中国の生鮮食品EC「叮咚買菜（Dingdong Maicai）」が3億ドル調達

中国で生鮮食品のEコマースを運営する「叮咚買菜（Dingdong Maicai）」が3億ドルを調達したとロイターが報じてました。

Sequoia-backed online grocer Dingdong raises $300 mln, valued at $2 bln -sources

今回のラウンドはGeneral Atlanticがリードし、評価額は20億ドルに上昇するようです。

(Dingdong Maicai HP)

Dingdong Maicaiは2014年に創業され、中国の一級都市を中心に展開しています。Dingdongのサービスは「前置倉」方式と呼ばれ、多数の小型倉庫を営業エリア各地に配置して新鮮な食品の配送を実現しています。

食料品はもう宅配が常識。競争が激化する新小売。鍵は「前置倉」vs「店倉合一」 - 中華IT最新事情

アリババの「フーマフレッシュ」は何がスゴイ？ 売上が既存スーパー4倍のワケ

Dingdong MaicaiはSequoia ChinaやQiming Ventures等からも出資を受けており、EC化の余地が大きい食品EC領域という期待を背にユニコーン企業となりました。

Sequoia - Dingdong Maicai

2020年に入って成長が加速しており、1月のMAUは前月比14%増加したそう。2月の売上は12億元（約180億円）に達したといいます。

(Fresh Food E-commerce Develops Rapidly in China)

iResearchの推計では、2021年の生鮮EC市場は4,950億元（約7.4兆円）に拡大するとのこと。2018年から3年で2.7倍となる見通しです。

Miss Fresh eyes $14b in revenue by 2021 - Chinadaily.com.cn

生鮮EC市場ではテンセント投資先「MissFresh」がメインプレーヤー。2018年にはゴールドマン・サックス等から4.5億ドルを調達し、2021年に売上1,000億元（約1.5兆円）を目指しています。

（2020年Q1中国移动互联网行业发展分析报告）

TrustData社の調査によると、2020年3月の生鮮EC市場におけるMAUはMissFreshが1,000万超でダントツNo.1。2位がアリババのニューリテールブランド「盒马（Freshippo）」で400万弱、Dingdong Maicaiは100万に満たないと思われます。

（2019年1-9月中国移动互联网行业发展分析报告）

生鮮ECに出現した「631局面」。競争が終わるのか、それとも新展開の始まりか - 中華IT最新事情

市場シェアが固定化する支配構造は"631分布"といわれ、1位が6割、2位が3割、その他1割という状況を指します。生鮮EC市場も631分布が出来上がったと見られ、MissFreshの支配が強固なものになったと考えられています。

Dingdong Maicaiは新たな資金を手にしたことで2強に食らい付くことができるのか、今後は中国の生鮮EC市場も気にしてみたいと思います。