初心者による初めてのPCキーボード探しの旅

プログラマー界隈でPCキーボードを新調するのが流行っていたので、自分もちょっと試してみようと思った。

1. Magic Keyboard

キーボードについては元々はMacの標準のMagic Keyboardをずっと使っていて、身体をそれに慣らしていた。打ちにくさは特に感じていなかった。
まずこのキーボードの良さについて話すと、とにかく高さが低いので、キーボードに手を乗せてスタンバイしている状態で手首を上に傾ける角度を極限まで低くできる。これによって、手にかかる負荷が抑えられる。
そもそもプログラミングってそこまで実はそんなに字をタイプしない(自分の場合)。基本的にはテンプレートを使ったり、エディター上で数文字打つと変換候補が出てきてそれを選ぶからだ。なので、タイプしまくる人というのは日本語を打っている人だと思う。ライターだったり物語を描いていたりする人。
なので、キーボード上に手を置いてる時間が長い自分とMagic Keyboardの相性はとても良かった。特に困っていなかった。
問題点は、タッチタイピングがやりづらいところ。キーが離れていて、しかもフラットなので指がどの位置にあるのかが感触で把握しづらいのだ(これは別のを買って試して気づいたことだけど)。自分はずっとタッチタイピングは80%くらいしかできてなくてちょこちょこキーボードを見ながら入力していたのだけど、ずっとこのキーボードを使っていたのも原因の一つだと思う。標準プロファイル(後述)のキーボードを買った後はすぐにタッチタイピングできるようになった。

2. NuPhy Air 60

次に試しに買ってみたのがこのキーボード。
キーボードには大きく4つの種類があって、そのうちのメカニカルキーボードというのがいわゆるこだわり勢が使うものであると聞きつけた。自分は色々迷っていたのだけどとりあえずメカニカルキーボードは試さないとだめだろうと思ったのでこれを買うことにした。
買うにあたって、自分は激薄のMagic Keyboardに慣れていたので、高さのあるキーボードを使うと手首がすぐに疲れちゃうと思っていたので低いものを探していた。
低いキーボートはロープロファイルというジャンルで存在することを知った(普通なやつは標準プロファイル)。そして、このNuPhy Air 60がメカニカル&ロープロファイルのキーボードの中でも良いという話を聞いたのでこれを買ってみた。
このキーボードはホットスワップというスイッチが入れ替えられる機能がある。最初は茶軸(Gateron Low-profile 2.0 Brown)を使ってみたのだけど、打ってみた感触としては自分には重いと感じた。赤軸・青軸も試してみた。

この時点でかなり色々買ってしまっている感があるが、キースイッチって実際に仕事で使ってみないと使い勝手がいいのかどうかわからないので買わざるを得ないと思う。まだ丸ごとキーボードを買い替えずに試せるのがいい所だと思う。
一番軽いスイッチ(NuPhy Aloe)も試してみると一番しっくりきた。かなり歯切れ良くタイプできる。

しかし、ロープロファイルは高さが低いのもあってキーストロークが短く、ちょっと押すとすぐに打鍵判定になるため、これで軽いスイッチを使ってしまうとかなりミスタイプを起こしてしまう感じがあった。ちょっとおっかなびっくり打たないといけないため神経を使うと感じたのでロープロファイルは自分にはフィットしないと感じた。高さが低いというのはとんでもないアドバンテージではあるけど。
さらにロープロファイルには弱点があり、キーキャップの形状のバリエーションがフラットなものしかないという点である(キーキャップというのは一つ一つのキーに被せてあるパーツで、互換性のあるキーボードであれば入れ替えが可能なのだ)。フラットなキーキャップは自分には打ちにくいということが分かった(これは他のものを使って気づいた)。
このキーボードを買って良かったと思った点は、ホットスワップのメカニカルキーボードを早めに試すことができたということ。これによって自分に合う押下圧がどれだけなのかがわかった。自分は軽ければ軽いほど良く、でも軽くてもミスタイプしづらいようにストロークは多少ある方が良いということがわかった。

