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そうだ MUJI、食べよう。

 子供の頃はシンプルなデザインでおしゃれな文房具ブランドとしか認識していなかった無印良品。今では服や家具、食品に至るまであらゆるものを無印良品で揃えられるほどだ。

 最近ではレトルトカレーのバリエーションとクオリティが話題になっているけど、カレー以外にも色々な食べ物を世に出している。


 そんなわけで今回は無印良品食品をいくつか食べてみた。


代替食品ランチ

 今回は特に低糖質だったり低アレルゲンだったりする食品を中心にチョイス。こういう代替食品をほとんど食べたことがなかったのでこれを機会に試してみよう。

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 パッケージに統一感があって良い。主食、主菜、副菜、デザートとバランス良くなるように選んでみたつもり。
 食べてみたのはいつもの二人。


にるぎり
 お出かけできなくて持て余した時間を利用してSCPを読み漁り始めたジャムの嫁。無印良品のお気に入りはアクセサリーケース。


ジャム
 にるぎりから勧められて昨日からSCPを読み始めたにるぎりの夫。無印良品のお気に入りは店内BGMのCD。


低アレルゲン、低糖質でヘルシーなランチのスタート!


チーズクリームのリゾット

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 イタリアでつくったというこだわり。米がちゃんとイタリアの米。レトルトとは違い水と一緒に煮込むタイプ。

にるぎり
 「なんだこのおもちゃ感は……なんかチーズの酸味と脱脂粉乳みたいな脆弱性のあるまろやかさが混ざってなんとも言えない第一印象。
 米感はかなりあって、しっかりめのリゾットなので食感は悪くない。
 味がかなりぼんやりしているので(薄いわけではない)、この食感だけで乗り切ってる感はかなりある」

ジャム
 「普通に美味しい!米も程良い硬さが残ってていかにもリゾット。イタリアの米を使っているらしいけどこれは当たり。
 レトルトではないので水と一緒に煮込む必要あり。電子レンジオンリーで済ませようとするならやや手がかかるけど、ちゃんと米を煮込むだけあって本格的なリゾットに仕上がる。お洒落なごはんを作る時に加える一品として良いかも」

 いきなり評価が分かれた。しかし食感だけは揃って高評価。レトルトに慣れてると手間と感じるかもしれないけど、この食感はオススメ。


にんじんスティックサブレ

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 小麦・卵・乳不使用。代わりに米粉と米ぬかを使ってある。それはサブレなのか?煎餅なのでは?

にるぎり
 「かったい!ガリガリバリバリする、何この食感?!??ウワッまずい!!!すごい久しぶりにこんなまずいもの食べた気がする!!!粉感のより増したボーロ…?うーん、ま…まずい。
 一口食べて動きが止まってしまった。これもう一回口に運ぶのかなり苦痛だな…。
 粉っぽさがすごすぎて人参風味かどうかはまったく判断できない。根本的にサブレとしておいしくなさすぎる。そもそも小麦粉も卵もバターも乳も使わないお菓子をサブレと呼称していいのか…?全くの別物では…?」

ジャム
 「思ったより硬い。カリカリ。にんじん味かどうかは分からない。甘さ控えめでクセになる系。気を抜くとポリポリ食べ進めてしまいそう。しかし数ある商品の中からわざわざこれを選ぶかと言われるとどうだろう。油っこくなく健康そうな味ではあるからそういう方面にはウケそう」

 こちらも評価が割れた。洋菓子のサブレを期待していると裏切られるかもしれないけど、こういうカリカリポリポリ食感が好きなら全然アリだと思う。二人ともにんじんを感じることはできなかった。


アップルの大豆バー

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 糖質10g以下というストイックなお菓子。大豆バーとかシリアルバーは忙しい社会人の携帯食料。これならついつい食べても太らないはず。

にるぎり
 「なんだこのにおい?ん〜〜?なんだこの味…?
 りんご味というか、りんごフレーバーの風味。ドライりんご入ってるみたいだけど、あんまりりんごの果実感は感じないような…?ジャリジャリした食感。すごい粉っぽい。
 う〜〜〜ん、べつにおいしくはないかなあ…。なんかさっきのにんじんスティック然り、健康に気を使ってます!みたいな味で、食味第一!という感じではない。まあでもさっきのにんしんスティックよりはマシかな…」

ジャム
 「ややもちっとしつつシャクシャクした食感!ドライフルーツのりんごっぽい味がするけどそこまでりんごが前に出てくるわけでもない。シャクシャクの正体は大豆のパフか!食感は良い感じ。小麦粉の代わりに大豆粉を使っていて糖質10g以下らしいので、糖質を気にしない人は普通のスティックケーキを食べた方が良いと思う。けどこういう代替食品って配給食みたいなある種の雰囲気があって結構好き」

 相変わらずにるぎりからは低評価。体に悪くても美味しいものが食べたい派だからしょうがない部分もある。健康のためか、ディストピア社会の配給食をイメージしたい人向け。


ハンバーグ

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 今回の目玉、大豆ミート。カップヌードルの謎肉にも使われている大豆。最近肉の代替品として登場機会が増えているが、ここまで大豆ミートメインのものは初めて。

