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4月前半の消費動向に関するレポートを軽くチェック

大和総研が消費データブック(4/20 号)を公表しました。

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個社、業界統計、POSデータを活用し、4月前半の消費動向をまとめています。内容は大きく【小売関連】と【サービス関連】の2つに分かれています。

サマリーは以下の通り。

【小売関連】
・大手百貨店↓
・スーパー、ホームセンター↑
・家電、自動車販売→
【サービス関連】
・新幹線、旅客機予約数、宿泊、訪日外客数↓
・外食(チェーン店中心)↑

【小売関連】頼みの綱だったインバウンドが絶たれて百貨店の状況厳しく

小売店は大きく「百貨店」「スーパー、ホームセンター」「家電、自動車販売」の3セクションです。

百貨店

百貨店は2月時点で大丸大阪店が前年比▲45%減など影響を受け始めていまいしたが、3月以降は苦境が鮮明となっています。

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大手3社の4月前半速報は、前年比6〜8割減。現場を思うと言葉を失うような状況です。緊急事態宣言後は休業せざるをえないため、4月全体ではさらなる減少が見込まれます。

スーパー、ホームセンター

生活物資の調達経路、ライフラインであるスーパーとホームセンターは大幅なプラスです。

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METIのPOSデータによると、スーパーの4月前半は2018年比で115%付近に上昇しています。

ホームセンターも110%と増税翌月以降は右肩上がり。4月に入っtrからは前年比+20%弱となっています。食品のほか、マスクを筆頭とした生活雑貨も好調です。

家電、自動車

家電、自動車はおおむね横ばいです。

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家電はスーパー、ホームセンターと同じデータを使用しており、2018年比で1月上旬をピークに減少。増税前の特需がハッキリと見て取れます。直近ではリモートワーク向け商品が売れていそう。

3月の新車販売台数は約32万台で、前年比横ばい。増税前と比べれば大幅に減少しています。

【サービス関連】ほぼ壊滅の中、ファストフードが前年比プラス

サービス関連は「新幹線・旅客機」「宿泊者数・訪日外客数」「外食(ファストフード)」の3つ。

新幹線・旅客機

新幹線、旅客機は壊滅的です。

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新幹線は全国的に4月輸送量が前年比8割減程度となりました。

旅客機は会社発表が2月までのためグラフ上だと▲20%ほど。ただ、4月予約数は4月1日時点で国内線6割減、国際線9割減と苦しい状態です。ANA、JALとも2020年3月期業績予想の下方修正を発表しました。

宿泊・訪日外客

観光系データも新幹線・旅客機と同様の状況です。

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日本人宿泊者は2月まで前年比プラスを保ったものの、3月以降は前年割れの見通しです。

外国人宿泊者数、訪日外客数は、日本政府による入国制限の影響で大幅減です。2月の宿泊者数(宿泊日数ベース)は前年比4割減、3月の訪日外客数は前年比9割減に落ち込みました。

外食(チェーン店中心)

外食産業は主にチェーン店のみを対象としているため、実態とは少し乖離している可能性があります。

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日本フードサービス協会の統計では、2月の売上高が前年比+5%となりました。うるう年と休日数増も大きく影響しました。客数もプラスです。

ただ、業態別で状況は異なっており、ファーストフードは好調。一方で、パブや居酒屋は落ち込んでいます。3月に入って既存店売上が前年比5割減のチェーン店もあるようです。

<参考>景気ウォッチャー調査 現状判断 DI(家計動向関連)

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現状判断DI(家計動向調査)は、1月→3月の変化幅だとスーパーのみがプラスです。

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