第1期麻雀リーグFC観戦記・第30節

こんにちは。麻雀リーグFC広報部です。ついに9/11(日)より対局がスタートした第1期麻雀リーグFC。第1期麻雀リーグFCは雀魂の強豪・プロ雀士・Vtuberで構成された12チームが頂点を争うレギュラーシーズン全30節60試合のチーム戦です。

本日は12/21(水)に行われたレギュラーシーズン最終節である第30節の観戦記をお届け致します。

最終節の対戦組み合わせと出場選手はこちら。

第1試合A卓

ここが注目ポイント!

セミファイナルボーダーを争うぺんたごんのkeita選手、MSPの初音プロが同卓。どちらもトップを1回取ればほぼ当確な条件だけに、是が非でもここで勝ちを決めておきたいところ。対するあさひなライジングサンからは、余裕を持って通過出来る位置でPDGON選手が登板。逆に藁科マーライオンズはボーダー争いからは離された状況で、最終日は個人MVPを争うウマナミ選手ではなくjustice選手が連投の一戦目。チームメンバーの想いに応えられるか注目。

試合経過

東1局、東2局はPDGON選手、東3局、東4局はkeita選手が連続和了となり、2人が熾烈なトップ争いを繰り広げる中で南場へ。南3局1本場、セミファイナル進出へ大きくは負けられない初音プロが逆転を期してリーチするも、これにjustice選手が押し返して6000オールで一気にトップ目へ。次局は跳満を親被りしてしまうも、オーラスも自力で流し切ってトップを死守。待ち望んだリーグ初トップとなった。2着となったのは終始冷静にコントロールを効かせたバランスで大きくリスクを取らずにプラスにまとめたkeita選手、3着は終盤の追い上げに屈したPDGON選手、4着は初音プロとなった。

勝負を分けたハイライト

慌てず騒がずリーチ一閃。門前打点寄せの教科書手順(MSP・初音舞プロ)

南3局2本場。初音プロは1600点持ちのラス目で大ピンチ。親番も残っておらず、着順を上げるにはかなり苦しい状況でもらった配牌がこの形。

打点の種と言えそうなのは一見するとピンズに寄せたホンイツか望外のドラ引きか。そんな印象を受けるが、ここで初音プロは焦ることなく三元牌から打ち出してリーチ手順まっしぐら。イッツー変化の9pを役牌の後まで引っ張ってから手放し、最後は三色目の3p5m、もしくはドラ縦引きで満貫テンパイとなる見事なイーシャンテンとなった。三色目ではない6pが埋まってテンパイすると、ここは迷わずドラ単騎を最終形に選択してリーチ。

既に2副露で仕掛けていたPDGON選手を降ろし、justice選手とのめくり合いも制して3000-6000の大量加点となった。

エースが繋いだラストパス。別れ路の先へ向かう君へ、チームの思い出を餞に(藁科マーライオンズ一同)

29節終了時点で、セミファイナル進出が事実上かなり苦しくなってしまった藁科マーライオンズ。この日本来登板する予定だったのは、エースの一角、ウマナミ選手だった。最終日を迎えた時点でレギュラーシーズンMVPまで1トップの位置。充分にタイトルが狙えるポジションだったことは間違いない。しかしウマナミ選手とリーダーの藁科選手は、最終日の2試合をここまでトップが無かったjustice選手に任せた。

そんな経緯で迎えたjustice選手のエクストラステージ、1戦目の状況はやや苦しかった。終盤を迎えてもkeita選手とPDGON選手が共に3万点を超えてトップを争う展開で、迎えた南3局1本場、ようやく入ったチャンス手も初音プロに先手を取られてしまう。

ピンズを面子に固定するかヘッド固定するか、二択をいきなり外した格好で後手を踏まされるが、そんなことは関係無い、と言わんばかりに6pを叩き切って目一杯に受ける。そして、6巡目の手順次第ではツモ切りになっていたかもしれない初音プロの当たり牌赤5sを引き入れてリーチ。最高形の高目一盃口をツモり上げて、一気にトップ目に躍り出る値千金の6000オールとなった。

「餞」の語源は「鼻向け」にあるとされる。旅人を送り出す人が、たとえ姿が見えなくなっても、その道行く末を、無事を見守っているという意味を込めて、その人が向かう方角へ乗る馬の鼻を向けてやるという故事が由来だ。藁科マーライオンズに限っては、ウマの鼻だけではない。気持ち良く全員がトップを取ってシーズンを終わろうとするリーダーの姿勢に全員が応え、全員が同じ方向を向いて声援を送った。最後まで、最後だからこそ良い「チーム」であろうとした仲間の餞に、justice選手が全力で応えた美しい大団円となった。

この対局の牌譜はこちら!

