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UberがGrubhubに買収提案。米国フードデリバリー市場の現状をチェック

Uberが老舗フードデリバリー「Grubhub」に買収提案したとBloombergが報道しました。

両社は合意に向けて協議中で、早ければ月内に合意の可能性があるとのこと。しかし、交渉は決裂に終わる可能性もあります。

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Grubhubの株価は一時的に39%近く上昇した場面もあり、現在の時価総額は55.5億ドルです。

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(Uber 2020 Q1, 10-Q)

3月末時点でUberの手持ちキャッシュは120億ドルほど。株式交換の方向で交渉を進めているようです。

ここで、米国のフードデリバリー市場を定点観測しているSecond Measure社の最新レポートをチェックしてみます。

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(Which company is winning the food delivery war?)

3月時点の米国フードデリバリー市場売上シェアは以下のような状況。

DoorDash:42%
Grubhub :28%
Uber Eats:20%
Postmates:9%
その他      :2%

2019年初めまではGrubhubが半数以上のシェアを握っていましたが、ソフトバンク・ビジョン・ファンド投資先であるDoorDashが急成長を遂げてGrubhubを追い抜いてしまいました。

現状のシェアを考えると、UberがGrubhubを買収することによってDoorDashを抜いて米国1位となります。よく考えてみればUberもDoorDashもソフトバンクの投資先ですが。

DoorDashがどのように米国内シェアを拡大したのかは、地域別情報を見ることで伺い知れます。

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米国のフードデリバリー市場は地域ごとにメインプレーヤーがハッキリと分かれているのが特徴です。

Grbhubはもともとニューヨークを基盤としており、現在も62%と支配的です。一方、その他地域ではフードデリバリー自体が浸透していなかった。そこでDoorDashが一気に営業エリアを拡大し、陣取り合戦を制していったと考えられます。

1枚目のスライドを見ても分かるとおり、フードデリバリー総売上は右肩上がりに増加しており、現在も市場規模自体が拡大している真っ只中だといえます。

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各サービスのユーザーのうち約3割はDoorDashも併用しているとのこと。これまでUber EatsだけだったマクドナルドもDoorDashと提携したりと、加盟店舗の増加ペースでは群を抜いている印象です。

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(Uber 2020 Q1 Supplemental Information)

Uber Eatsの取扱高は前年比+54%増と急成長を続けており、年間で2兆円ペース。しかし、企業としては大赤字が続いている中で。エジプトなどいくつかの地域から撤退を決めました。

2021年までには黒字化を達成することが目標。いまやライドシェア以上の最重要事業となったEatsの動向を引き続きチェックしていきたいと思います。

下期にWoowaを連結予定の「Delivery Hero」との競争もさらに激しくなりそうです。

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