そうだ 寿司、握ろう。
寿司。それは日本人の心。世界で通じる日本語にもなっている。寿司こそ日本のシンボル。寿司こそ力。
日本人であれば寿司を握れて当たり前。日本人は毎日寿司を握っている。そんな外国人の期待を裏切ってしまった経験は無いだろうか。私は無い。
しかし日本人であれば握れるようになっておきたい。まだ出会ったことのない全ての日本人が寿司を握れると信じている外国人のためにも。
というわけで今回は寿司を握ってみた。食べてみたではなく。というか食べられない寿司なのだ。プラスチックでできているから。
寿司のプラモ
寿司のプラモ。それだけで即買い。一見するとおみやげ用に包んでもらった寿司そのもの。割り箸がついているのも気が利いている。
サーモンバージョンもあったが。ここは王道の鮪でいこう。この一箱で一貫の鮪寿司が握れる。
中身。半透明なネタパーツがえも言われぬ色気を放っている。
真っ赤な赤身パーツ。最近では中トロ、大トロも(本マグロかどうかは別として)回転寿司で食べられるくらいになっているが、やっぱり鮪といえば赤身だよね。
そして寿司プラモの一番のウリがこのシャリパーツ。全部で364粒ある。さっきの赤身パーツと合わせて全366パーツ。ちょっとしたガンプラくらいのパーツ数。
この一粒一粒を握っていくと思うとワクワクする。
説明書は入っておらず、代わりにパッケージとして箱に巻かれている紙に作り方が書いてある。まあ見なくても分かるといえば分かるが。
ここに書いてあるとおり、全部の米粒を使わなくてもよい。シャリの量は作り手次第。ルールに縛られがちな現代社会ではつい忘れがちになってしまう自由が、ここにはある。
シャリパーツをいくつかランナーから切り離してみたが、どうみても食べ終わった後のくっ付いた米粒。よく見るとこれらも半透明で実に良くできている。
ちょっと集めてみたらパラパラしていてシャリっぽくない気もするが……。
握ればシャリだ。半透明な上にツヤのあるパーツだから酢をまとった米に見える。
握ると言っても形や組み方に決まりは無く、シャリっぽい形になるように適当に米粒を接着剤でくっ付けていくだけ。特に深く考えずに作ってみたがなかなかどうしてリアルに仕上がる。またせっかくなので364粒全て使ってみた。
ネタパーツはうっすらとスジが入っていたので裏面からスジをなぞるように白い線を描いてみたら、半透明パーツなので線が透けてそれっぽく見えるようになった。
リアルを追求するのであれば全塗装となるのだろうがそれこそ沼っぽいので線を描くだけに留めておいた。
Tuna on rice balls
というわけでパイルダーオン!どこからみても寿司だ。
皿に乗せてみたら寿司にしか見えない。
いかにもな赤さとツヤは高級寿司というより回転寿司で出てくる安いマグロのようでなかなか趣がある。
付属の割り箸を添えて。割り箸はプラスチックではなく本物。
シャリを一粒ずつ接着していくというストイックなまでのリアル志向プラモデル。これを精神鍛錬と感じるか拷問と感じるかは人それぞれだが、一度作ってみるとプライスレスな経験となることは間違いない。
個人的には、一人で静かで豊かな時間を感じることができた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?