英傑大戦の面白さを破壊している琥煌とその可能性と未来

琥煌の登場バージョン稼働から20日ほど経過しましたね。自分はこのバージョンではプレイを控えていたんですが、そんな中バージョンアップのアナウンスを聞きました。内容を読んで驚いたので、このブログ記事を書くことにしました。
プレイされているみなさんも感じている通り(?)琥煌の登場でデッキの自由度が減り、大味なゲームになってしまいました。まあ登場時のバージョンでぶっ壊れているというのはまだいいんですが、今回の調整でも相変わらずの性能で、本当にこのゲームは終わってしまうんだなと感じてしまったのでこれを書いてみることにしました。

終盤フルコンデッキの存在自体の問題点

なぜ終盤型のデッキのパワーが強いとゲームの面白さが削がれてしまうのかはかなり昔に書きました。

この記事の内容をまとめると、終盤フルコンデッキが大戦シリーズの以下の魅力に真正面から対立しているという内容です。違うゲームの話なので所々違うとは思いますが、琥煌もほぼほぼ当てはまるので読んでみてください(英傑大戦はこれにさらに流派の選択が加わりますね)。

大戦シリーズの魅力

1. デッキ構築
2. 計略の選択
3. 計略のタイミング
4. 攻め・守りの判断
5. 宝具の選択
6. 宝具のタイミング

終盤フルコンデッキがゲーム全体に与える悪影響

上の記事では終盤型デッキ自体の純粋な問題点を書いていますが、悪影響はゲーム全体に及びます。結局終盤フルコンデッキに勝つためには中盤フルコンデッキを使うか、超強力な超絶強化で終盤フルコンに耐えられるデッキを使うしかないからです。
そうじゃないデッキでも絶対勝てないわけではないですが、落城できるレベルの押し込み力がないデッキの場合は攻めていっても流派を溜められて局面が不利になるので馬鹿馬鹿しいですし、結局面白くないのでそういうデッキ自体が消えていきます(強力な中盤フルコンである春日局のようなカードを用意したのは終盤フルコンへの明らかな対抗策で意図的なものとも思われます)。
そして、琥煌への対抗として用意された壊れ気味の中盤フルコン計略は琥煌以外のデッキに対しても強力なので、ずっと一部の壊れ気味の計略を搭載したデッキしか使われない偏った環境が続くこととなります。これは三国志大戦が証明しています(途中で止めてしまったのでもし今がそういうゲームじゃなかったらすみません)。
さらに、終盤フルコンと相性の悪い騎馬単をフォローするためにデッキパワーを底上げする郭嘉というこれまた壊れたカードが出されています。騎馬単自体がゲームを狭めている原因だったのでこの傾向にも拍車がかかっています(なんと驚くことに郭嘉は弱体がされなかったので、かなりのデッキパターンが騎馬単にさらに不利な存在になったと思われます。超絶騎馬を積んでいないバラとか中盤フルコンしない号令とか)。
これも琥煌がすべての歪みの原因ではあります。琥煌に対抗する計略を出すことでそれがさらなる歪みを生み出し、それに対抗するためにまた新しい歪んだ計略が登場し、となって最終的には特定の計略を持つカード以外は使われなくなるでしょう。
開発の方が掲げている「特定のデッキパターンに偏らず、より自由に様々な武将が活躍できる環境」とは真逆の状況が琥煌の登場一発で生み出されることになってしまいました。

琥煌の可能性

こう見ると百害あって一利なしな琥煌ですが、漢鳴・覚醒とは違う点があって、ゲームの面白さを破壊する要素に成り下がらずそこから脱却できる可能性があると考えます。
琥煌計略の特徴・デザインは実は「終盤に強い計略が打てる」というものではありません。そのような自由度を下げるものではないんです。
琥煌計略の真の特徴とは、「計略発動時にその強さを自分で決められる」という柔軟性です。実はこの特徴だけを見るとデッキの自由度を上げ、深い戦略を生み出せる要素なんです。
ではなぜ今のような状況が起きているのか。それは琥煌計略の威力とゲージ増加のバランスが合っていないからです。

琥煌計略と通常計略の性能比較

一番分かりやすいのが回復計略なのでそれで比較します。

援軍
約55%

琥煌の援軍
ゲージ0消費 約40%
ゲージ1消費 約50%
ゲージ2消費 約60%
ゲージ3消費 約70% (上限突破)

これをみると通常計略の性能は ゲージ1とゲージ2の間 となっているようです(神速とか麻痺矢とかの琥煌計略は効果時間・武力上昇値の点でもっと強い気がしますが、速度変化値が正確に分かりませんでした)。
自分はこの調整が適正でないと考えます。その根拠を順を追って説明します。

琥煌ゲージ0消費の場合

まず、この状態での琥煌計略が通常計略よりも弱くあるべきというのは疑う余地がないでしょう。でないと完全上位互換計略になってしまいます。特定のデッキ・特定のカードしか使われない状況とは言い換えると完全上位互換になっちゃっているということです。

琥煌ゲージ1消費の場合

この状態で、琥煌計略の強さがどれくらいであるべきかですが、これも琥煌ゲージが総計で1増えることとなるので通常計略+αの効果があると言えるので当然威力は弱くあるべきです。でないとこれも完全上位互換計略になってしまいます。ここまでは現状の調整も沿っていると言えます(琥煌の援軍の場合)。