 袋から出したらよくあるレトルトとか冷凍食品のハンバーグ。成型肉っぽさがSFチックでちょっと興奮する。畑の肉の実力や如何に。

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にるぎり
 「大豆ミートはじめて。なんかもう箸で切った断面の繊維感がすでにハンバーグじゃないんですけど?
 ん…?思ったよりは肉っぽい…?成型肉みたいな感じかな。ナゲットとかサイコロステーキみたいな口当たりと食感。まあでもハンバーグではないです。
 味がなあ…なんか変に甘くて、香辛料の香りだけが浮いてる印象。なんかどこかで食べたことあるような気がするんだけど、これは肉をイメージして作られてるからそう感じるのかな?でも明確に肉を思い出すかと言われるとそうではないと思う。
 安いファミレスのハンバーグの方がおいしい。なんか某テーマパークのレストランで出てきそうな味だなと思った。
 後味に遠く豆を感じる。お前なのか大豆」

ジャム
 「袋から出した時は結構ハンバーグの香りだったけど温めたら別物の香りになった。
 結構みっちり詰まった食感。噛みごたえがあって食感としての満足感は案外得られるのではないか。大豆っぽさは全く感じない。というより香辛料で消し飛んでる。肉っぽく味付けされてはいるけど肝心の香辛料がハンバーグっぽくない。菓子パンコーナーにある安いハンバーガーに挟まったハンバーグよりはしっかりした食感だけど味がハンバーグじゃないからなあ。何の味だろうか?つくね?ソースをかけるとまた違った印象になりそう。
 でもそんな事が些細な事に感じる程に大豆ミートのハンバーグという事実がそそる。ディストピア飯!テンション上がるよね」

 多分セージ?ハーブ由来と思われるやや甘い香りと苦味が強くてハンバーグの味ではなかった。食感は結構良いのでかえって違和感を感じてしまい惜しい。むしろそんな違和感が代替肉感を際立たせていてディストピア世界を体験できる。ディストピア系が好きなら一度は食べておくべき。


果汁100%ゼリー 3種のフルーツ

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 カップじゃなくて袋入りのゼリー。こちらは代替ではなくて本当の果汁入り。果汁系食品とは思えない無機質なパッケージが素敵。

にるぎり
 「気持ち悪くなってまいりました。いまのところおいしいものがない。
 みかん味から。アーッ普通のみかんゼリー!この安心感!こういうのでいいんだよ!
 ぶどう味。ほんのり酸味があって食べやすい。
 りんご味。ん?なんかこれだけやや薬っぽい風味…なんだこれ?
 みかん味が一番好きかな。想像してるとおりの、ごく普通のみかんゼリー。なんか久しぶりに人間に戻ったみたいな感じだ。安心感がすごかった。ぶどうもわりと普通だと思うけど、ちょっと薄めかな?りんごだけなんか微妙だった。なぜなのか?」

ジャム
 「みかんはちゃんと柑橘系の苦味を感じる。ぶどうはよくある普通のぶどうゼリー。りんごが一番好きかな。
 袋を持った時は液体かと思う程頼りない柔らかさだったけど、意外とゼリーとしての食感を感じた。何の変哲もない普通のゼリーだけどしっかり果物を感じて良かった。凍らせると絶対美味しいと思うので冷凍庫にぶち込んでおいた」

 立て続けの代替食品にテンションが死んでいたにるぎりがちょっとだけ復活した。つまり普通のゼリー。袋を開ける時に汁が飛び出す仕様だけど、凍らせると汁も飛び出ず手軽に食べられるのでオススメ。


総評

にるぎり
 「あ〜まずかった〜。
 個人的に今まで食べた無印良品の食べ物、バウムクーヘンとねりうめ以外に当たりがないんですよ。というか自分は根本的にかまぼことバウムクーヘンだけはどのメーカーでもおいしく食べられる人種なので、正直にいうと無印良品で「これは特別おいしい!また買おう!」と思えるのって実質ねりうめだけだったんですよ。(実はそのねりうめもなとりのほうがおいしいことに気付いてから買わなくなったんだけど…)
 というわけで今回も正直全く期待してなかったので、特に失望することもなければ、逆に物凄い感動を得られることもなかった。ゼリーはごく普通のゼリーだったので安心感があった。
 無印良品の食品の強みってどこにあるんだろうね?値段も安いわけじゃないし、どれも絶妙においしくない。どういう層が何を求めて買っているのかめちゃくちゃ興味あります。無印良品さん、無印良品ファンの人、本当にごめんなさい」

ジャム
 「にんじんスティックやアップルの大豆バーは悪くはないけど敢えてそれを選ぶ程ではなかったかな。
 一番気になっていた大豆ミートのハンバーグは食感は悪くないので味付けをどうにかすればもっと美味しくなると思う。
 リゾットは適当に煮込むだけでアルデンテな食感の米になるのが強い。やはりイタリア米の力か。
 ゼリーが一番シンプルで普通だったけど、今回は代替食品メインのチョイスだったので逆に浮いていた。リゾットとゼリーはリピートありかな。ハンバーグはディストピアごっこをするならマストなアイテム。サブレや大豆バーもその付け合わせといった感じ。無印良品ってディストピアごっことの相性がすこぶる良いよね」


 今回はコンセプトが完全ににるぎりの好みから外れていたので低評価なのは仕方がない。食べ物に味以外の価値を見出せるかどうかが、評価の分かれ目。
 個人的にはそのシンプルで画一的なパッケージと代替食ということで終始ディストピア飯のイメージだった。ディストピア感という価値を見出せるならむしろ高評価だと思う。

そんなわけでちょっとディストピア飯っぽく盛り付けてみた。

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 とても素敵。代わり映えしない戦勝ニュースと愛国歌がスピーカーから流れ続ける食堂で、労働者たちが作業として口に運んでそう。

 みんなも無印良品で手軽にディストピアごっこしよう!

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