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Ironman Malaysia 2023 レースレポート

今回のIRONMAN MALAYSIA。事前に来年ハワイで開催される世界選手権のキップが20スロットに減った事を知り、50-54エイジカテゴリーに上がる来年に挑戦した方がまだスロットを獲得出来る可能性が高いのでは?と参戦を躊躇していたが、仲良しコンビ豪一さん(彼は70.3に参戦)に背中を押され「No challenge No chance 」と思い直し、参戦を決意したのがレースの2ヶ月前の8月9日。Hillyなバイクコース、気温30度超・湿度90%のタフなコンディションが予想されたので、過去に出場した方々から色々情報収集。

<Ironman Cairnsの反省を踏まえて見直した主なポイント>
①隔週で山岳コースでのロング走

 登り区間で大腿四頭筋を極力使わないペダリングを模索
②コアトレ・筋トレ
 毎週メニューにコアトレ・筋トレを明文化し、サボらず継続。レース後半、疲れた状況でもフォームが崩れない身体作り
③ピーキングの見直し
 Fitnessを極力高く保ちつつ疲労感を抜く方法を模索

ピーキング&暑熱対策

<経験者の方々からの事前情報によるIronman Malaysia対策>
①悪路面、突然のスコール対策
→バイクの空気圧を低めに設定
→薄めの偏光・調光レンズを採用
②レース後半脚が攣らない対策
→愛用KODA electrolyte powder入りお腹ハイドレーション(1.5L)
→塩カプセル(Salt Stick electrolyte)、S&B紀州産梅肉チューブ(オールドスタイル)を実戦投入
③暑熱順化
→Noクーラー・No扇風機下でのZwift(Z2)
→41度の湯船で20分間アマプラ鑑賞

コックピットに梅肉チューブ(オールドスタイル)

レース前

宿は、皆がお勧めするゴール近くではなく、空港に隣接したホテル(Wings by Croske Resport Langkawi)を選択。T2やアスリートチェックイン、レースブリーフィング、ロールダウンセレモニー等の会場に近く、かつ、空港から巨大な荷物をカートでそのままホテルの部屋に運べるストレスフリーなロケーション。ただし、ホテルのレストランはイマイチだったけど、、、食事の不便さを差し引いてもここが正解だったと思う。

空港のカートでホテルの部屋まで楽々♫

更に今回は女子プロカテゴリーの上田藍選手と偶然宿が同じで試走や食事をご一緒させて頂き、世界各地のレースを単独で転戦しているタフネスさや本物のプロアスリートのメンタリティを身近で感じれたのも非常に貴重な経験だった。一番驚いたのは、食事量の多さ(パスタを毎回2食分オーダー)だったけど(笑)

バイクコース試走
元アメフト部モンゴル語専攻のナイスガイ・ソータも合流

レース当日

4時起床。日本から持参したアルファ米とサバ缶と味噌汁と前日ホテルの朝食会場で確保した食パン2枚を詰め込み、シャトルバスでスイム・T1会場へ。仮設トイレに長蛇の列ができる中、前々日のバイク試走時にT1会場の前にあるホテル(The Danna Langkawi)にたまたま立ち寄ってランチした際にチェックしたホテル内のトイレを並ぶ事なく使わせて頂きストレスフリー。ただし、レース後の着替え等が入ったストリートギアバックを預けるトラック🚚が予定の10分前に既に出発した事を聞いてかなり焦ったけどね(海外でこのくらいのルーズさはアルアル)。

スイム編

コースマップ(1.9kmを2周回)

400m→700m→800mの三角形1.9kmを2周回。波もなく、塩分若干高めの視界の悪いプールみたいな感覚。相変わらず、生意気にも先頭の方に並び、速い人に抜かれたらついていく作戦。先頭はおそらくスロット狙いであろう西欧人が多め。

Hi-Ridgeスイムスキンを着て やや緊張気味?😆

ローリングスタートでバトルもなく快適。最初の400mを曲がってもあまり後ろから抜かれない。俺が速くなったのか???これがアジアの大会のレベル。。。(汗)結果1:06:07。なんとエイジ2位(全体でも19位)でスイムアップ!

