書き進めたとしても、書き損じするや修正液(多くのシニアは修正テープではなく、なぜか修正液を使用している…)をボタボタと垂らし、乾ききらぬ間に上書きしようとして収拾がつかなくなる。そして、後々だれかが読むのだからキレイに書かねばと、再度書店に出かけて同じエンディングノートを購入する…。そんな具合ですから、まさに出版社の読みどおり、エンディングノート市場は堅調な伸びを示し続けているわけです。

お宅の書棚にも、おんなじエンディングノートが複数冊ならんでいたりしませんか?

そして、もっともシュールなのが、ある程度書き込まれたエンディングノートであっても、誰にも見せることもなく後生大事に保管されていることです。要は、本人が亡くなって、遺品整理をしているとタンスの引き出しの中から出てくる。で、遺族が「ヘェ~。こんなの、書いてたんだ」ってな具合にパラパラページをめくっていくと、あるところで愕然とするのです。そこには、本人が希望する葬儀の形態だとか、葬儀に呼んでほしい友人だとか、挙句は、生前に葬儀を予約してあった事実だとかが記載されているのですからね。

葬儀の予約は前払いですから、そんな事実を知らずおカネをかけて葬儀を手配してしまった遺族にすれば
大損です。覆水盆に返らずです。なんで教えておいてくれなかったんだよぉ~と、別の涙を流すことになります。

ホント、コントのような、でも、笑うに笑えない話です。

ちょっと宣伝っぽくなりますが、私の会社では、想定される老後の8大課題(要介護、認知症、終のすみか、がん等の手術、延命治療、資産承継、葬儀、死後事務)について、老い支度のプロ・百寿コンシェルジュが3時間をかけてヒヤリング。その結果をエイジングウィル(安心老後設計書)としてまとめるサービスを提供しています。これはエンディングノートの問題点をすべて解消したサービスであり、私どもでもっとも売れているサービスです。

その後、必要に応じて親子会議や家族会議で共有してもらい、人生のさいごまで本人の意向が反映されるように段取りさせていただいています。併せて、セカンドオピニオン、リビングウィル、病院・施設さがし、認知症予防、財産承継(任意後見、贈与・遺言・家族信託等)の手続きにも対応しています。

利用者様からは、「足元を盤石にしておけばこそ老いに向き合う覚悟が決まる」・「転ばぬ先の杖があるから、旅行や趣味や友人との時間を満喫できる」・「エイジングウィルを作ってみて、家族との距離がこころの距離が縮まった」・・・といった声が寄せられています。

エンディングを迎えるまでの課題ごとに具体的に対策を講じ、それを子どもたちに伝え支援を仰ぐ…。これは、親世代が元気なうちにこそ行われるべきものです。受け継ぐ者の負担を減らすという意味で、親世代さいごの大仕事と言ってもいいでしょう。 元気なうちから親子で向き合う機会を作り、両者間の心理的距離が縮まることで、子ども世代にも親のエンディングをサポートする覚悟が定まります。そして親世代は、万一のことがあっても、最後のさいごまで自身の意思が反映された人生を全うすることできるのです。

教訓。エンディングノートの落とし穴 ⇒ 書いても(わが子に)見せなきゃ意味がない

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