エストニアのライドシェア「Bolt」(旧Taxify)が1億ユーロ調達、評価額19億ドルに
エストニアのライドシェア・ユニコーン「Bolt」が1億ユーロを調達しました。
今回は既存投資家である「Naya Capital Management」1社から転換社債による調達で、評価額は約19億ドルに達したと言われます。
Boltは2013年、当時19歳だったMarkus Villig氏によって「Taxify」の名前で創業されました。エストニアの首都タリンとラトビアの首都リガを結ぶタクシー配車サービスを目指してサービスが立ち上がり、ライドシェアだけでなくタクシー会社に管理システムを提供しているようです。
攻撃型のUberは各国の規制に阻まれて撤退するケースも数多くありましたが、Boltはタクシー業界との協業で市場を開拓していきました。
2017年にはロンドンに進出し、西欧各国でもシェアを拡大。2018年にはダイムラーや中国Didi等から1.75億ドルを調達して評価額が10億ドルを超えました。25歳のVillig氏はヨーロッパで最も若いユニコーン起業家となったわけです。
現在は35カ国150都市以上でサービスを展開しており、ドライバー数は100万人以上に。乗車ユーザーは3,000万人を突破しています。
Boltはアフリカにも進出済みで、ケニアでは現地のモバイル決済サービスと連携するなど利便性を高め、急速にUberからシェアを奪っているようです。
(Uber Q1 2020 Supplemental Information)
(Lyft Q1 2020 Earnings Supplemental Data)
Uberの世界全体MAUは1億人を超えていてまだ背中は遠いですが、アメリカ国内のみで添加しているLyftのアクティブライダー数は2,120万人で、Boltは既に上回っています。
(Fleet)
BoltもUberと同じように貨物運送マッチング事業やフードデリバリーを展開しており、シェアリング・プラットフォーム化を推進しています。
3月には法人向け配送サービスを提供開始。事業者→消費者のラストワンマイル配送を担います。
JUMP事業をLIMEに譲渡したUberとは反対に、Boltは電動スクーター事業に参入したようです。
コロナ禍で事業環境が悪化しましたが、4月に入ってからは回復傾向とのこと。Uberは5月から約7,000人のレイオフに踏み切るなど、組織再構築フェーズにありますが、北欧発のライドシェア企業が今後どこまで存在感を高めていけるのか楽しみです。
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