無事スイムアップしてニヤニヤ😁


バイク編

バイクコース(2周回)

スタート直後にサイコン(Garmin530)を起動し、事前に決めた200w前後(FTP70%)でコントロール、、、と思いきや、5秒でスリープモードに入って、また起動しての繰り返し。。。片手運転しながらサイコンの設定を変更しようと試みるもスリープモード解除の方法が分からない。。。ガチャガチャいじってると今度は突然チェーンが外れてダブルパンチ。そもそも試走の時は普通に使えてたのにいったい何が起きたんだ???

アイウェアを外し、サイコンをガチャガチャの図

結果パワーコントロールを諦め、フィーリング頼りのオールドスタイルで勝負する事に。結果論だが、登り区間を試走しておいて良かった。試走してなかったら、登りで踏み過ぎて撃沈してたかもしれない。「疲れてくる2周目の登り区間が勝負、1周目はとにかく抑え気味で!」とケアンズの時みたいに自信過剰なイケイケ子供脳が出てこないように言い聞かせ、パスされても無理について行かずエアロと路面の段差に集中して淡々と。

序盤エアロと路面の段差注意して淡々と🚴‍♂️
中盤エアロと路面の段差注意して淡々淡々と🚴‍♂️🚴‍♂️

そして70-80km地点で事件は起きた😭エアロと路面を注意して下向きガチだったからか?スコールが降り始めて視界が悪くなってたからか?本来直進して2周回方面に行くべきところを1周回で終わる70.3の集団と共に左折してしまうという致命的なミスをしてしまう😭気が付いたのが、ゴール付近数キロ手前の試走の時に見覚えのある景色が見えたとき。。。😭片道7km強も間違ったコースを走ってた。。。コースに復帰するには往復約14km。アベ30km/hでも約30分弱のロス。試走の時にも「部分的に70.3と微妙に違うヶ所もあり注意が必要だね、ボランティアはフルか70.3かは区別つかないから分岐は自己責任で判断しないとね!」とか偉そうに言ってたのを思い出す。。。誰のせいでもない、俺のせいでしかない、、、何をしにマレーシアまで来たのだろう?コナの神様はなぜ微笑んでくれないのだろう?雨に打たれながらこの歳にして号泣しながらもとりあえずコース復帰を目指す😭今振り返ると不思議な気もするが、自暴自棄になりながらもDNFの選択肢は一切脳裏をよぎらなかった。そこからの残り100km以上もの長旅はメーターも見れないし、何を考えて走ってたのかさっぱり覚えてないが、ネガティブ健三郎とポジティブ健三郎が交互に頻繁に出現してきたのだけは覚えている。一方でライド時間も5時間を超え、距離も180km超えても垂れずに、大臀筋とハムストリングを使ったペダリングができている感覚があり、俺もだいぶ強くなったよなぁ、と今まで積み上げてきたトレーニングを思い出して感慨深くもなる。。。そうこうしてる間にやっと地獄の底まで落ちたバイクパートのフィニッシュを迎えることができた。

走行距離193.59km (赤丸が間違いポイント)

結果5:59:08 バイクパート(13位)バイクフィニッシュ時点でエイジ順位11位まで急降下

バイクパート分析(赤枠がコースミス区間)

パワーメーターを見なかった割にはNP201Wで狙い通りだったのは驚き‼️前後半で211W→195W(-16W)はメンタルも影響したとは言え改善の余地あり。

ラン編

ランコースマップ

T2で着替えながらもうコナのチャンスはないので、ジョグでも良いかという思いも一瞬過ったが、せめてトラッカーで応援してくれてる方々への償いとして、全力で行こうと心に決めランスタート。スコールが止み、雲の隙間から太陽が顔を出すと一気に暑さを感じる日影の少ない状況下。とりあえずフィーリングに任せて走り出す。最初の入りが4‘45/km・心拍135bpm程度。感覚は悪くない。このペースで行って、エイド(約2km毎)でしっかり止まり、佐渡で採用した女性用タイツを半分に切って作ったネッククーラーに氷を詰め込み、心拍と体温の上昇を抑えながら、全体でアベ5’00/km弱、3時間30分切りを目指す。