(記・銀貨先生)

第1試合B卓

ここが注目ポイント!

ボーダーを争う優曇華の花とぽんてんLv47が世紀のマッチアップ。その差は僅か10.1pt。この二試合で勝った方が確実に次に進めるという、両軍が絶対に負けられない対局となった。対するANC PURPLE BATSは連ラスを食わされなければ安泰といった位置。とにかくラス回避が優先されそうだ。そして前節ついに牙城が崩されたLuna de esperanza。セミファイナルへ向けて、太陽が月を再び照らせるか。

試合経過

まず獅子ヶ谷選手が一人聴牌流局から2000オールをアガって先制すると、続いて穹憧選手が2000-4000に1000オールと繋いでトップ目に。黙って見てられないふみKUN選手も2000-4000で後に続き、この3人が横一線で並ぶ形で南入となる。
矢絣選手も副露を活用して前に出るがこの3人の勢いは止まらず、南1局で8000を和了した穹憧選手がトップ目でオーラスを迎える。
最後はふみKUN選手が裏1期待で手牌を倒すも、惜しくも乗らず。ぎりぎりのところで穹憧選手が逃げ切り、第2試合へ最高のバトンを繋いだ。

勝負を分けたハイライト

いいバッターはここぞに強い 値千金の決勝タイムリー(南1局=ぽんてんLv47・穹憧るか選手)

ライバルのふみKUN選手が親番の本局、穹憧選手は第1打に白を選んだ。

オタ風の北でも1切れの南でもなく、打白。

手なりならばオタ風である北から切ることになると思うが、
・自分の手がそこそこリーチを撃てそう
・親のふみKUN選手に鳴かれるのを出来るだけ避けたい
これらの観点からの選択だろう。また北を溜めることによって、北家の矢絣選手が鳴いてくれる確率が僅かに上昇するという副次的な効果も得られる。
とにかくライバルの親番を蹴ることに振り切った選択だ。

その後ふみKUN選手が2pをポン、矢絣選手が中をポンしてスピード勝負を仕掛けたところで6巡目、穹憧選手があっさり追い付き1-4mのリーチを放つ。
矢絣選手は直後聴牌を入れるものの一発目ではドラを切り切れず迂回。ふみKUN選手は二向聴からこれに追い付き5-8p聴牌。6mをプッシュした。
この6mに反応したのは獅子ヶ谷選手。チーから字牌を落としてタンヤオに向かうが1mを掴んでしまう。安牌1枚の満貫一向聴では止まることができず、穹憧選手が立直・平和・ドラ・裏の8000を和了。
要所で決めたこの満貫が値千金の決勝タイムリーとなった。

運命の裏ドラ(南4局=優曇華の花・ふみKUN選手)

ふみKUN選手はライバル穹憧選手と5900点差の2着目。ロン和了なら4翻、ツモ和了なら1300-2600以上が必要な状況でこの配牌。

正直苦しい。とにかくドラを引いてメンタンドラ1が現実的か。

とりあえず手なりで進めていくとするする手が伸びていき、入り目も最高で6sならタンヤオがつく6-9sのメンピンドラ1を9巡目に聴牌。6sならどうアガってもトップ、9sだと脇からのロン和了のみ裏1条件となる。

穹憧選手も赤5sを切ってカン8s聴牌。黒い。

穹憧選手もこのリーチに対してしばらく押していたが終盤入口あたりで撤退。ふみKUN選手の一人旅となるかと思われたが、獅子ヶ谷選手がアガればトップとなるダマ満貫を聴牌する。しかし出ていく9sがふみKUN選手のロン牌となり、ふみKUN選手は裏ドラ期待で手牌を倒した。

しかし無情にも裏ドラは乗らず。優曇華とぽんてんの直接対決1戦目は、ぽんてんLv47に軍配が上がった。

この対局の牌譜はこちら!

(記・西向く侍)

第1試合C卓

ここが注目ポイント!

