東方虹龍洞考察、又の名を妄想記録

静岡例大祭お疲れさまです。帰りのバスが静岡駅から出ると思ってのほほんとしていたら新静岡駅だったので3000円無駄にしたジャケットです。普段東方関連の活動といえばツイッターで東方イラストをいいねすることとイベントでのコスプレくらいしかしてないのですが、東方虹龍洞体験版が面白かったので筆を執る事にしました。3面まででも結構多くの情報が出ていて、とにかく続きが気になって仕方ない状態です。

とりあえず、プレイしながら/し終わった後に考えた諸々を記録しておこうかなと思って書いていくことにします。製品版が出た後に見て、体験版の時はこんな妄想してたんだなあ…みたいな資料にできればと思います。

まず虹龍洞の特徴的な点はアビリティカードを装備出来るという点ですね。ゲームを進めると最初から複数枚装備も可能です。直近の2作、天空璋、鬼形獣でも季節装備(EX以外は春夏秋冬の4種)や動物霊装備(オオカミ、カワウソ、オオワシの3種)はありましたが、それらとは比べものにならない数のカードがあり、しかも同時に複数枚着けられるので組み合わせがやばい状態になってます。しかも多くのカードは既存の東方キャラがモチーフになっていますから、ペンギンカップリングの宝庫です。コレクション要素としても嬉しい仕様です。ツイッターとかで「〇〇のカードが強い」とか「コレとアレの組み合わせが〜」とか話題にできそうなのも良いですね。SNS時代の東方という感じがします。

カードは4種類。
即効カードはその名の通り、入手時に即座に効果が出ます。残機・ボム・パワー・所持金とかを増やすものが中心です。高額ではありますが、残機を3つ増やすなどの強力なものもあります。
装備カードは入手すると装備アイテムとして装着されます。要するにショットが増えます。ホーミング、ばら撒きなど4種。製品版ではここがかなり増えそうな予感がしますね。ワクワク
能力カードは持っていると常時発動のスキルが付きます。喰らいボム時間延長、攻撃力強化、上部改修範囲増加などですね。
使用カードは持っているとCキーで発動可能な技を取得します。何度でも使用可能ですが、インターバルが必要です。

体験版では25枚のカードが存在し、うち即効カードでないものは18枚。初期装備の他、各面の終了時に1枚のみ購入可能です。仮に初期装備2枚、2面までの各面で即効カード以外を入手したとすると、3面突入時の組み合わせは18枚から重複なしで4枚選び出す、2856通りもあるんですね。凄まじい。さらに体験版では手に入らない空きスロットが26個もあります!いや〜製品版が楽しみですね。

ではストーリーとキャラを1stステージから見ていきましょう。

STAGE 1 妖怪の山麓
私雨、その後に
〜Chase rainbows〜

私雨(わたくしあめ)とは、国語辞書によると、「ある限られた地域だけに降るにわか雨。特に、下は晴れているのに山の上だけに降る雨」を指すそうです。つまり幻想郷で妖怪の山の麓にだけ雨が降っていたということでしょう。実際ステージ背景も雨からスタートします。

Chase rainbowsは「虹を追う」という意味から転じて、「叶わない夢を追う」という意味があるようです。

場所は妖怪の山麓となっていますね。風神録1面では妖怪の山の麓という表記だったような気がします。まああまり意味の差は無いのではないかとは思いますが…。

1面ボスは豪徳寺 ミケ / Goutokuzi Mike
種族は招き猫、能力は「お金かお客を招き入れる程度の能力」。

jiじゃなくてziなのが神主っぽいですね。あとMikeって海外の人は初見だとマイクって読んでしまうのではないかと思います。マイク・ゴウトクジ
やっぱりこんなコラ画像が…

豪徳寺は東京世田谷にあるお寺の豪徳寺が元ネタでしょう。このお寺は招き猫発祥の地という説があります。「井伊直孝が猫の手招きで寺に入ると雨が降り出して、猫のおかげで雨を避けられたと喜んだ」みたいな話が伝わっていたはずです。

で、中ボスで出てくるミケちゃんを撃破すると、雨が晴れて虹がかかるんですが、この演出はこの辺りの伝承を元にしてそうな感じがします。この演出かなり綺麗で好きですね〜。龍洞の1面としても相応しいと思います。

