第1期麻雀リーグFC観戦記・ファイナル第2節

こんにちは。麻雀リーグFC広報部です。ついに9/11(日)より対局がスタートした第1期麻雀リーグFC。第1期麻雀リーグFCは雀魂の強豪・プロ雀士・Vtuberで構成された12チームが頂点を争うレギュラーシーズン全30節60試合、セミファイナル全10節20試合、ファイナル全5節10試合のチーム戦です。

本日は2/15(水)に行われたファイナル第2節の観戦記をお届け致します。

対戦組み合わせと出場選手はこちら。

第1試合

GENESISの2連勝で幕を開けたファイナル。チームは満を持してリーダーYukiちゃんねる選手が登場、勢いそのままに駆け抜けるか。そうはさせじとるなすぺからもリーダー月音ゆき選手が出場、沈む月を再浮上させるべく奮起を図る。
リーダーであり配信者、名前も似ているなどと共通点が多い2名。前身のFリーグ時代からしのぎを削った両名が決勝という大舞台で相まみえる。

試合経過

最終局以外全て和了が出る乱打戦。曉美ほむら選手のハネマンツモで幕を開けたが、以降東場は比較的小さな点数移動で終えて折り返す。曉美ほむら選手は南2局・南3局で痛恨の満貫放銃を連続で喫するも、南4局の親番連荘で盛り返し最後は逃げ切ってトップを獲得。
以下2着には放銃回避して逆に和了りきるなど攻守に冴える選択を見せたゆきち選手、3着には4和了を決めながらも南4局0本場に曉美ほむら選手の高打点ダマに沈んだ月音ゆき選手、今半荘ほとんど出番がなかった拝田頼選手が無念の4着となった。

勝負を分けたハイライト

これぞ”打点のぽんてん” 開局フラットの打点意識(東1局=ぽんてんLv.47・曉美ほむら選手)

レギュラーでトップ獲得がチームで最も遅かった曉美ほむら選手。少なからず落ち込んでいたがセミファイナルでは吹っ切れたのかチームを牽引する活躍を見せた。ファイナルの緒戦も引き続き腕を振っていく選択を見せてくれたので本記事にて取り上げる。

三色がくっきり見える7巡目、打9pとして安全度を犠牲にツモ7pも逃さない攻撃的な構えにした。開局につき失点のリスクを承知で先制率を最大限に高め、リードを取りたいという意志だろう。以降も安全牌北やフォロー牌の5sもツモ切り、安全度と受け入れのバランスを取る。

賛否あるが7pツモがそこまで嬉しくなければ8p先切りもありそうな牌姿

ゆきち選手のリーチを受けて13巡目、手が進んで聴牌。ワンチャンス8pは切るとしてリーチするかどうか。控室も意見が分かれていた。

直前に高目3mが先行リーチに通っている。

曉美ほむら選手の選択はリーチ。開局につき打点に振り切る選択をした。こんなチャンス手はそうそう入らないのでしっかりと前に出て最大打点を取りにいく。

記者もリーチを選ぶ。36mの場況良し、ダマで6mで和了ると寂しい。
相手が親でもかなりリーチした方が良いと思っているがどうか。

山には僅かに3m1枚しかなかったが、その高目3mを15巡目にツモ!
見事ハネマンに仕上げ、大きくリードをとった。

ダマにしていると前巡の6pを行くかどうかでまた悩ましくなりそうだ。

チャンス手はしっかりとリーチする。先行リーチの現物だろうが関係なし。
基本にして最も大事なことの一つを当たり前に実行できるのは強者の証であろう。 

ツモられ・放銃が続きオーラスには3着目まで落ちていたが、ラス親の連荘でまくり返し見事トップを獲得。チャンスを逃さず攻撃的にいく姿勢が吉と出た半荘であった。
本人は内容が悪かったと猛省していたが、記者の目には良くも悪くも攻撃的な持ち味が出たように映った。ファイナルの舞台でも持ち味を存分に出していただきたい。

自手を超えて山河あり 見た目にとらわれない和了率意識(南2局=Luna de Esperanza・月音ゆき選手) 

和了率を上げるにはどうすればいいか、というのは打ち手の永遠の課題の一つである。
一番簡単なのはより早く聴牌して和了れる状態を作ることか。そのために牌効率を鍛えて聴牌を多く作ればそれだけ和了する回数も増えるだろう。その辺はNAGAやmortalなどのツールを使って自習もできるし、SNSやYoutubeなどのメディアを使って強者に気軽に聞けるなど環境が整っている良い時代だと感じる。
話を戻すが上級者はそれに加えてどこに差が出るのか、というと、(余裕があれば)和了しやすい待ちを作ることではないだろうか。山に残ってそうな待ちや浮き牌を残す、相手の手を読む(例:ホンイツなら違う色に寄せる)、ひっかけや迷彩などでロンを狙う、辺りだろうか。

この局の月音ゆき選手は見た目にとらわれず和了率を高める良い工夫を凝らしていたので、ぜひ取り上げたい。 

この局聴牌一番乗りは親のゆきち選手。配牌ドラ暗刻のお化けを手に入れると、道中役牌白を暗刻にして7巡目に47m待ち聴牌。いくらリーチ好きのゆきち選手とはいえ、上が競っている状況で12000の加点は大きいとの判断でダマテンにする。この時点で待ちは山に6枚、特に7mは誰も止まりようがなかったが、10巡目に6mを引いて7mを切り、5m・3p待ちのツモり四暗刻に変化させる。

この時点で5mが山に2枚!ファイナルで役満を決めて伝説となれるか!

