第1期麻雀リーグFC観戦記・セミファイナル第8節

こんにちは。麻雀リーグFC広報部です。ついに9/11(日)より対局がスタートした第1期麻雀リーグFC。第1期麻雀リーグFCは雀魂の強豪・プロ雀士・Vtuberで構成された12チームが頂点を争うレギュラーシーズン全30節60試合のチーム戦です。

本日は1/29(水)に行われたセミファイナル第8節から2試合をピックアップした観戦記をお届け致します。

対戦組み合わせと出場選手はこちら。

注目カード

・第1試合B卓

3位ぽんてん、4位GENESIS、5位ななない、7位優曇華の花のマッチアップ。もちろん全員がトップを取りたいものの、2着でも良しの上位陣とトップにこだわりたい下位陣で、どのように選択の差が出てくるか。

・第2試合A卓

るなすぺ・あかさた選手は久々の登板で元チームメイトだったエンデ選手と同卓。そのためかこの日、麻雀界で幸運を呼ぶ食材の一つと言われる”いくら”をふんだんに乗せたご飯を勝負メシとして食べてきたそうだ。
セミファイナルも天王山、巷では赤5pが来やすくなるなど良い噂を聞くいくらの効果は果たして。

本記事では第1試合B卓第2試合A卓をピックアップしていきます。

第1試合B卓

試合経過

東1局、北海選手が3900拒否の手順を交えて東南赤2の満貫和了。いきなりのハードパンチで優位に立つ。
東3局3本場、北海選手がドラ嵌5pで後付け一通の聴牌。えぞひぐま選手が5pを吸収する形で立直。これはもらったかと思った矢先、北海選手が5pをツモ。貴重な1000-2000の加点。
南2局1本場、むかたふ選手の清一ドラ3と矩継選手の先制立直が激突。むかたふ選手が宣言牌のドラ4mをポンした後、赤5sを掴み放銃。矩継選手が立直平和タンヤオ赤で8000の加点。
南3局2本場、北海選手が發のドラポンを仕掛けるも、矩継選手が一歩も引かず中盤で三面張立直。最後のツモ巡で和了を決め、2000-4000の加点。一気にトップ争いに参戦。
オーラス、トップで迎えた北海選手に辛い結末が訪れる。むかたふ選手と矩継選手が同巡で立直。北海選手は親の矩継選手の現物の9sしか切るものがなく、むかたふ選手に一発放銃。矩継選手が逆転トップ、2着にむかたふ選手、北海選手は3着となった。すぐ目の前まで来ていた50ptが手から零れて落ちてしまう結末となった。

勝負を分けたハイライト

私が歩けば正解(南1局=GENESIS・矩継凛選手)

一通の一向聴→3枚目の7sが見えてしまう

矩継選手、一通の一向聴と言うと聞こえがいいが肝心の7sが3枚切れ。2副露が2名おり、速度で勝っている気がしないので、当記事担当は7sから入ってくれないと聴牌しても前に出る気が起きない。

ツモ2m/まあこっちから入るよね

2mの方が先に来てしまった。もちろんその可能性の方が高かったので想定内ではあるがどうしたものか...

打1m立直/私は最強

立直。1枚あればいい。
レギュラーシーズンMVPを取る選手は違うな、と思わせられた。この状況でなお、和了れるイメージしかないのだと思う。
結末としては流局となったものの、多くのプレイヤーが無意識のうちに思考から除外しているだろう選択を見せてくれてとても面白かった。

背中の傷は雀士の恥(南3局1本場=ななない・えぞひぐま選手/ぽんてん・むかたふ選手)

ツモ6m打赤5p/いくらを叩きつける

ラス目のえぞひぐま選手、矩継選手の早すぎる立直に対して赤5pをプッシュ。ここで満貫を和了らずいつ和了るのかという気合が見える。

1sポン打2s/親満貫聴牌

むかたふ選手が1sポン打2sで対々發赤の満貫聴牌。水面下で三者によるバトルとなった。

美しい三者聴牌

結末は流局となった。
えぞひぐま選手とむかたふ選手の河を見てほしい。雀魂では牌譜閲覧モードの場合、ツモ切りされた牌が暗く表示される。えぞひぐま選手の赤5p、むかたふ選手の2s以降が、全て暗くなっている。
両者の目の前には、見えない立直棒が置かれていたのだ。
少しでも放銃を恐れていたらどうなっていただろうか?麻雀の教科書には、字牌の対子落としが安全だとよく書かれている。しかしこの局に限っては、両者が共に、静かに西を待ち構えていた。西の対子落としをした瞬間に、満貫を打つ結末が待っていた。
どうせ倒れるなら前のめりだ。背を向けて後ろから斬られてしまっては、チームメイトに顔向けが出来ない。

この対局の牌譜はこちら!