ミケちゃんのアビリティカードの解説文には「本来の豪徳寺に住む招き猫は白猫なので三毛猫として生まれた彼女はそのせいで苦労した」という一文があります。あっ、男の娘疑惑が晴れましたね。個人的にはそれはそれでアリだったのですけれど、まあ久侘歌ちゃんもトサカあるけど女の子ですし、世の中そんなもんですよね…。

おまけテキストにはちょっとこの辺り詳しめに書いてあります。「毛を白に染められそうになった」とか「仲間はずれにされた」とか「招き猫の修業が出来なかった」とか「招き猫社会を離れた」とか。東方世界における招き猫って職人ギルドみたいな徒党でも組んでいるのでしょうか(トップはやはりひこにゃん…?)。

どうやら「お金かお客を招き入れる程度の能力」は一度に招けるのはどちらか片方だけで、しかも能力発動中は招かなかった方を逆に遠ざけるようです。お金を払わないお客さんが来るのは普通に損失なので分かるのですが、客なしでお金だけ入ってくるって何でしょうね、株とか宝くじとかが良い感じになるのかな?

STAGE2 秘天崖
深奥の民
〜Secret Green Cliff〜

シンオウの民…!?これはダイパリメイクの伏線ですね…。などという冗談は置いておいて、場所から考察していきます。秘天崖というのは「秘密の天崖」ということになるのでしょうか。

天崖でググってみると隠岐諸島の西ノ島の北西岸に「魔天崖」というのがあるらしいです。「めちゃめちゃ切り立った崖」というような感じの意味かと思われます。隠岐といえば、隠岐の島町とのコラボもありましたし、もしかしたら意識しているのかもしれません(ただし魔天崖の所在地は西ノ島町みたいですが)。

妖怪の山の上を目指して崖を登っていくような演出のステージで、風神録の滝を登る演出を思い出させます。副題のSecret Green Cliffも「秘密の緑の崖」という意味ですから、秘密であるということと崖であるということは大事なのではないかと思われます。(余談ですが、2021/3/23 17:00の時点において、Wikipediaの東方虹龍洞のページにはコレが"Secret Green Cheff"と誤記されています。最初はゲーム起動するのめんどかったのでWiki見てたんですが、流石にコレはねえだろと思ってリプレイを見る事になりました。一次ソース、大事!)

秘密であることの意味は3面に現れてきます。早苗のセリフでも「山の妖怪からこの辺りには近づくなと言われている」というような内容が出てきますから、天狗や河童によって意図的に隠蔽されているようです。3面では「守矢神社の神様も一枚噛んでいると聞かされていた」というような(うろ覚え)セリフもあるんですが、少なくとも早苗は知らないみたいです。また守矢かパターンじゃないといいですね。

Green CliffのGreenは2面ボスの能力とも合わせ、植物が生えているということだと思われますが、色+ Cliff なのでもしかしたらRed Cliffと掛けていたりするかもしれません。

2面ボスは山城 たかね / Yamashiro Takane
種族は山童。能力は「森の気を操る程度の能力」。

山城 たかね…「河城 にとり」を彷彿とさせる名前です。たかねは「高嶺」からでしょうか。山童自体は茨歌仙で出てきていましたが、ネームドの山童キャラは初めてですね。茨歌仙では河童が山に入ったもの…ということになっていましたが、山に入る時に「河城」から「山城」に改名していたりとかしたら熱くないですか?みなさんどう思います?私は熱いと思います

森の気…フィトンチッドかな?とか最初は冗談めかして言っていたのですけども…。まあなんか「気」というくらいなので神秘的・オカルト的な感じですよね。東洋思想的な感じ(雑)。森というのは生き物の集合体ですから、樹木の成長のエネルギーというか、五行でいう木行のイメージですかね。

五行の木は東の方角を指して、八卦で言うと震と巽です。震は、巽はを表す他、震はを表すこともあり、また、巽は辰巳、十二支のと巳に通じます。さらに四神の東は青竜です。こう考えると、「森の気」って凄く虹洞っぽくないですか?