MVPを強く意識している矩継凜選手。本日第1試合出場でなんと魂の5連投となった。ここでトップを取れば一旦個人首位に立てるとともに第2試合に出場するあかさた選手、えりんぼパパ選手にトップ条件を突きつけられる。
段位戦やチーム内練習も精力的に行っている彼女のリーグFCの旅はどこに辿り着くのか。

試合経過

流局を挟んでとっつあん選手の親満でスタートするも、放銃したざんく先生選手がすぐに取り返す。中盤ざんく先生選手が和了を重ねトップ目に立つも、南場で和了を重ねた矩継凜選手がラス親で逆転トップを獲得し個人首位を獲得した。
2着は中盤に和了を重ねるもあと一歩届かなかったざんく先生選手、3着には開局パンチをかますも以降続かなかったとっつあん選手、4着は手が終始入らずとも失点を最小限に抑えたボムチュウ選手となった。

勝負を分けたハイライト

これが私の戦い方 リーチを愛し愛されたMVP(GENESIS・矩継凜選手)

リーチは一般的に強い攻撃手段であるが、安手が降りて本手が来る、状況に対応できないなどのデメリットもあるためミドルリスクハイリターンといったところだろうか。状況に応じて使い分けたいが、大体の手で面前聴牌はリーチしておけば正解である。
矩継凜選手はこの試合見事トップを獲得したわけだが、高いリーチ率がその一因だろう。

https://twitter.com/leaguefc_resulT/status/1605771523960279040

成績速報(非公式)さん @leaguefc_resulT より。

上記FCリーガーの個人成績をまとめている成績速報(非公式)さんによると、この試合を終えてレギュラーシーズンの矩継凜選手のリーチ率は27.91%(全体1位)。およそ4局に1回以上は立直している計算である。
リーチに向かえる配牌・ツモ・状況が来るという意味で運がいいのは間違いないが、それにしても対戦相手からすれば脅威だろう。プレッシャーがかかりっぱなしである。
この試合も4回リーチをかけてうち3回和了につながった。

4連形で手替わりを待ちたかったが1巡待って我慢ならずリーチをかけ...
手順でドラ7pをミスってもリーチをかけ...
不十分な待ちであってもリーチをかけ...
オーラスもリーチのみながら見た目先制で親の圧力ということでリーチをかける。

正直に言わせて貰えば、記者の目からして上記のうち「これはすごい!」という手組みは特になかった。「まあこうなるよね」というリーチ手順もあり、道中の手組みで「(記者は選ばなさそうだが)まあその選択も理解できるよね」という手順もあった(褒めているつもりである)。
それにしても記者なら日和って到底打てないリーチも敢然と打っている。当たり前にリーチを打ち当たり前に和了っていく戦術は本人にとっては普通のリズムなのだろう。そして逆に言えばそういうスタイルなのだ、と理解できる。

真っ直ぐリーチ手順を組みガンガンリーチをかける打ち方は概して分散が大きく大勝ちする時もあれば大負けする時もあるが、今回はそれが良い方に大きく触れてMVPを獲得した原動力となった。チーム内でも「聴牌したらリーチ」とシンプルに教えることで余計なことを考えず伸び伸び打てる環境を構築できた結果なのかもしれない。

ともあれ、MVP獲得おめでとうございます。
紛れもなく立派な称号でしょう。

進化し続ける育成枠 こだわりを捨て鳴いてみた世界
(南4局1本場=なんでも鳴けばいいというものではない・ボムチュウ選手)

強い打ち手というのは対戦数をこなしていくにつれ自分の中で最適なバランスを発見し、自分の型を身につけてそれを武器にして戦っていく人が一般的に多いだろう。

記者が強いと思っているFCリーガーの中から全員を紹介することは文字数上叶わないので一部のみに留めるが、えりんぼパパ選手(ライジングサン)、藤井光プロ(MSP)、ゆうれいいか選手(GB)などは誰もが認める全局参加型であり放銃を恐れず積極的に前に出て和了を狙う一方、中神翔平プロ(GENESIS)や奈落の王選手(ななない)はつまらない手をいたずらに進めず止めることのできる安心感がある。
ふみKUN選手(優曇華)や牧野伸彦プロ(ぽんてん)、藁科あおい選手(マーライオンズ)は特に打点意識がかなり高いハイレベルな打ち手であり、銀貨先生選手(るなすぺ)やねじまき鳥@選手(ぺんたごん)、葉弥さん選手(BCC)は手数を重視し副露を駆使しながらも守備も怠らないタイプの強者であろう(※あくまで記者の感想です)。