手作りネッククーラーに氷をたっぷり入れて🏃

T2からゴール地点までが約8.5km。往復で17kmを2.5周回。とりあえずは最初のゴール付近(8.5km)で先にゴールして応援すると約束してくれた70.3出場メンバー(GO&AI)に会うところまで頑張る!バイクでルート間違って約30分ロスしたモヤモヤ感を早く共有したい!慰めてほしい!!が誰もいない。。。そっか、事前に伝えてた通過予想タイムよりも約30分も遅れて通過しているのでいなくても仕方ない。。。でも仲間の声援を受けて元気をもらいたかったなぁ、、、とネガティブ健三郎がまた出てくる。。。加えてレース3週間前に左足を捻挫し、距離走ができなかったため、20km過ぎ以降ちゃんと走れるのか不安がよぎる。更に空港裏の滑走路沿いの影のない直線部分で暑さが徐々に強くなってくる。辛くなる度に「暑くなった方が周りが垂れるのでむしろ暑くなって欲しい」と言ってた上田藍プロの言葉を思い出し、暑さウェルカムマインドに脳みそを変換し、不安を払拭する。トライアスロンはメンタルスポーツだ!気持ちっしょ!

掛け水もタップリと💦

それでもやはり苦しくなってきた2周目のゴール付近(約25km)で、松井大さんが「秦頑張れ!今2位だぞ!」と声をかけてくれた。ま・ま・まさかそんな上位にいるとは夢にも思わず、このまま行けばコナに行けるかも!一気にテンション爆上がり!(トライアスロンはメンタルスポーツ)あとは脚が攣って歩く事が無いように麻衣子コーチが事前にアドバイスくれた塩カプセル💊と豪一直伝のオールドスタイル梅肉チューブを投入しまくり最後まで垂れる事なく約5’00/kmペースを維持して無事ゴールすると共にハワイのスロットをゲットする事ができました👏👏👏

やったぞ〜の雄叫びの図

結果3:29:39。ランパートエイジ1位
全体10:41:39 エイジ2位

ランパート分析

エイドストップを入れて1周目4:58→2周目5:04→ラスト5:09と下降傾向。ラストの約10kmは2位と聞いてやや守りに入ったか😅
アベ心拍数が132bpmは出来過ぎでまだまだ追い込めるかも。ネッククーラー&掛け水効果が絶大💦

ゴール後、早速スイーツ🍰解禁🍰

今回はジェットコースターのように地獄から天国までを味わったレースだった。正直途中は諦めてたけど、結果本当に諦めなくてよかった。トラッカーで応援して頂いた方々には多大なるご心配をお掛けしましたが、念願のコナスロットが取れ、皆様の期待に応える事ができてホッとしています。

コナスロットゲット〜🌺

最後に、レース参戦に背中を押してくれ、成田空港までの往復送迎もしてくれたご近所仲良し豪一さん、一番苦しい時に声を掛けてくれ、スロット獲得を喜んでくれた松井大さん、一緒にトレーニングに付き合ってくれたTeam Yメンバー、スイムが得意種目?になるまで愛のあるディスり(誉め言葉)で叱咤激励してくれたHi-Ridgeメンバー、レース対策について細かいところまで親身になってアドバイスをくれた麻衣子コーチ、本人にとっては不幸?な事に偶然出会ったおっさん達の珍道中に巻き込まれて行動を共にし、くだらない会話を笑顔全開で辛抱強く聞いてくれ、且つプロのメンタリティを教えてくれた上田藍プロ、直前までお腹ハイドレーションに関して、中身が無くなったら空気を入れて膨らましてエアロ効果キープだの、T1でのセット方法だの色々アドバイスをくれたパイキ先生、そして、約1週間不在にしてたにも関わらずスロット獲得を喜んでくれたファミリーにこの場をかりて感謝を申し上げます!

2024年コナでは、10:10切りを目指すぜ😎

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