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2024 JFL第1節 レイラック滋賀戦 レビュー

全フットボールファン待望(諸説あり)のリーグ、JFLが3月10日ついに開幕した。
第1節レイラック滋賀戦の内容を簡単に振り返ってみたい。
※選手名敬称略

1.前半

両チームの基本フォーメーションはこちら。

栃木シティは前線3枚に新加入選手を投入。鈴木国友はリザーブから出番を伺う。昨シーズンまで不動のRSBを務めた野田はDH。ボール保持時はアンカーとしてプレーする。
レイラック滋賀は昨シーズンのベースにCB小野寺、DH小松を投入。元Jリーガーロメロ、大卒ルーキーの奥田はリザーブからスタート。2016年栃木ウーヴァに在籍した菊島もスタメンに名を連ねる。

滋賀ボールでキックオフ。
先に滋賀のスタイルについて触れておく。
敵陣ゴール前からハイプレスをかける。この試合では栃木シティの原田内田増田が最終ラインからショートパスでビルドアップを試みた際に、前線3枚の大垣榎本菊島が数的同数でプレスをかけ奪還を狙う。
センターサークル付近では5-2-3のブロックを組み、相手をサイドに追い込んでボールを奪取する。サイドに追い込むとWBとボールサイドのCBで挟む。CBがボールサイドに奪いに開いた際には、逆サイドのWBがCBとして内側に絞っていた。
ボールを奪えば裏に速いボールを供給するか、手数少なくフリーまで繋ぎドリブルで運ぶ。逆サイドへの展開力もある。特にテクニックとスピードがある榎本や展開力に優れる小松は攻撃のキーマンとなっていた。
選手交代はあるが90分間ベースは変えない。

前半風上だった栃木シティはロングボールで前線3枚の裏抜けを狙う。3人ともドリブラーであり、前を向いてボールを受けることができれば相手の脅威となる。また、適宜ロングボールを利用することでプレス回避にもつながった。
試合中にも野田関野からロングボールが入り前線3枚が敵陣を脅かすシーンがあった。
しかし、前半18分に不運に見舞われる。
滋賀のコーナーキックから掻き出されたボールを山崎が自陣で回収し、そのままドリブルを開始。敵陣まで進攻するが角田の左後方からのスライディングを受け負傷してしまう。角田にはイエローが提示されたが栃木シティ側の損害とは釣り合わないものだった。
そのファウルで得たフリーキックを丹羽が蹴り、吉田篤志がヘッド捕らえるが伊東にセーブされる。
負傷した山崎に代わり、山村がCFの位置に入る。
滋賀も31分に左サイドからコーナーキックを獲得し、ファーサイドでフリーだった平井がヘッドでゴールを狙うが枠外。
栃木シティも32分に右サイド敵陣からのスローインを表原鈴木裕斗関野と繋ぎ、表原がバイタルからミドルを狙うが枠外。
36分には原田のゴールキックを関野が中盤で回収し縦に展開。丹羽がタイミングよく抜け出しボールを受けGKと1対1まであと少しと迫るがこれがオフサイドの判定。映像を見直した限りはオンサイドだが…。
46分には敵陣中央でのパスがずれ、それを滋賀が回収し一気に前線へロングボール。一度は内田がキープするがそれを大垣が奪取。そのまま栃木シティゴール前に持ち込み横パスを選択するがこれは辛くも戻った増田がカット。しかし、大垣にボールがこぼれシュートを撃たれるも原田がこれをキャッチ。
そして、前半終了間際の48分。表原のハンド判定により滋賀のフリーキック。左サイドから面矢が蹴ったボールをフリーの小野寺が頭で捕らえゴールを決める。映像を観ると小野寺はマークに付いていた吉田篤志をプッシングで倒してからフリーになったように見えるが…。
滋賀が1点リードして前半を折り返す。

