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フィンテック・スタートアップは選別フェーズ?投資件数が減少も、ユニコーン4社が相次いで資金調達

CB Inshghtsのレポートによると、フィンテック企業への出資件数は8ヶ月連続で減少した。

2020年3月の出資件数は142件で前月比で▲54件、前年同月比ではほぼ半減(▲131件)。北米、ヨーロッパ、アジア、その他すべての地域でブレーキがかかっているようです。

出資額ベースでも2020年1Q合計で約60億ドルと、前年の80億ドルから▲25%減少した。これまでフィンテック投資額は上昇トレンドが続いていたが、2017年頃の水準まで低下してしまったかたち。

4月に入ってフィンテック・ユニコーン4社が調達。Stripe6億ドル、Robinhood2.5億ドル、Cartaが2億ドル調達検討。オーストラリアのAirwallexも1.6億ドル確保

業界全体としては調達環境が厳しくなってきた一方で、今週はフィンテック・ユニコーンが相次いで資金調達を発表しました。

コリソン兄弟率いる決済プラットフォーム「Stripe」は、シリーズGで6億ドルを調達。評価額は360億ドルに上昇しました。日本円で約3.9兆円、三井住友FGと同じくらいの規模感

売買手数料無料の株取引アプリ「Robinhood」はSequoia等から2.5億ドルを調達する模様。評価額80億ドルに上昇。

アメリカ市場が乱高下したせいで先月は3回くらいトラブってサービス停止していました。ユーザーが急増しているようです。

未公開企業の資本政策プランニングツールを提供する「Carta」は2億ドル調達を検討中。評価額は30億ドルに上昇する見通し。一方で、全社員の約15%にあたる150名以上をレイオフして組織再編成を進めています。

Andreessen Horowitzの投資先です。

国際送金サービスを手掛けるオーストラリア企業「Airwallex」はシリーズDで2.52豪ドル(1.6億USD)を調達したと発表。評価額は昨年のシリーズCクローズ時に10億ドルを超えていました。SalesforceやANZ Bank、テンセントにセコイア・チャイナもラウンドに参加しています。

Airwallexは2015年に創業され、多国籍企業をターゲットに国際送金サービスを展開しています。Visaと提携してクレカを発行したり、会計ソフトXeroと統合したプロダクトも開発しました。日本にも拠点を開設済みです。


世の中が急速にバーチャルシフトしていく流れにおいて、フィンテック企業にとっては多くのチャンスが転がっていそう。ただ、プラットフォームビジネスの戦いは勝者総取りになりがちなので、業界的には選別が加速していくのかなと思ったりします。

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