(記・まさき)

第2試合A卓

試合経過

東場であさひなひなた選手が東場親番で4本積んで抜け出すも、そうはさせまいとエンデ選手・安井勇樹プロも追い縋る。あかさた選手も和了を重ねるが高打点の放銃が続き箱を割ってマイナス1万点を超えるなどやや苦しい展開に。
東場で大きく稼いでその後凌いだあさひなひなた選手が嬉しいセミファイナルチーム初勝利を持ち帰った。2着には3和了全てを親番で決めたエンデ選手、3着には安井勇樹プロ、放銃牌をことごとく掴み高打点ツモでも削られ続けたあかさた選手が無念の4着となった。

勝負を分けたハイライト

朝日は昇り夜明けを告げる 日向に導くリーダーの背中
(南2局1本場=あさひなライジングサン・あさひなひなた選手、ANC PURPLE BATS・エンデ選手、Luna de Esperanza・あかさた選手)
 

セミファイナルここまで0トップ7ラスととにかく苦しいあさひなライジングサン。今節第1試合もPDGON選手が奮闘するもラス回避が精一杯と苦戦が続いている。残り5戦で最低でも4トップが必要なポイント状況と言っていいだろう。リーダー自ら希望の光となれるのか。 

この試合のハイライトは南2局1本場。あさひなひなた選手は少し抜けたトップ目で迎え、8巡目に首尾よく中を暗刻にしてドラ4pを叩き切り14m待ち先制リーチをかける。

ドラは出ていくが待ちはよく中アンコで打点は補えた。
ベストではないがベターな方の聴牌であろう。

しかし他家も黙っていない。まずは完全イーシャンテンだったエンデ選手が9巡目に3メンチャン待ちの258p待ちで追いついてリーチをかければ…

入り目はピンズの上と下が繋がる5p! 最高形と言える。

同巡にラス目のあかさた選手もタンピン赤赤高目三色の超勝負手58p待ち聴牌を入れる。当然のリーチである。

沈んでいるだけに絶対に和了りたいだろう。

この試合の結末はすぐについた。あかさた選手は次巡その手に”赤い牌”を掴んだ。それは”いくら”だけに自らの和了牌赤5p!

…ではなく他家への放銃牌であった。

「”観戦機能で”赤い牌(=放銃牌)を引き寄せる」いくらだったのだろうか。

このめくり合いに勝利したのはあさひなひなた選手。画像の瞬間に各者の待ちの残り枚数はリーチ順に4:6:4であり、また席順からあさひなひなた選手が58pを掴んだ場合エンデ選手の頭ハネとなる。それ故このめくり合いは枚数のエンデ選手と待ちが被っていないあさひなひなた選手に有利であった(記者の体感では和了率はリーチ順に35%:45%:20%)が、見事跳ね返して三の矢を放つ。
供託4本に裏も載せてこの試合をものにする7700点の和了を決めた。

この勝利でチームはようやくセミファイナル初トップを獲得。残り4戦4トップと行かないまでも3トップ+2着でお祈りできるポイント差といったところだろうか。条件は簡単ではないが、やり切ってこそ伝説だろう。

明けない夜はない。私たちの伝説はここからだ。
太陽とともにFCという山を登りきる。

平面打ちのその先へ 場況を生かした立体打ち(南2局2本場=MSP・安井勇樹プロ)

14枚から切る牌を選ぶ際の判断材料として、ほとんどの打ち手は特に序盤において自分の手牌情報を最重要視するだろう。孤立字牌を切る、孤立牌を切る、打点に関与する牌は残す、などである。しかし和了率を高い水準で保てている打ち手とそうでない打ち手との違いはどこにあるのだろうか。

記者は場の情報活用、すなわち場況がその一つではないかと考える。迷彩などで意図的に河を作ることはあれど、基本的に和了を目指すため不要牌をまっすぐ捨ててくる打ち方が一般的なのではないか。すなわち、捨て牌は嘘をつかないのだ。

言い換えれば他家の河には多彩な情報が詰まっている。例えばマンズやピンズを多く切っているのでソーズの混一色狙いだろう、チーして安全牌っぽい牌が出てきたので一向聴か聴牌だろう、などである。このように手役の方針やその速度がわかることもあるが、それを自分の手材料に活かす組み方ができるかどうかはまた一つ上の段階である。本日の安井プロはこうした立体情報を重視し、できるだけ受け取って活用していたように見えたのでぜひ紹介したい。

