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会津本郷焼と他産地の違い ~民報サロン4回目~

今回は「民報サロン」4回目です。

~以下民報サロン記事~

会津本郷焼組合に誘っていただき事務局で勤務するようになりましたが、前職で会津美里町をPRする「会津美里町復興PRキャラバン隊」だったこともあり、会津本郷焼について少しは知っていたものの、学生時代のバレー三昧の生活と、その後の飲食店での勤務の中では余り交わることのない伝統工芸品の世界であったので、業務を通じ知っていくことで「こんな世界もあるんだ」という驚きとともに、伝統工芸の世界にへの関心が高まって来ていました。

これから会津本郷焼を発展させていくためには、会津本郷焼のことももちろんですが、他焼物産地の事や伝統工芸品の世界というものを知っていかなくてはならないと思い、今まで数回の他産地視察を行わせていただきました。

伝統工芸品や伝統工芸の世界というものは、今までの生活の中であまり関わることが無い世界であり、伝統工芸品の世界の入口が会津本郷焼だった私は、「伝統工芸品産地」という世界観は会津本郷焼産地のような「数少ない事業所(窯元)」が割とコンパクトな「狭い地域に分布」しており、製造については「手工業製品」が中心というイメージを勝手に持っていましたが、実際に産地に行ってみると、それぞれの産地で全く違う世界が広がっていました。

日本最大の陶磁器産地である愛知県の瀬戸焼では、組合に所属している事業所が269社ほどあり、会津本郷焼の13に比べると約20倍です。またその他に組合に所属していない事業所もあるそうで、産地全体の事業所数は300社を超えるほどです。瀬戸焼の窯元が分布する地域についても会津本郷焼とは比べられないくらい広い地域で作られています。製造に関しても、会津本郷焼では焼物を作る「土づくり」「形づくり」「絵を付ける」などの行程を1行程1行程すべて自分の窯元で賄っていますが、瀬戸焼や有田焼などの大きい産地では前に挙げたようなそれぞれの行程を専門に行っている事業者がおり、分業制が中心となっているそうです。
この数回の他産地視察を通じて、会津本郷焼の産地にとどまっているだけでは分からなかった、伝統工芸品の世界の事を知ることが出来たと同時に、今まで持っていた「伝統工芸品産地」の世界観は見事にぶち壊されました。

日本国内の焼物産地は、国の指定を受けている産地だけでも32産地あり、その中でも会津本郷焼は小さい産地に分類されます。そんな会津本郷焼という小さな産地を発展させていくためには、会津本郷焼を全国の方に知っていただき、会津本郷焼のファンになっていだかなければなりません。

30を超える産地は、産地視察で訪れた大きい産地や、小さい産地様々ですが、そんな様々ある産地の中に埋もれてしまっては会津本郷焼のファンを獲得していく事は出来ません。そういった他産地に埋もれてしまわないためにも、「会津本郷焼の特徴」、「他産地との違い」、「会津本郷焼がもつ地域性」など「会津本郷焼の独自性」を私たちのような会津本郷焼に関わっている人間がそれを認識し、内外へ継続的に発信していかなければならないと考えています。

~5回目に続く~

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