2.後半

後半風下のためか、栃木シティはロングボールを減らしショートパス主体のビルドアップで敵陣への進攻を伺う。
単にいつも通りのスタイルに近い形に戻しただけかもしれないが。
しかし56分。
小松のコーナーキックを菊島がヘッドで合わせ滋賀が追加点。
菊島原田がチェックしていたが、小松の蹴ったボールは原田の手が届かない菊島の頭上に落ちた。菊島の周りにも何名か栃木シティの選手がいたが、菊島がボールに触れた時にはいずれも距離があり、プレーに干渉できなかった。
60分には、原田からのフィードを相手に回収されるも関野が奪取。吉田篤志にボールが渡り敵陣深く侵入し相手DFを切り返しで剥がしながらクロスを供給し山村がシュートするが枠外。
61分に栃木シティは野田に代えて岡庭表原に代えて大嶌を投入。
65分に右大外敵陣でボールを持った吉田篤志がBOXハーフレーンに侵入した大嶌にパス。大嶌はシュートを放つが伊東にセーブされる。その後のコーナーキックから佐藤がヘッドで合わせるもゴールラインを割るまであと一歩のところでクリアされてしまう。
68分に滋賀は3枚替え。面矢に代えて角田に代えて平尾大垣に代えて奥田を投入。
72分には栃木シティが吉田篤志に代えて藤原丹羽に代えて鈴木国友を投入。
するとその直後73分。
コーナーキックの競り合いのこぼれを鈴木国友が右足で右ゴール隅に流し込み栃木シティが1点を返す。
滋賀のキックオフでゲームがリスタートするも、自陣でボールを奪取し関野がフィード。一度相手DFに当たるもこぼれを鈴木国友が回収し山村へ。山村はバイタルから枠内にシュートを放つが伊東にセーブされる。
76分に滋賀は菊島に代えてロメロ小松に代えて山下を投入。
そして79分。
自陣深くで原田とパス交換していた内田榎本がプレスをかけロストを誘う。逆サイドにボールが流れそれをロメロが回収。寄せてきた増田が触れないややマイナス気味に中央に折り返し、そこに走りこんでいた榎本がフリーで蹴りこみ滋賀に3点目。
85分に右サイドでボールを受けた藤原がドリブルで中央に持ち込み大嶌にラストパス。大嶌のシュートは伊東に止められる。
その前後で滋賀のプレスからショートカウンターであわやの形を作られシュートに持ち込まれるが運よく失点にはつながらず。
そのまま1-3で試合終了となる。

3.まとめ

7年ぶりのJFL開幕戦は残念ながら敗戦となった。
滋賀のプレスからショートカウンターというトラディションの揺さぶりとデュエルの強さに苦しめられ、後方からショートパスで繋ぐ比重が多かった後半は特に影響を受けた。
前半の前線3枚のスピードとドリブル突破を活かしたロングボール供給は滋賀のハイプレス回避としても有効だったが、不運にも山崎の負傷により威力は減衰した感が否めない。BOXやバイタルでフィニッシャーとして高い決定力を誇り、ビルドアップでもワンタッチで的確な場所にボールを落とす山村は後半まで温存しておきたかったはず。
丹羽のオフサイドや1失点目のシーンなど得点に絡む部分で微妙な判定を受けたことでも試合は難しくなった。
後半の2失点に関しては修正が求められる。2失点目についてはCKからある程度他クラブも再現が狙える形、3失点目についてはビハインドであったためか、全体がやや前がかりとなりCBやGKが孤立し、出し所を迷っている間にプレスの餌食となってしまった。

このような苦しい状況下ではあったが、栃木シティの選手達もそれぞれの持ち場でストロングを発揮し、「らしさ」の片鱗を見せてくれた。
チームはまだ伸びしろがあり、試合を見るとJFLの試合強度やスピードに慣れない部分や連携面でもズレが散見された。
これらはいずれ修正され、チームの成長へとつながるだろう。

3月16日にはホームCFSにティアモ枚方を迎え撃つ。
連敗を阻止し、みんなで勝利の祝杯を挙げたい。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
次はもっとしっかり書きます…。




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