この話の延長戦を展開すると、河童が住んでいる場所が玄武の沢という点も面白いですね。山童が木行なら当然河童は水行でしょう。玄武の沢は玄武岩の六角柱状節理から名付けられていると考えても良いのですが(ただし、玄武岩という学術用語が出来たのは明治17年なので博麗大結界ができるギリギリかもしれません。玄武岩の名の元になった玄武洞という採石場があり、これも六角柱状節理が特徴的です。こちらは文化4年に名付けられているのでここから取ったと考えた方が良いかもしれません。) 水行の方角である北の四神が玄武であることにも注目して良さそうです。五行相生は水生木ですから、河童から山童が生じるというのもそれらしい感じがします。

五行や八卦は結構東方でネタにされがちですよね。パチュリーの属性魔法とかは五行ですし、守矢の2柱の能力は八卦です。奇しくも今回の自機の関連人物が並びますね。この辺りは深く掘ってみると面白いと思います。

おまけテキストでは、河童とはライバル的であまり仲は良くないが、持ちつ持たれつな部分があるというような内容が書いてあり、山童は経済とビジネスに長けた種族と説明されています。にとりが屋台とか商売をやったりしていたのはもしかして山童に依存しない独自の販路を開拓するためだったりとかするのだろうか、とか想像できますね。

STAGE3 偽天棚
尊き高原に穿つ洞
〜Mine of High Land〜

偽天棚」と来ました。天棚は囲炉裏の上とかにぶら下げてある板で、火の粉を防いだり、煙や熱を拡散させたりするやつですね。で、地名が偽天棚というのはどういうことなのでしょうか。偽ですから、実際の天棚に見立てた何かだと考えると、「下に火がある」ということじゃないかと思います。

実際3面ボスのセリフで、虹龍洞というのは妖怪の山にある鉱坑であることが分かりました。鉱坑ということは金属を取ったりするのではないでしょうか。すると、その加工場、つまり炉のある鍛冶場もあるかもしれません。あるいは妖怪の山は火山ですし、それを指している可能性もあります。つまり偽天棚というのはこの下に火を扱う現場があるぞということの示唆なのではないかと考えています。

Mine of High LandのMineは鉱山を意味するMineかと思います。高地の鉱山ですね。「尊き高原に穿つ洞」というメインタイトルとも合致します。Mineをローマ字で読むとミネとなり、にも通じるかもしれません。考えすぎかな?

3面ボスは駒草 山如 / Komakusa Sannyo (通称: 駒草太夫)
種族は山女郎で、能力は「煙草の煙で精神を操作する程度の能力」。

精神を操作する程度の能力、強そうですね。キセルの形が龍のデザインであることも相まって、何処と無く吉弔 八千慧の「逆らう気力を失わせる程度の能力」を思い出します。あれも洗脳の類ですしね。

駒草はコマクサという高山植物から来ています。彼女のスペルカードの名前は花がモチーフになっているものが多いですね。雲間草や薄雪草など、いずれも高山植物で、花を咲かせるものです。ステージの背景も先ほどとは打って変わって木のない、草原のような感じになります。いわゆる「お花畑」ですね。標高の高い地域においては、冬は寒さが厳しいため、高山植物は夏に一斉に開花します。コレがお花畑です(一応正式な生態学の用語だったはず)。

妖怪の山は幻想入りした本来の姿の八ヶ岳という話がありますが、現実世界の八ヶ岳にもお花畑があります。一方で日本最高峰の富士山には高山植物があまり生えていません。これには富士山の地質的成り立ちとと氷河期の気候変動植物の分布域の移動の関係があります。あんま東方は関係ないんで、詳しいことは各自調べてください。結構面白いです。

種族は山女郎ですね。山女郎は四国に広く伝わる妖怪で(はっ、まさか高知高地でかかっていたりする?) 、山姥や山女のような「山の女性の怪」です。ただし、山女郎はネムノさんのような山姥とは違って、閉鎖主義的ではないようです。

で、一番最初に気になったのが彼女の見た目です。既視感がありませんか?紫の髪黄色いリボン赤っぽい服…そう、綿月 依姫です。依姫の元ネタとされる、日本神話の玉依姫は海神の娘で、巫女の神です。しばしば龍神であるとされることもあります。