3. NiZ Atom 68

次に買ったのがこのキーボード。
これはキーボードの種類の一つの静電容量無接点方式と言われるものの一つ。全種類試してみたかったので買ってみることにした。
有名なHHKBもこの方式なのでどっちを買うか迷ったのだけど、NuPhy Air 60で37gfの押下圧のスイッチが良いと感じていたので、押下圧が軽くて近い35gfのNiZを選んだ。(ちなみにNiZはオプションのバネが付属していて付けるとHHKBと同じ45gfにすることもできる)
実際に試してみると、まず軽くてとても打ちやすかった。このキーボードのデフォルトのキーキャップはcherryプロファイルで、このプロファイルは各行に段差がついているのだけど自分はこのノリが打ちやすいということに気づいた。キーがどこにあるかが探しやすい。
このキーボードを使って感じたのは、高さは前の2つよりも確実にあるのだけど、そこまで手首に疲れを感じなかった。cherryプロファイルがキーが低めなのが良かった。
そして静電容量無接点方式の最大の特徴である、底まで達さなくても打鍵判定されるというところ。それによってファジーな入力判定が可能になっている。これの効果で、何か考え事をしながらタイプしているときに、意識を切らさずにタイプすることができていると感じる。
例えば、これとは違ったしっかりと底打ちの感覚があるキーボードだと文字を打ち込んでいる感覚があり、文字が自分の中から外界にはっきりと出力された感じがあるのだけど、これはないので、自分の中の言葉がゆっくりと発現してそこに存在しているような感覚になる。なので、文字を打ち込むという意識レベルをかなり下げることができる。打鍵の際に指が何かに衝突している感じも薄いので、それも意識レベルを下げるのに一役買っている。
逆に打鍵時の歯切れやサウンドを求めている人はこれは適さないと思う。
音はよくスコスコと表現されるのだけど、速くタイプしている時はザクザクという感じだと思う(ザクザク鳴っているわけではないのだけど)。
また、このキーボードはキーキャップの互換性があるので色々な形状(プロファイル)のものを試すことができる。ほぼほぼ全種類試してみたら、cherryプロファイルとMDAプロファイルが良くて、結局MDAプロファイルにした。
どちらも高さが低くて、でも段差がついていてキーが探しやすくとても打ちやすい。
cherryとMDAの違いはcherryの方が角が尖っている点。この方がキーの探しやすさは大きいと思う。キーの角が手に当たるので。ただ、その分いろんなキーに触りやすいと思う。NiZは35gfという最軽の押下圧なのでちょっとミスタッチが起きやすいと感じた。
MDAはcherryに比べてミス押しが少ないと感じたのでこちらを採用した。でも押下圧が大きいスイッチを使うのであればcherryの方が打ちやすいかもしれない。あとMDAは中央が窪んでいるので、タイプするときにキーの中央で指を滞在させる感覚で打鍵が可能だった。これは前述の文字を打ち込む意識レベルを下げられるのにも一役買っていると思う。
下はcherryとMDAで良かったキーキャップ。


4. NuPhy Halo 65

NiZ Atom 68でかなり満足していたのだけど、標準プロファイルのメカニカルキーボードも体験しておきたいということで巷で高評価のこのキーボードを買ってみた。
標準プロファイルのメカニカルキーボードはとにかくキースイッチが無限にあるので色々入れ替えることができる。それでいろんなスイッチを買ってかなり試した。
NuPhy製のスイッチも結構高評価で、色々試してみた。

Night Breezeだったり、Baby Kangarooだったり、白軸だったりを試した。
試している最中に、指を意識的に使うのでピアノの技術に寄与すると感じた(ピアノの練習をしてなくても指がよく動くようになった)ので、なるべくピアノに近い打鍵感のものも作ってみたりした。
これもかなり色々な静音タクタイルの重いスイッチを試してみて、Durock T1 Shrimp/Silent Tactileが一番近かった。

でもこれはトレーニングにはなりそうだったけど、流石に重くて普段使いとしては厳しいと感じた。

まとめ

色々試して出た結論としては、3. NiZ Atom 68 (静電容量無接点方式) が一番使っていてしっくりくるというものだった。
4. NuPhy Halo 65 (メカニカルキーボード) の方が打鍵感を色々と変えたりできて楽しむ余地は多いのだけど、逆にいうとそれは打鍵自体が大きなイベントアクションとなっているとも言えると思っていて、自分としては打鍵時の無意識レベルが高ければ高いほど文章を書く体験としては満足度が高かった。
かなりの出費になってしまったのだけど、自分なりの結論が出たのが良かった。次のステップは自作キーボードなんだと思うのだけど、完全ワイヤレスの分割型キーボードは使ってみたいので機会があればトライしてみたいと思う。

NiZ Atom 68 + Akko Cream Keycap Set

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?