さて、麻雀リーグFCには各チームに育成枠が存在する。当然彼ら彼女らも自分の型をある程度持っているだろうが、その名の通り「育成」も少なからず目的の範疇にある。記者の目から見てレギュラー30節を通して打ち方が変わったなと感じた選手も少なからずいた。

こちらも勝手に名前を挙げて恐縮だが、ひらめちゃん選手(ぺんたごん)がチームメイトの影響か和了寄せの手組みを少しずつ取り入れて攻撃パターンが増えたかと思えば、拝田頼選手(APB)は前期ではみられなかった繊細な守備を取り入れてバランスを再構築しようと試みている。
なんと素晴らしいことだろう。新しい世界を見ることができ、バランスを壊して試してはまた作り替えて新しく武器をアップデートできる。こうした柔軟さは育成枠の選手が持つべき最大の武器であり、魂天やプロといったそうそうたるメンツに対抗する有力な手段である。

前置きが長くなったが今局の主役はその育成枠のボムチュウ選手。オーラス1本場をラス目で迎え、そこそこまとまった配牌をもらう。1000-2000ツモか6400出和了で3着浮上のためとりあえずタンヤオに寄せる自然な進行をするが、10巡目に出た赤5pをチーして2000点の聴牌を取る。既に場に欲しい58pが6枚目とあって、これをスルーするととても和了れそうにないだろう。チーム状況に余裕があるうちに傷口を広げない選択をした。

以前のボムチュウ選手の試合で似たようなオーラスに無理に着アップを狙ったが失敗し、
チーム検討で指摘が入った箇所だと聞いている。

見事ざんく先生選手の欲しい7sを食い取りテンパイを阻止すると、手替わりの後すぐにとっつあん選手から安目和了。これによる着順変動はなかったものの、無事に加点して試合を終わらせた。
チームメイトのおじ達も納得の選択だった。

見事親の連荘を防ぎ傷口を抑えた。

特に高段位の打ち手は概して自分の型があるため指摘されてそれを納得し素直に実践してみるところまで至る打ち手はなかなかいない。やはりなんだかんだ素直さと行動力が重要であるし(ドラフトの時もそうだ)、それだけでも一つの才能なのではないかと記者は思う。
そしてそれをこの最終節という大舞台で発揮できたのは育成枠が育成枠たる集大成であり良いお手本だと感じた。魂天やプロなどの強者を含め全てのFCリーガー、引いては全ての打ち手に見習っていただきたい姿勢である。

あとがき

今回のハイライトはともに育成枠。記者の観戦記のトリを飾るのは彼女らに相応しいだろう。なぜか?短期とはいえMVP争いに絡み+100pt以上でフィニッシュと立派な成績を残したことに加え、「育成枠」として採用されたが既に聖2である。段位戦にもしっかり励んでおりまだまだ伸びる余地が大いにあるためだ。
そこの魂天さん。うかうかしてると下からの突き上げで埋もれますよ。🪃
当然私もそう。リーグFCでは勉強の毎日です。

麻雀に限らずみなさんの日々努力、研鑽を祈って、レギュラーシーズンのkeitaさんの観戦記の〆といたします。
30節に渡りましたが、お読みいただきありがとうございました✨

この対局の牌譜はこちら!

(記・keitaさん)

第2試合A卓

ここが注目ポイント!

6位ぺんたごんと7位(時点9位)MSPは直接対決。ライジングサンのえりんぼパパ選手は個人MVPを賭けての出場。マーライオンズのjustice選手は連投の初戦で今期初のトップを勝ち取った。同じく個人MVPの掛かっていたマーライオンズ・ウマナミ選手は自身からjustice@選手の連投を進言したということを読者、そして選手の皆さんには覚えておいてもらいたい。

試合経過

東3局、MSPより上ならセミファイナル進出のぺんたごん・ねじまき鳥@選手は親番の6巡目にチャンス手のリーチをかけた。同巡、えりんぼパパ選手からもリーチがかかり、これをねじまき鳥@選手から5200の直撃とした💥
東4局は細谷拓真プロがえりんぼパパ選手からマンガンを和了り、ぺんたごんとMSPは一時3着順差のWスコアになった。
南場は細谷拓真プロとえりんぼパパのトップ争いの様相を呈す。ぺんたごんとMSPは2着順差が勝負のライン、オーラスは3着4着も100点差の僅差の中でどのような決着になったのか🤔