同巡月音ゆき選手が聴牌。自風北を暗刻に赤5mを引いて最上と言える聴牌だろう。あとは待ち選択とリーチ判断。

一見69p待ちに取るのが普通だが…

月音ゆき選手の選択はシャンポン待ちリーチ。
どちらの待ちにとっても見た目枚数は大差ない。しかしすでに4pを切っていて出和了率ではかなりシャンポンに分がある。山読みだが両面待ちは9pは山にいそうかつ誰も使えなさそうとはいえ6pの所在がわからない一方、シャンポンは1pは端っこで7pも悪くなさそうだ。
以上から両面待ちを捨てるに十分な理由たるとの判断だろう。そしてシャンポンに取るならロン和了で打点を取りたいのでリーチといった。

1pはともかく、特に8pが全て見えている人からは7pも出やすいのではないか。

これに一発で飛び込んだのは曉美ほむら選手。
すでに1p・3p役なしシャンポン待ちで聴牌を入れていたが通ってない8sを掴み少考。8sプッシュ・筋の1pで粘る・現物の1m(5p)を切ってオリ、の3択だが、1p2枚持ちにつきシャンポン率が下がって通れば次も切れること、1mを切っても次の安牌がないこと、現状の聴牌は価値がないことを理由に1pを選択する。
しかしこれが月音ゆき選手に一発放銃!トップ目を直撃し逆にトップ目で南3局に繋いだ。ロン和了はもちろん他人依存であるが、それを差し引いても出和了まで含めた和了率をトータルに考えた良い選択に感じた。

記者も現物2枚で河もチートイツに見えないため、ギリギリ1pを切って粘りそうである。
一見放銃にまわってしまったが、もしかしたら失点が倍になっていたIFも十分にあり得た。

守備的な手組みが持ち味の月音ゆき選手。そのスタイルで戦うためには和了れるところをしっかりと和了しなければならないだろう。手牌だけでなく山読みや河も使った、副露守備派の和了率を高める意識を垣間見た1局だった。

成長見せつけビンタ回避 段位戦の荒波に揉まれた守備意識(南3局=GENESIS・Yukiちゃんねる選手) 

本日のGENESIS控室のゲストは辛口解説で人気のとらふく氏。第1期麻雀リーグFCでも多くのチームの控室配信でゲストに赴き、容赦ないビンタ※を飛ばしていた同氏。今夜もゆきち選手登板とあって裏で素振りをしていたことだろう。しかし今宵のゆきち選手は一味違った。 
(※とらふく氏なりの許容範囲を超えた打牌に関して指摘を入れる行為)

図の局面で何を切るか。局面をよく見て選択していただきたい。
※対面曉美ほむら選手は9sチー打北(1枚目)

自分の手だけ見れば5sが最も不要だが…

ゆきち選手の選択は...

打9p!!一向聴を崩した!

なぜこうできたのか、

本人解説(出典: 本人Twitter)

親の拝田頼選手の河も濃いが、本人の雀風も手伝ってラス目なので聴牌するとほぼリーチに来るだろうと推測できるためまだ聴牌していないのだろう。
問題は対面曉美ほむら選手、9sチーして北対子落としの後にドラの中を手出ししている。点数状況的にトップ獲得には打点が欲しい。2巡目に両面チーできるところを考えると、イッツーや三色などの安手はなかなか出てこないだろう。ドラの中2枚切れにつき中カンツから1枚切っているのはありえないため、清一色が本命、対抗でジュンチャン三色あたりだろうか。 

だがどちらもまだイーシャンテン以下の方が多いだろう。そもそもジュンチャン三色なら5sは当たらない。加えて自身の手はピンフドラ1高目一盃口のイーシャンテン。点数状況的にも手牌価値的にもかなり和了りたい。まだ間に合うと言って5sを切る打ち手が多いのではないか。記者も体感だが5sを切る日が多いように感じる。

しかしゆきち選手は5sどころか7p切って一向聴にすらとらなかった。5sを絶対に切らない意思が見える。

この時の曉美ほむら選手の手は...

なんと清一色の58s聴牌!お見事な放銃回避!

この局はここで終わらない。
10巡目にすぐに8sを引いて一向聴に復帰すると、13巡目にツモ6pでピンフ一盃口ドラ1の聴牌。ソーズを打たない意識が強く黙聴に構えると、清一色聴牌が入っている曉美ほむら選手が高目4mをつかんで決着。満貫の放銃危機を回避し、逆に満貫を加点した。

もう「GENESISの穴」とか言わせないと言わんばかりの放銃回避&和了!

