メタファー:リファンタジオを試遊してきた【2024/6/8】

 おはようございます。

 今回は記事のタイトル通り、2024年6月8日のアトラスフェスにて『メタファー:リファンタジオ』最速試遊会に参加してきたのでプレイ感や考えたことを書き留めておこうと思います。公式動画等の新規情報と重複する部分も多々あるでしょうがご容赦ください。


はじめに

 記事の前提として、今回プレイできた試遊バージョンは、序盤シナリオ体験、序盤ダンジョン探索、ボスチャレンジの3モードから1つを選ぶ形式となっていました。筆者はダンジョン探索モードを遊んできたので、この記事もシナリオや世界観よりはゲームシステムに重きを置いています。
 また、制作スタッフなどを鑑みても、メタファーというゲームはこれまでのペルソナシリーズ、特にペルソナ5 ザ・ロイヤル(以下P5R)を踏まえた部分が非常に多いので、この記事もそれを念頭において書いています。ネタバレには配慮しますが、P5Rを未プレイの方には伝わりにくい表現があるかもしれません。
 当たり前ですがスクショはないです。画像は公式サイト等を見ながら各自で脳内補完してください。


音楽のクセがつええ

 いやクセがつええ。15分くらいプレイしましたが、一番印象に残ったのはここかもしれない。公式サンプルもあるので(https://www.youtube.com/watch?v=NQugntv5m5A)、一回ちゃんと聞いてみてください。「宗教音楽を独自解釈した」と銘打たれているだけあって、ファンタジー系というだけではないメタファーならではのBGMとなっています。
 これは試遊してビックリしたんですが、上のサンプルで最初に流れる勇ましく荘厳な男声の曲、あれ通常戦闘BGMなんですよ。相手が野犬だろうが兵卒だろうがラスボス戦並みの迫真さ。戦闘のたびに謎の高揚感に包まれます。
 中世ヨーロッパベースに魔法や機械を投入した独特の背景美術の中で、表情豊かでかわいらしいキャラモデルが動きまわり、常に迫力あるBGMが誇りと使命感を湧きあがらせてくる。この時点でプレイしている時の感覚が相当に独特で、「こ、これがメタファーの世界か…!」という謎の感想が出ます。たぶん小一時間やらないと慣れないです。ただ、慣れてくるとアレじゃなきゃ満足できない、みたいなことにもなりそう。


ファスト&スクワッド

 フィールドでのアクションバトルとおなじみのコマンドバトルが合体したシステム。アクション部分が「ファスト」でコマンドバトルに入るのが「スクワッド」と名前がついていますが、それほど複雑ではありません。ペルソナの、背面からシャドウに攻撃すれば先制ができるシステムの発展形です。
 フィールドで敵を見つけたらファスト(□ボタン)で剣を振るい、気絶ゲージを満たして気絶状態にできればスクワッド(△ボタン)で有利なコマンドバトルを始められます。気絶状態にしなくてもスクワッドはできますが、気絶させれば敵全体にダメージ+1ターン行動不能を与えて非常に有利になるので、基本、この手順で戦闘するゲームなのだと思います。

 アクションゲームを作ってきたメーカーではないのでファスト部分の操作性などが気になるところでしたが、これが非常に良好…良好?というかシンプル。近くにいる敵をロックオンして攻撃という流れなのですが、敵をロックオンした状態でファストを押すとどれだけ離れていても一瞬で間を詰めてぶった斬ります。つまりロックオンの射程=ファストの射程で、ロックオンはP5Rのワイヤー攻撃と同等以上の距離感でできるのでかなりお手軽。しかも一撃当たれば敵がひるんでそのまま攻撃を続けられるので、ロックオンできればほぼ勝ちです。
 また、レベルが格下の敵はスクワッドせずともファストだけで倒せるのですが、ファストで敵を倒すとその瞬間に近くにいる残敵にロックオンが移ります。画面外にいたり真後ろにいるような敵でも確実にロックするので、格下は何体いようが最初の一体をロックしてあとはファストを連打すればOK。あれよあれよという間にスタイリッシュな剣技で殲滅できます。