勝負を分けたハイライト

プロフェッショナル【東4局=MSP・細谷拓真プロ、ライジングサン・えりんぼパパ選手】

6巡目に6pチーから678の三色同巡を狙っていたがさらに打点アップの可能性が

局は折り返しの9巡目、仕掛けを入れていた細谷拓真プロはドラの6sを引いてきた。まさかのツモは形上は出ていくこともありそうだが、これがどのようなテンパイになるのか🤔

11巡目に2mチーでイーシャンテン、これにjustice@選手もスピードを合わせてきていた。

13巡目、えりんぼパパ選手は9sを重ねてテンパイ。打5mで3-6m待ちのリーチを掛けた。細谷拓真プロはこの5mを鳴いてテンパイは打7sの4p,6sのシャボ待ちにした。高目のドラの6sはタンヤオドラ3のマンガンだ。そして17巡目、ラスト1枚の6sをリーチしていたえりんぼパパ選手が掴んで細谷拓真プロに放銃。1試合目ラスのMSPはトップを勝ち取るしかない💡

ねじれた歯車【南3局】

退路は無い

MSPとの2着順差はデッドラインのぺんたごん。5巡目、ラス親のねじまき鳥@選手はかなり苦しいところから仕掛けていった。赤もドラも無いが前を向いて打つしかない、全霊の一打だった。

えりんぼパパ選手は2mツモ、打6sで1-4m待ちのリーチをかけた

8巡目、5巡目のチーから7巡目の8mと連続で有効牌と引いてきたねじまき鳥@選手はカン2s待ちでテンパイ。しかし、前巡にえりんぼパパ選手からのリーチが掛かって絶体絶命のピンチに!?ここからは全ツッパしていくしかない。

勝負手のイーシャンテンだが手牌は中牌しかなく安牌はちょうど引いてきた6sが1枚のみ。

同巡、justice@選手のツモは6s。3mのワンチャンスで打った1mが一発でえりんぼパパ選手に8000直撃!3着順差ついていたMSPとぺんたごんはこの和了りで1着順差となってオーラスになった。

ジャッジメント・ジャスティス【南4局】

オーラス4巡目、えりんぼパパ選手は逃げ切りを図って1sのポンから仕掛けた。ボーダー争いには関わっていないjustice@選手、4着目とは100点差しかないねじまき鳥@選手からのアシストはビミョーなところ💧細谷拓真プロとの一騎打ちになりそうだ⚔

南と發が対子、両方が鳴けないとツモ直でしか逆転トップができなかった細谷拓真プロ。えりんぼパパ選手の鳴きから面白いように有効牌が入り7巡目に南と發のシャボ待ちでテンパイ。5200の出和了はどこからでも逆転トップに祈りながらダマテンとした。

8巡目、justice@選手はイーシャンテンで1-4pか6p,發を引けばテンパイとして。そこに引いてきたのは孤立していた6mにくっつく8m。選ばれたのは發だった。細谷拓真プロが5200の出和了りで逆転トップ。2着順差がついたぺんたごんは別卓の試合結果を待つことになった。

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(記・あさひなひなた)

第2試合B卓

ここが注目ポイント!

今節最も注目を集めるボーダー争いのファイナルラウンド。
優曇華の花とぽんてんLv47の第1ラウンドはぽんてんが勝利し、暫定7位。
優曇華の花は別卓のMSPを躱して滑り込み圏内の8位とした。
基本的にはこの2チーム間で着順が上回った方が通過、負けた方は見えない別卓相手次第となる。
各チームが命運を託したエースによる最終決戦の火蓋が切って落とされた。

試合経過

東1局、ふみKUN選手のリーチを受けた親番の牧野プロが奇跡のような2000オールのアガリを拾って激戦の幕が開けた。
東2局にはあかさた選手が満貫を武則プロから和了すると東3局にはふみKUN選手も1000-2000のツモアガリ。
3者が拮抗した展開となるが東4局、牧野プロの先制リーチに追いかけリーチのあかさた選手が満貫放銃。この和了で4万点を超え牧野プロが抜け出して南場を迎えた。
しかし南2局1本場、ふみKUN選手がこの土壇場で役満・四暗刻をツモって世界が引っくり返る。
南4局の親番であかさた選手が終了を狙うふみKUN選手から満貫を出和了るも1本場、牧野プロが2着確定で和了り終局。
ふみKUN選手がエースの仕事を成し遂げトップを獲得した。