さて、山姥や山女の類というのは、山神に仕える巫女が妖怪化したものとされることもあります。そう考えると、巫女の神にデザインを似せた…というのも意図的なもののように思えてきますね。

そういうわけで、この2人の間に繋がりがあると仮定すると、綿月姉妹のもう一方、豊姫の能力「海と山を繋ぐ程度の能力」についてもちょっと面白い考察ができるかもしれません。かつて神主はインタビューで、「山は幻想郷海は月を意味している」と言っていました。綿月というのは「ワタツミ」と「月」の合わさってできた名字と考えられます。ワタツミは海の神の系譜ですね。

海の神が月にいる、では幻想郷にいるのは?そう、山の神ですね。まさに綿月姉妹の初出である儚月抄、その小説版には妹紅の独白で、富士山で起きた事件について語るパートがあります。詳細は省きますが、富士山には木花咲耶姫がいます。で、妖怪の山は幻想入りした本来の姿の八ヶ岳という話でしたね。八ヶ岳の神は木花咲耶姫の姉の石長比売です。小説版でも妹紅が石長比売に会いに妖怪の山に登ろうと考えるシーンがあります。

山女郎が巫女だとすると、その祭神たる山の神は石長比売なのではないでしょうか?先ほどの高山植物の話と合わせると、駒草とは妖怪の山にあって、富士山にはないものの暗示なのでは?そして山と海の対比は海のない幻想郷スケールだと山と川、山童と河童の対比であるとすると2面も実は伏線だったりしませんか?そして木花咲耶姫…咲夜さんが自機に復帰したのは…そうか、そういうことだったのか!点と点が繋がった!

永夜抄の設定で出た、「永琳は咲夜を見て驚いたが、その理由は永琳にしか分からない」という話。神主は「永琳が咲夜を見て驚いた理由については、1つのゲームになる位長い」と言っていましたね。その「1つのゲーム」とは…そう、それこそが東方虹龍洞だったのです!信じるか信じないかはあなた次第!

とまあ、流石に行きすぎた推論はさておき、さらにこの駒草太夫が巫女を暗示しているのではないかと考察できるポイントがあります。皆さんは「歩き巫女」という言葉をご存知でしょうか。歩き巫女というのは特定の神社で働くのではなく、旅をしながら神事を行なっていた巫女なのですが、遊女を兼業していた人も多かったとされています。旅女郎なんていう呼称もあるくらいです。そして歩き巫女の有名な人物に望月千代女という人物がいまして、(信ぴょう性の低い俗説ではあるのですが)この人は甲斐武田氏に仕えたくノ一という説が存在します。

さて、ここでミュージックルームを見てみましょう。3面道中曲「駒草咲くパーペチュアルスノー」、その説明文にはこうあります「たどり着くのが難しいこういう高地の平原は、昔は平家や忍者などの隠れ里と呼ばれる事がよくあったようですね」。女郎、歩き巫女、くノ一、忍者…やはり繋がってしまいましたね

また、歩き巫女は元々諏訪信仰の伝道師だったという説もあって、この辺り早苗さんとの繋がりもあったりするかも知れません。まあ特にそれを示唆するようなセリフはなかったですが。

せっかく曲が出てきたので曲名の話を続けましょう。パーペチュアルスノー(perpetual snow)は万年雪を意味します。Perpetualには「永久の」という意味があります。さて、石長比売は岩の永遠性を意味する神格であると考えられます。一方で木花咲耶姫は咲き誇る花の豊かさを意味するとも。どうです?この考察結構面白くないですか?(自画自賛) 

あとキセル扇子を持っていることも気になっちゃいますよね。一富士二鷹三茄子の続きに、四扇五煙草六座頭と続く…という話があります。扇と煙草はあります。座頭は? 一応それらしいものはあったかもしれません。霊夢と駒草太夫の会話で、「ここでは何も見なかった 判っているよな」「それが出来ないのなら もう何も見られない様にしてやる」というかなり攻撃的な発言が出てきます。座頭は盲人の琵琶法師などを指す言葉なのでこれで回収されていたりするのでは?という感じで。