5巡目、以下の安井プロの手で何を切るだろうか。

記者は点数状況的に2000点も許容の発ポン効率最大化ルートを残して9pを切りそうであるが…

打牌候補としては7m, 赤5p, 7p, 9pあたりだろうか。
まず赤5pは打点的魅力が下がるためここで選ぶ人は多くないだろう(※5pが黒ければ逆に5pが記者のオススメである)。
次に打7mは瞬間6ブロックになり発ポンすると5p9pが浮いて一手遅れてしまう、8pが入るとどこを落とすか悩むことになる、次巡安全牌や強い浮き牌を持つスペースがないなどの点で劣るだろう。少なくとも記者はオススメしない。つい両面固定と言って選択してしまう人は要注意である。

ということでここでは7pか9pの2択に絞られるが、そこそこの打ち手が9pに手をかけるのではないだろうか。運が良ければ赤2使え、発ポンにも備えられる。
しかし場を見てほしい。上家・下家が9pを切っており自分の目から9pが全部見えている。これは彼らの8p所持率が有意に下がっていると統計的に知られている(89pや889pからいきなり打9pとはなかなかならないためである。8889pから打9pは例外としてありうるがレアケースだ。余談だがこういうのがいわゆる”山に8pがありそう”と読む根拠の一つだ)

つまり”8p待ちになったらかなり和了れそうだし、それまでにツモることも、発ポンしたあと上家からチーすることもしやすい”と言えるのだ。実際には上家・下家の8pアンコ持ちや情報なしの対面という不確実性もあるため過信は禁物であるが、平面を理解した上で打牌選択に味を付けるというのであれば、十分な根拠となるだろう。

立体情報を重視する本日の安井プロの選択は以上から打7p。8pツモも発ポンもどこも逃さない秀逸な一打と言えるだろう。一応瞬間の裏目も7p2枚だけであり、打7mと打9pの間をとったイメージだ。強いてデメリットを挙げるなら、発ポン後に対子が1つしか残らない点だろうか。

特に門前進行をするにあたりぜひ見習っていただきたい素晴らしい一打。

この後も6sが入って手が進むも、今度は発ポンを完全に見切りリーチ手に振る7m切り。相当8p待ちを高く評価している。発のポンテンは逃すが5mアンコのため発ポンもできなくはない、という評価だろう(実際にこの瞬間出た発をポンするかは好みによって分かれそうだ)。

リーチに振り切った打7m。ここは記者も同じ選択をしそう。

12巡目に狙い目の6pが入るも、聴牌打牌の9pがあさひなひなた選手の平和のみに御用。和了できなかったが、自分の手を基本とし立体情報を手組みや進行に組み込むこの牌譜は一見の価値ありと評する。

本項の他、これも安井プロだが親リーチに押した選手の黙聴をケアしてリーチの現物ではなく理屈で両方に通る牌を選べる(実際に親リーチの現物はその選手の当たり牌であった)など、”立体的に打っていた”と評することができるので、自分の手牌しか見えてない人には良い教材となる。是非一度下のリンクから牌譜を追ってみていただきたい。

69m先入りの場合赤5p切りリーチ(カン8p待ち)を考えていたとインタビューで振り返る。
山を開けて見れば8pは3枚残り(6pは残り1枚)。ピントはズバリ合っていたのだ。

この対局の牌譜はこちら!

(記・keitaさん)

試合結果

ボーダー上位は大きく明暗が分かれ、APBがポイントを伸ばした一方でるなすぺが痛い痛い連ラスを喰らった第8節。ぽんてん・GENESISはポイント移動が小さく1節消化に成功したが、同じポイント微増微減でもななない・MSPは痛い1節消化という解釈にならざるを得ない。優曇華の花は停滞を喫し、あさひなライジングサンはようやく初日の出を飾るもまだ複数トップが必要な状況。次節からセミファイナルも大詰め、ポイント状況によって各チームの作戦や采配、打ち方に影響が出てくるだろう。

おわりに

今回の記事は以上になります。読んでくださってありがとうございました。麻雀リーグFiveColors広報部では本観戦記シリーズの他、選手名鑑シリーズも刊行していきますのでよろしくお願いします。記事の感想やRT、いいね等頂けますと励みになりますので"#麻雀リーグFC"のハッシュタグを付けての投稿をよろしくお願いいたします!また、麻雀リーグFive Colorsは公式YouTubeチャンネルを開設しました。公式配信として対局の模様をお届けするほか、各試合の切り抜き動画の投稿、公式応援配信"熱闘!麻雀リーグFC"の配信等様々なコンテンツの配信を予定しておりますのでチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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