勝負を分けたハイライト

花が優雅に咲くように(南2局1本場=優曇華の花・ふみKUN選手)

優曇華の花は現在8位。そしてこのままぽんてんの牧野プロがトップで終わってしまうと別卓のぺんたごん、MSP次第となってしまう立場だ。

6巡目、1枚切れながら中を対子にする。
混一色赤やメンホンチートイが見える形。こうなれば染めの一手だ。

一気にピンズが押し寄せた10巡目。
打9pが最も広い。しかしここでふみKUN選手の選択はカン。
驚いた方も多かったと思われる。筆者も見ていてえ!?となった。
打9pとすると受け入れは4578pと發中で見た目に12枚。
カンして打9pとすると縦受けのみとなり受け入れは見た目で4枚まで激減してしまう。

では、なぜか。
後日の検討配信で本人の口から語られたが、牧野プロの打7pが引っかかっていたという。自身からは4pが見えていないことからカン6pからの3-6p変化を強く警戒した。
一方でこの状況、この手は絶対勝負。發中が出たら100億パーセントポンしなければならない。6pを絶対切らないという選択をとるのであれば今カンして封じ込めてしまうしかなかった。

しかし11巡目、あかさた選手がリーチ。
4pはピンズ染めがいるため一見最悪なようでいて、234や456の形がないので意外と悪くない、そんな待ちだ。
ドラの8m地獄単騎もあるがこの4pはそれ以上に打ちにくい。であれば4p単騎で曲げてしまう強気の選択だ。
しかしその一発目、ふみKUN選手は中をツモってくる。ツモり四暗刻のテンパイ。既に5pは山になく、あるのは發が1枚だけ。

比較的押しやすいとはいえ無スジ2sを力強くツモ切った次巡。
最終戦でふみKUN選手が華麗に咲き誇った。
優曇華の花をレギュラーシーズン突破に限りなく近付ける、雅な役満和了だった。

"ぽん"が導く決着(南4局1本場=ぽんてんLv47・牧野伸彦プロ)

第29節終了時点、そして第1試合終了時点と目まぐるしくボーダー付近の状況が変化していた。この卓は開始前時点で優曇華の花とぽんてんの一騎討ちという見方をされていたが一つだけ、異なるルートが存在した。
それはAPB連ラス、かつ優曇華の花とぽんてんがともにトップ2着を繰り返したパターンだ。(厳密には素点も影響する)
南2局1本場のふみKUNの四暗刻和了によって武則プロが箱下に落ち、この条件が満たされていた。南4局1本場時点の持ち点のまま終了した場合、トータルポイントは以下となっている。
優曇華の花 -36.5 ぽんてん -59.8 APB -68.5

配牌時点では全員がややアガリへの速度が微妙な手だった。
トップを確定して終了したい優曇華の花、ふみKUN選手。
このポイントなら通過確定だがAPBの満貫ツモで卓内最下位に落ちるぽんてん、牧野プロ。
唯一ボーダーレースとは関係ないがセミ以降を見据え親番でポイントを稼ぎたいるなすぺ、あかさた選手。
APBの武則プロだけは満貫を作ってツモる必要がある。
とにかく和了が偉い、偉すぎる場面である。

あかさた選手がタンヤオにすべく1段目から発進。
そのまま膠着状態となるも両脇の2人もタンヤオに寄せていく。
12巡目にあかさた選手がいち早くテンパイに辿り着いた。

14巡目、牧野プロはフリテンカン8p役なしテンパイでドラ5mをツモ切る。
もしもAPBをトータルポイントで抜いていることを把握していない場合、自力通過に拘るなら跳満ツモで優曇華を強引に捲ることでトップに立てる。
そのために終盤ながらテンパイを外す選択肢も考えられるが、これは跳満は狙わない宣言。
ション牌8mを打つことの危険度やタンヤオを見てテンパイを外した後に親現とはいえ将来的にドラ5mを打つ場合のリスク等、しっかり全ての状況を把握した現実的な一打だ。

