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詩) 蜜色の風

風ふいて君
風ふいて漣
風ふいて川面を撫ぜる
蜜柑色で川面をなぞる

弱々しい羽虫、風に運ばれ
六角に入り込んだのは偶然。
六角を抜けるとそこは必然
蜂蜜満ちる水の都だった。

水路をとっぷり
満たすのは蜂蜜。
私たちの羽音が哀しい。
照り返す夕日は金色。

いるはずもない水夫
彼が立てるは櫂の音
耳に満ちるは恋心
いつかこの日に帰ろう
── 風に吹かれて。

風ふいて君
風ふいて漣
風ふいて川面を撫ぜる
蜂蜜色で川面をなぞる

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