一富士二鷹三茄子の続きですからこれも縁起物ですよね。招き猫みたいにこういう縁起物要素を少しずつ入れたりしているのかな…などと想像しています。たかねには見つけ切れませんでしたが。

彼女は虹龍洞の警備をしていたみたいですが、内情はよく知らない様子です。虹龍洞は求聞史紀に出てきた「妖怪の山の内側の空洞」の伏線回収でしょうか。早苗もこのことは把握していなかったようですから、天狗や河童など元々妖怪の山にいた者たちが主体で行なっているプロジェクトのようです。茨歌仙、儚月抄、求聞史紀の設定をここへ来て回収とは面白いことになってきたなと思っているところです(儚月抄については完全な妄想ですが)。

それじゃあ、4面以降のキャラを予想しよう!とか黒幕は何者だよ!みたいな、考察の締めになりそうな良い感じの話題をして終わりましょうか。いや正直黒幕とか何もわからないですけどね。

何となくですが、天空璋、鬼形獣、虹龍洞で3部作になるのではないかなと勝手に思っています。で、2作に共通するのが、1面ボスと6面ボスに元ネタレベルでの繋がりがあるというやつですね。うーん、招き猫…招き猫…うーん…まさか井伊直孝関係なんてこともないでしょうし、どちらかというと雨とか雷に関わる存在の方がそれっぽいですかねと。やっぱり龍じゃないか!

ああそうだ、先ほど石長比売の話をしましたが、実は石長比売にも龍に関係する逸話があります。「瓊瓊杵尊が妹の木花咲耶姫を妻にし、自分とは結婚してくれなかったことを悲しんだ石長比売が『私はそんなにも醜いのか』と思い、鏡で自分の姿を映してみると、醜い龍のような姿であり、石長比売は鏡を投げ捨てた」というもので、宮崎県の銀鏡神社に伝わる伝説だそうです。そういう意味では石長比売本人、あるいは関連するようなキャラクターが登場することは一応タイトル回収になる気もします。

あとは「虹」ですね。虹を龍や大蛇に見立てる話は世界各地の神話にあります。東方で使うなら中国の伝説でしょうかね。あるいは橋や道と見立てる文明もありました。北欧神話のビフレストは有名ですね。また、ギリシャ神話での虹の神イリスは天地を結ぶ伝令使とされます。日本神話においても天浮橋について「虹を橋に見立てたものである」とする説もあるようですが、幾つか文献を当たったところ、支持派と否定派が論争している感じでした。何れにせよ橋や道、異界との接続点と考えると、求聞史紀に出てきた「妖怪の山の内側の空洞」において外の世界への秘密の通路があるという噂に通じるところもあるかもしれません。

(追記) 虹に着目するなら、「雨上がり」のイメージも重要かもしれません。1面の演出もそうでしたし。てるてる坊主なんかを元ネタにしたキャラとかも考えたんですが、龍と絡めるなら中国の「掃晴娘」伝承がそれらしいかなと思います。「昔、北京に住んでいた晴娘という娘が、大雨が降った時、雨が止むよう祈りを捧げた。すると天から『東海龍王の妃になるなら雨を止ませよう』という声が聞こえ、晴娘がそれに同意すると、雨は止み、晴娘は消えた。それ以来、北京の人々は雨が続くと彼女を象った切り紙人形を門に掛けるようになった」という話です。これが日本に伝わって、てるてる坊主になったという説もあります。あと、アニメ映画「天気の子」もこれ意識してそうだなって上映当時思ってました。(この映画作品の劇場公開は鬼形獣製品版頒布の少し前くらいです。もしも神主がこの作品を見て何かしらの影響を受けていたとしたら、作品に反映されるタイミングとしては虹龍洞になるでしょう。)

そういうわけで、東海龍王、もしくは掃晴娘を元にしたキャラクターもあり得るかも?という予想もしておきます。ただし、東海龍王はその名の通り、海の龍王なのですよね。幻想郷には海がないという点は留意しておくべきでしょう。ただ、求聞史紀の外の世界への秘密の通路設定を思い起こすと、まぁあり得なくもないラインかな〜という気もします。また、天気関連だとするとなぜ地下に潜るんだという疑念も出るんですよね。龍の妖力+河童のテクノロジーで天気を完全にコントロールする大規模装置を地下に隠している…みたいな?少し無理があるかな。