15巡目、7sを重ね4-7p待ちのテンパイを果たすと当然ダマ。
次巡一発で山1の4pをツモってくるが―――

牧野プロはトータルでAPBを捲っていることは把握していなかった。
卓内でラス目という認識ながら現状の素点のある2着なら
・MSPがトップ以外
・ぺんたごんが逆連対
このいずれかの条件を満たせば別卓次第でほぼ抜けられる。
ここから外れるのはMSPトップ、ぺんたごん2着のパターンのみであり11/12でほぼ通過である。
それらを考慮し不確定ながらツモって2着での確率を取った。
結果として自力で決めてはいるもののこれは見事な"ぽん"だ。シーズンを経てついにチームカラーに染まってしまったか。
牧野プロはこのことをインタビューでも反省していたが、麻雀リーグFCはチーム戦。
責任の半分は作戦担当のくせに1戦目が終わったあとに気が抜けて分析が疎かになったこの記事を書いている青いドラゴンにあることはお伝えしたい。
しかし誰もがこのB卓内で最終戦を終えてAPBがトータルポイント最下位になるとは思いもしなかったことだろう。
薄い薄い可能性とはいえこういう状況が起きうるので、あらゆる状況に備えておくことの必要性を痛感させられた試合だった。

この対局の牌譜はこちら!

(記・穹憧るか)

第2試合C卓

ここが注目ポイント!

レギュラー突破のためには10万点近く取らなくてはならないBCCの葉弥さん選手。現実的とは言えないが、どこまで行けるか。個人成績では、今期から参戦ながら11戦ラス無しの元教室生タク選手に注目。ラス無しのままレギュラーシーズンを締めくくれるか。

試合経過

東1局、ゆうれいいか選手の二軒立直をかわす1500で開幕。
東1局2本場、メカZ選手がドラ2pと4pのシャボ待ちで先制立直。ゆうれいいか選手がドラ2pが浮いたまま追いついてしまい、追いかけ立直の宣言牌で放銃。8000の移動。
メカZ選手は続けて親番で迎えた東2局でも立直一発ツモ平和ドラ1の4000オール。
東3局3本場、親番を無限に続けたい葉弥さん選手が700オールを決めるも、4本場で元教室生タク選手に放銃。レギュラー突破のためには南場の親番に全てをかける事になる。
南2局、ゆうれいいか選手が葉弥さん選手の先制立直に対応しながら聴牌。發を加槓して和了牌の3mを持ってきて嶺上開花。2000-4000。
南3局、葉弥さん選手に最後の親番が回って来た。しかし無情にも自分以外の三者が2副露。タンヤオ仕掛けに移行して対応をするも、あっさり横移動。BCCの敗退が事実上確定となった。
オーラスでは、メカZ選手が国士無双に向かった葉弥さん選手から4mを捉え、8000の和了。立直棒と1本場で9300の加点をし、73600点でフィニッシュ。個人スコアを0.6ptで終え、土壇場で借金を返済した。元教室生タク選手は展開に恵まれず、最終戦で土がつく結果となった。
同時に行われた3半荘の中でこの半荘が最後に終了した。すべての結果が確定し、レギュラーシーズンは幕を閉じた。

勝負を分けたハイライト

葉弥さん、動きます(南3局=Black Cat Code・葉弥さん選手)

ツモ8m/打4pで一向聴

最後の親番を何としても手放したくない葉弥さん選手、ツモ8mで一向聴。

打1s/対応、喰いタン、形式聴牌

ここで葉弥さん選手は打1s。
門前では間に合わなそうだから喰いタンに移行したい、4pが下家に鳴かれそう(下手したらロンと言われそう)、等が理由だと思われる。しかし、急がなくてはいけないからこそ一旦二向聴になってしまう事は重く、あまりにも厳しい道筋だったように見える。
ただ、この選択にこそ「絶対に親を続けたい」という気持ちを感じとる事が出来た。普通に4pを切り、25s68mをツモる事を信じるルートもあった。自分の事だけを考えればいい段位戦だったらこのような選択はなかったかも知れない。でもチーム戦だ。「何とかしたい」という想いが、この焦りにも似た選択を生んだのだと感じた。

メカZ選手和了

無情にも1000の横移動。BCCの連覇の夢は絶たれた。

リーダーの葉弥さん選手が、最後まで逆転の道筋を探し続ける姿を見せてくれて良かったです。とくらげ選手の成長も見られて嬉しかったし、とっつあん選手の四象戦優勝もビッグニュースでした。
後半戦は苦しい展開が続いてしまったけど、とても強いチームだったと思います。熱闘をありがとうございました。

追憶のイエローリリー(南2局1本場=GOLDEN BODENS・ゆうれいいか選手)

