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今週の宇宙ニュース 11月20日〜11月26日

World Radiocommunication Conference (WRC-23)が開催

 11月20日、ドバイにおいて、World Radiocommunication Conference (WRC-23)が開催開始した。
 本会議は、電波の周波数利用と静止軌道衛星及び、非静止軌道衛星の利用に関する条約の見直しと修正を目的として開かれる。
200カ国近くが参加し、4週間に渡り開催される。
 宇宙空間における国際的な5G、Wi-Fi、そして新しいイノベーションのルールが大きな争点となりそうだ。特に周波数の割り当ては通信品質にも直結するため、将来の衛星インターネットビジネスにおける圧倒的優位性が決まる。どのようなルールになるのか、目が離せない。

https://spacenews.com/u-s-delegation-stokes-optimism-on-wireless-and-satellite-goals-at-wrc-23/

月面探査機のAstrolab社が1億6000万ドルの契約を発表

 月面探査機を開発するAstrolab社が、8社の顧客と計1億6000万ドルの契約を結んだことを発表した。2026年まで行われる月における最初のミッションに関する契約であり、このミッションのための月面探査機は2024年3月のスペースX社のファルコン9に積載される予定だ。
 契約に含まれるミッション1は月面に存在するレゴリスを少量の水で固め、レンガを作るミッションがある。作られたレンガは月面基地などの設備建築に用いることを目標としている。
 月開発が本格的に始まる。


欧州宇宙機関(ESA)のロケットAriane 6の燃焼試験に成功

11月23日、ESAのArian 6が、固定された状態での約7分間の燃焼試験に成功。
本ロケットの初打ち上げ前の試験は全てパスしたとESAは述べた。

北朝鮮の軍事偵察衛生の打ち上げ

11月21日、軍事偵察衛星「マルリギョン(万里鏡)1号」を搭載した新型ロケット「チョルリマ(千里馬)1型」の打ち上げに成功したと朝鮮中央通信を通じて発表した。
 その後、アメリカ軍の基地がある韓国の複数の地域などを衛星で撮影したとする写真を確認したと発表した。


中国CASCが衛星インターネット性能テストのための打ち上げを実施

 11月23日、The China Aerospace Science and Technology Corp., (CASC)が衛星利用インターネットの試験のための衛星を搭載したLong March 2Dロケットの発射の成功を発表した。ただし、ペイロードに関する詳細は発表されず、「衛星インターネット技術の試験のための衛星」とのみ発表された。
 本計画は13,000機に及ぶ人工衛星をLEO(Low Earth orbit = 低軌道)に配置するnational satellite internet megaconstellation projectのためのもので、スターリンクに対応した計画となる。

NASAが次世代火星ヘリコプターの研究を公開

NASAは、火星と地球、二つの世界で火星ヘリコプターの研究を行なっている。
 地球においては、次世代の火星ヘリコプターでの使用が期待される新型のローターの試験が行われている。このローターは従来より長いブレードを持ち、超音速近くのスピードで回転する。これにより、積載量のアップが期待される。
 一方火星においては、Ingenuityという名の火星ヘリコプターが、初の予定を大幅に超えた回数の試験を行なっている。5回程度しか行えないと想定されていたが、2年半で66回の飛行に成功している。結果として、予定の2倍の高度とスピードでの飛行に成功している。そして、よりソフトな着陸もできるようになった。
 火星移住に向けた開発が前進している。


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