この局を含めこの半荘ではビンタなし※ととらふく氏に褒められたゆきち選手。チームメイトも「内容が良い」と太鼓判を押すゆきち選手の成長は止まらない。
(※連投した第2試合ではビンタを見舞った模様) 

GENESISは育成枠の矩継凜選手の大活躍を筆頭に遺憾無く実力を発揮している。ゆきち選手も今節ポイントを守ったことで、GENESISのチームポイントが数字よりも盤石になったと感じたのは私だけではないはずだ。

残り3節、ファイナルそして優勝の称号を手にするのはどこだろうか。

この対局の牌譜はこちら!

(記・keitaさん)

第2試合

1試合目をビンタ0の2着と良く繋いできたYukiちゃんねる選手の連闘2試合目。首位を走るチームの定めとして他3選手から狙われる中、ビンタとともに猛攻を回避できたのか。(※なおビンタ)

試合経過

東場は中打点の応酬となり、和了のなかった野々宮ねむ選手が一人やや沈む形で南入した。ゆきち選手は東4局1本場でビンタを浴びた。
南場に入ると一転し高打点が大量発生。ゆきち選手の8000、野々宮選手の12000、矢絣京選手の2000-4000に4000オールが重ねて飛び出し、刃金しろがね選手にとっては苦しい展開に。
その後痛い放銃でラス目に落ちていたゆきち選手が1000-2000、1000オールをアガり3着へ帰還すると、オーラス1本場、裏ドラに期待した野々宮選手のリーチは惜しくも乗らず。矢絣選手が土壇場で踏ん張るトップを見事獲得した。

勝負を分けたハイライト

4人同時聴牌 勝負を分けた"安全度の差"(南1局2本場)

前局にビンタを受けてしまったゆきち選手だったが、この局ではドラの4mを引き入れ4s・東待ちでリーチ。ビンタ返上を図る。

同巡、親の刃金選手がすぐさま追い付き、抱えていた北を切って2-5-8pリーチ。首位のGENESISから直撃を狙う構えだ。

さらに同巡、野々宮選手も聴牌。二人に通る1mを切って三色・赤1のペン3mダマとした。
さらにさらに同巡、矢絣選手にも聴牌が入る。抱えていた東を切って満を持して追っかけリーチ。
しかしこの東がゆきち選手の和了牌で5200は5800の放銃となってしまう。
唯一完全安牌を持てていなかった矢絣選手がここで一歩後退となり、ゆきち選手がビンタ返上(?)の和了をみせた。

そのリーチ、ビンタです!(南2局2本場=るなすぺ・野々宮ねむ選手、GENESIS・Yukiちゃんねる選手)

このまま終わればビンタ返上となるであろうトップ目のゆきち選手は、8巡目に1s・5s待ちの聴牌。待ちに若干の不安を抱えつつも、ここは臆さず自らの武器であるリーチを振っていった。

同巡、親の野々宮選手が絶好の3pを引き入れ高目三色の平和・赤2で追っかけリーチ。鴨が葱を背負って来たと言わんばかりに本手をぶつけた。
この捲り合いはゆきち選手が6sを掴んで決着。安目ではあるものの野々宮選手が12600を直撃させ、ゆきち選手にとっては3着順ダウンという手痛いビンタとなった。

3軒リーチ再び 和了牌は"四萬"(南3局)

まさかの卓内からビンタを浴びラス目へと転落してしまったゆきち選手が再び先制リーチを放つ。待ちはカン4mとなった。

同巡、刃金選手がまたも追い付き1-4m待ち聴牌。1mがリーチ者の現物ゆえにダマとした。
1巡の間を挟んで親の矢絣選手も聴牌。ゆきち選手の入り目、5pを叩きつけ4m・6m待ちで魂のリーチを放つ。
刃金選手はこれに反応しすぐさま追っかけリーチ。3人とも4mを待ちに含む手で捲り合いとなった。

矢絣選手の6mは既になく、1m2枚分待ちが多い刃金選手が有利なこの捲り合い。
しかし残り2枚の4mを見事引き込んだのは矢絣選手!リーチ・ツモ・タンヤオ・赤、渾身の4000オールは自身のトップを決めるものとなった。

この対局の牌譜はこちら!

(記・西向く侍)

試合結果

本節は全チームがスコア横ばいとなる珍しい結果となりました。首位をひた走るGENESISにとっては好都合、追いかける3チームにとっては痛い試合消化になりました。
ファイナルも残り3節、これから佳境を迎えるところで、本節がまさしく嵐の前の静けさとなりそうです。

おわりに

今回の記事は以上になります。読んでくださってありがとうございました。麻雀リーグFiveColors広報部では本観戦記シリーズの他、選手名鑑シリーズも刊行していきますのでよろしくお願いします。記事の感想やRT、いいね等頂けますと励みになりますので"#麻雀リーグFC"のハッシュタグを付けての投稿をよろしくお願いいたします!また、麻雀リーグFive Colorsは公式YouTubeチャンネルを開設しました。公式配信として対局の模様をお届けするほか、各試合の切り抜き動画の投稿、公式応援配信"熱闘!麻雀リーグFC"の配信等様々なコンテンツの配信を予定しておりますのでチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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