南2局1本場、葉弥さん選手から先制立直を受ける。

ツモ4m打8p/いきなり当たり牌

ツモって来たのはいきなり当たり牌の4m。ここは打8pとし、手を崩す選択をした。普通の人ならここから復帰は難しいだろう。

ツモ1m打7s/萬子で1面子1ヘッド

更に当たり牌の1mを持ってきて、これで一向聴復帰。67pか78sのどちらかを外す選択になるが、あえてフリテンの67pを残す。67p78s全て無筋だが立直者が6sを宣言前に打っているので78sの方が少しだけ安全、5pは赤がある、などの要素があるだろうか。

ツモ發/やるしかない

赤5pを手にして張りなおした後に發が来る。やるしかない。

嶺上牌は3m

見事嶺上開花!

ゆうれいいか選手は今期、抜群の安定感のある打牌をしながら、時に驚きの選択を見せ続けてくれて、良かったです。チームは敗退となりましたが、確かな実力とセンスをシーズンを通して遺憾なく発揮してくれたと思います。
GBは個性的な人が多く、見る人を飽きさせない、とても楽しいチームでした。熱闘をありがとうございました。

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(記・まさき)

試合結果

本節を以て麻雀リーグFCのレギュラーシーズン全日程が終了しました。
8位までのチームが1/4から始まるセミファイナルシリーズへ進出します。
1位通過となったのは最終盤に大まくりを見せたGENESIS。チーム全体として安定した成績を残す中、目を引いたのは育成枠・矩継凜選手の奮闘。個人スコアMVPを目指し5連闘となったこの日の登板でもトップを獲得しました。
2位通過は中盤から長期に渡って首位を維持したるなすぺ。あかさた選手と野々宮ねむ選手がチーム成績を引っ張りました。
3位はライジングサン。MVP争いに絡んだえりんぼパパ選手を軸にPDGON選手、あさひなひなた選手と三本柱の安定感が光りました。
4位はななない。序盤は展開に恵まれず沈んでいた時期もありましたが苦しい時期をしっかり耐えて好位置での通過となりました。
そして5位は優曇華の花。終盤に驚異的な追い上げを見せた不死鳥のようなチーム。最も勢いのある状態でSFに進むチームと言えるでしょう。
6位はプロチームことMSP。第1試合終了時点でボーダー圏外となっていましたが最終戦の細谷プロのトップで滑り込みとなりました。
7位となったのはぽんてん。終盤にボーダーから陥落し一時は-280ptまでマイナスが膨らむも、熾烈なボーダー争いを演じ見事勝ち残ってみせました。
8位での通過はAPB。一時期は首位争いに絡んでいたものの終盤戦に大苦戦。しかしこれでもう不運は精算できたことでしょう。ギリギリの突破となりましたがあとは巻き返すだけです。
9位で敗退となったのはぺんたごん。チーム力も安定しており、残り3節となった時点でこのチームの敗退を予想していた人は一人としていなかったことでしょう。嵐に巻き込まれ、リーグ戦の洗礼を浴びることとなりました。
10位となったのはディフェンディングチャンピオンとして挑んだBCC。序盤戦はリードしていたものの中盤にずるずると後退。意地の粘りを見せたものの無念の敗退となりました。
11位は藁科マーライオンズ。ウマナミ選手が今季は大暴れを見せましたがチーム全体としては苦戦が続きました。
残念ながら12位はGOLDEN BODENS。早くから苦境が続いたためにより一層追い込まれてしまう厳しいシーズンでした。
開幕から3ヶ月、麻雀リーグFCをご視聴頂いた皆様、本記事を読んで頂きました皆様、本当にありがとうございました。
そしてリーグに参加された選手の皆様、お疲れさまでした。
1月から始まるセミファイナルもどうぞよろしくお願いいたします。

おわりに

今回の記事は以上になります。読んでくださってありがとうございました。麻雀リーグFiveColors広報部では本観戦記シリーズの他、選手名鑑シリーズも刊行していきますのでよろしくお願いします。記事の感想やRT、いいね等頂けますと励みになりますので"#麻雀リーグFC"のハッシュタグを付けての投稿をよろしくお願いいたします!また、麻雀リーグFive Colorsは公式YouTubeチャンネルを開設しました。公式配信として対局の模様をお届けするほか、各試合の切り抜き動画の投稿、公式応援配信"熱闘!麻雀リーグFC"の配信等様々なコンテンツの配信を予定しておりますのでチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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