天気をコントロールする装置と言えば、憑依華の天子のオカルト「HAARP」を想起しますね。なんと天子のキャラデザにも虹が入っています。さらに衣玖さんは龍宮の使いで、「雲の中で龍神の様子を見守っている」とも言われています。そう言えば彼らの初出作である緋想天にはカード要素もありましたね。2面ボスの「森の気」とか3面ボスの「精神への干渉」とかもなんとなく「気質」の設定を思い出す話です。もしかして今こそ緋想天ストーリー復習した方がいい感じですかね。(追記ここまで)

それから、鉱坑、そして偽天棚から導かれた鍛冶場説から考えられるのは、虹龍洞の内部にはそれに関係する妖怪や神様がいるかもしれないということですね。当然河童や天狗の労働者もいたりするでしょうし、鍛治なら、天目一箇神をモチーフにしたキャラなんかはあり得るかもしれません(そう言えば小傘に含まれているという話もありましたし、流石にそれはないか)。

あとはお金要素があるので、金属の鉱山の連想だと、金山毘売神なんかもありでしょうか。ただし前作の埴安神と系譜的に近すぎて、やや元ネタの選び方として面白みに欠けるかもと思っています(逆に言うと設定を繋げやすくはあるんでしょうけど)。

金山だとムカデ信仰もあったりしますね。湯之奥金山佐渡金山などでムカデが信仰されていました。鉱脈の走る様子がムカデの姿に似ていたとか色々な説があるみたいです。ムカデは毘沙門天の使いでもありますが、東方で毘沙門天といえば、ダウジングのネズミと宝塔の虎…財宝感がありますね。テーマには近そうです。

そしてムカデと龍との間には大きな関係があります。藤原秀郷(俵藤太)の百足退治ですね。「藤原秀郷が近江国勢多の橋で、橋の上に横たわる大蛇の背を踏んで通ると、大蛇はその勇気を見込んで三上山の百足の退治を依頼する。藤原秀郷は唾をぬった矢で百足を射って倒す。大蛇はお礼として米の尽きない俵などの宝物を与えた」という話です。実は三上山も鉄や銅の鉱山で、鉄の鉱脈を黒百足、銅の鉱脈を赤百足と呼んだそうです。で、龍と何の関係があるのかというと、この大蛇というのは琵琶湖に住む龍が化けたものだったのです。強さ的には百足>龍らしいです。もしかしたらこれも五行かもしれませんね。琵琶湖の象徴である水の龍と、鉱山の土のムカデであれば土剋水ですから。また、書籍文花帖で文がリグルに対し「昔の虫の妖怪は相当強かった」というようなことを言っていたのも思い出します。

で、気づいた方もいるかも知れませんが、近江国ですよね。三上山は残念ながら井伊家が治めていた彦根藩とは位置的にはズレてはいるのですが、近江国であることには違いないというわけです。すると1ボスと6ボスにリンクがあるという仮説も満たしている気がしてきて、しかもこの作品では書籍で出たネタの回収が結構試みられているように思うのですが、文花帖のネタを回収できていて…。結構この説良い説な気がしてきました…。虹って虫偏だし、ほら、ね?

てな訳で4面以降のキャラを予想するなら、直球に龍関連のキャラ、伏線回収?な石長比売関連のキャラ、天気繋がりから掃晴娘関連のキャラ、鉱山繋がりから百足関連のキャラ当たりを挙げておきます。

でもカードを売っている理由については何も考察できていません。資金を得るために売るのか、それとも…。1度に1枚しか買えない/売れないので単なる資金稼ぎとは思えないのですよね。魔力が込められていることに何か意味がありそうな気がするのですけども。「山の未来のために必要不可欠」というセリフも出ているので、天狗や河童のような山の妖怪にとって利益のあることなのでしょうか。何かの儀式とか?うーん、わからない。製品版でこの謎が明かされるのがもう待ちきれないですね。

ともかく、製品版が出たらまた何か書くと思います。ではでは。

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