琥煌ゲージ2消費の場合

そしてゲージ2消費ですが、現状の調整だとここで通常計略の性能を上回っています。皆さんはこれをどう思いますか?「2も消費しているんだから普通のより強くていいんじゃない?」と思いましたか?
これがこの問題を引き起こしている核心だと思います。あまりに今の琥煌計略の調整がバグり過ぎているために既に感覚がおかしくなっていますが、ゲージがトントンなのに通常よりも威力が強いんですよ?試合開始時にゲージが0本という前提条件は置いておいて、計略単体で見ると上位互換でしょう。
自分はさらに、ゲージがトントンだとしても通常計略よりも弱くあるべきと考えます。なぜなら、この計略は自分でゲージ使用量を決定できる柔軟性があるからです。何本消費するかという選択肢の中から2本という選択肢を選んだ結果の威力なわけで、そういう選択をできる時点ですでに通常計略よりも優位なわけです。なので威力自体は多少でも弱くないと釣り合いが取れません。よって、「琥煌の〇〇」シリーズは全て通常計略の上位互換と言えます。
この現象は三国志大戦の「岐略」で起きていた現象を思い出させます。あれは計略発動時に赤ボタンと青ボタンで計略効果を選択できるという仕組みでした。つまり一人の武将が2つ計略を持っているということです。状況に応じて使い分けられるので普通よりも柔軟性が高いわけで、その分計略効果は低くないとおかしいはずでした。しかし基本的に岐略計略は普通の計略と同等以上の強さを持っていて、しかも2つの計略が結構似ていてどっちかしか使われなくてしかもそれで普通にめっちゃ強いから岐略の意味なんなん?という感じでした。あれに近いです。
自分で威力を調整できるアドバンテージを持ちながら、通常計略よりも性能が高い琥煌計略。
通常計略を持つ武将の存在意義は何なんでしょう?

琥煌計略が下駄を履かされている問題

計略性能だけでみるとゲージを3本消費して初めて、通常計略よりも強い威力にならないとゲームの力学的におかしいということを言いました。なぜそうなっていないのかというとそれだと序盤に弱すぎて耐えられないから下駄を履かされているのです。
これこそがゲームを歪めている根本原因だと思います。ここが改善されない限り前述した歪みが発生し続け、特定のデッキパターン・カードしか使われないゲームとなるでしょう。

琥煌流派一択問題

琥煌流派も琥煌ゲージが増えるという付属効果に他の流派よりも強い効果が乗っかっていて本当に意味不明です。琥煌流派が使える場合はこれ一択になりますし、琥煌計略をほとんど打たなくてもこれが選ばれています(混色ワラなど)。つまりこれもほぼほぼ他の流派の上位互換となっています。
流派は英傑大戦の魅力の一つで、相手によって変えたりできる柔軟性や、それぞれの流派に良し悪しがあってどれを選んでも魅力がありましたがそういった要素も琥煌流派じゃないほうが不利・琥煌流派側は序盤に殴られても割と平気みたいな残念な要素になってしまいました。

改善案

改善案は非常にシンプルです。計略性能で下駄を履かせないと成立しないという部分を変更すれば良いのです。つまり、琥煌ゲージを計略発動後に増やすのではなく計略発動前に増やせばいいのです。
もし序盤の盤面状況が良くて琥煌ゲージを消費しなくても対処できそうなら使わなければいいし、盤面状況があまり良くないのであればゲージ2を消費して普通のデッキっぽく運用すればいいのです。極論、全ての計略発動時にゲージ2を消費し続ければ普通のデッキっぽい運用が可能になるわけです。そして柔軟性を持っている分、その場合は普通よりは多少性能は低くすべきと思います。ゲージを貯められる最大量が減ってしまいそうですが、これは今の6から8にすれば問題ありません。
こうすれば計略性能に下駄を履かせずに済み、完全上位互換なカードではなくなり公式の目指す「特定のデッキパターンに偏らず、より自由に様々な武将が活躍できる環境」が実現できるのではないでしょうか。
こうした場合、琥煌計略の性能が全て弱体されるので位置付けとしては「柔軟性が高くてマイルド思考だけど中盤型にも終盤型にもできる」みたいな感じになります。すなわち今みたいな終盤フルコン固定指向のデッキパターンではなくなるわけですが、終盤フルコン指向自体がこのゲームの面白さとバッティングしているのでそこを簡単に目指せること自体をやめたほうが良いと思っています。デッキの難易度は上がってしまうかもしれませんが。
そもそも、せっかく計略の強さを自分で選べるのに、「準備計略で0消費」・「本番計略でMAX消費」のパターンしかほとんど見ません。下駄を履いている分0消費の威力が強すぎるからこのような限定的な使い方をされてしまっているのではないでしょうか。

まとめ

いろいろ批判っぽい感じで書いてしまいましたが、結局はこのゲームで面白く遊びたいだけなんですよね。
面白さはもちろん人それぞれだとは思います。自分はこのゲームの「自由」なところが面白いと思っているのでそうじゃなくなると面白くないと感じます。
今の環境が面白いと思っている人もいるかもしれませんし、開発の方が目指している方向なのかもしれません。
しかし、もしこの路線がずっと続くとなったら自分は止めちゃうと思います。
まあ琥煌追加から早めにバージョンアップもありましたし、開発の方も色々と試行錯誤していると思いますのでしばらくは様子を見つつ遊ぼうかなと思います。

開発ありがとうございます。
ゲームセンターが大変なご時世ですが、今この楽しいゲームで遊べていることに感謝しています。


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