 こう書くとシンプルすぎてつまらなそうに見えるかもしれませんが、そこをビジュアルとサウンドで満足させてくるのが偉いところです。斬撃のテンポ感や敵のやられっぷりが心地よく、シンボルエンカウントのRPGではまず出せなかった量の敵をバッサバッサと切り捨てていく爽快感があります。そんな敵の群れの中にときどきスクワッドしなければ倒せないものが混ざっていて、これを連打で気絶させてすかさずスクワッドボタンを叩く瞬間がまた気持ち良い。しっかり「カッコよく戦ってる感」に浸れる内容だと感じました。

 ひとつ気になったのは、レベル適正の問題です。挑んでいる場所に対してプレイヤーのレベルが適切であれば、上述の通りほどほどにファストで薙ぎ払い、たまにスクワッドでコマンドバトル、という戦闘ができます。しかし、たとえばプレイヤーレベルが低くて雑兵をファストで倒せないような状況だと、個別にスクワッドなんて到底やってられない数の敵がいるので攻略困難になりそうな気がしました。逆に全部ファストで倒せても味気ないし。ある程度自由に国中を行き来して冒険できるっぽいので、普通にプレイしていても想定レベルと実情のズレは起こると思うんですよね。当然なにかしらの解決が図られているはずですが、今回の試遊では読み取れなかったのでここをどうしているのかは製品版に期待します。


アーキタイプ

 本作を象徴する最重要編成システム。説明が難しいですが、いわゆるRPGの職業であり、ペルソナ付け替えであり、戦闘のすべてに影響する装備品といったところ。この「RPGの職業って概念としてユングのアーキタイプ論に近いよね」っていうのはすごく面白い発見で色々考えたいんですが長くなるのでそれはまたの機会に…。
 アトラスフェスで立像が展示された「シーカー」を筆頭にさまざまな英雄の特質"アーキタイプ"を各キャラが持っており、それを付け替えることで力魔耐速運のステータスや属性耐性、使えるスキルが変化します。ペルソナシリーズにおいて、戦闘メンバー全員がワイルドの力を持ってて各々がペルソナを使い分けられる、というのが一番近いかな。流石に戦闘中に切り替えることはできなさそうでしたが。
 キャラに固有のステータスがそれぞれあり、そこにアーキタイプごとの特性が乗っかってくる形なので、編成の幅はめっちゃくちゃ広いです。魔法で攻撃するのが得意、とか攻撃を引き付けるのが得意、といったキャラの役割がアーキタイプで決まってくるので、好きなキャラに好きな役割を持たせることができます。ペルソナシリーズでたまに発生する「このメンバーが好きだからこれで進みたいけど絶対回復たりねえ…」みたいな現象を解決したシステムだと思います。ただし、スキル習得などに関する"ランク"は各キャラの各アーキタイプごとに別個で管理されているので、あれもこれもこなせるように…とはいかないようです。個人的には、同じアーキタイプでもキャラごとにパーツの色が違ったりしてデザインが微妙に変わるのがなんか嬉しい。

 試遊版では万能型探求者の「シーカー」、物理攻撃が得意な戦士の「ファイター」、味方を守れる騎士の「ナイト」、魔法が強力な魔術師の「マジシャン」くらいしか扱えませんでしたが、公式動画によると探求者や戦士といった系統が14、シーカーやファイターといった個別のアーキタイプとしては40種以上あるらしいです。それと装備するキャラの掛け算だから…選択肢多すぎるって!


ジンテーゼ

 今作の必殺技。各アーキタイプが使える事実上の合体技です。アクションするのは一人ですけどね。味方が協力するためか、行動回数(プレスターン
)を2以上消費しますがその分強力な一撃だったり全体攻撃だったりを軽いMPコストで放つことができます。
 で、このジンテーゼのやばい所は行動回数消費なんかではなくて、協力する味方に特定のアーキタイプ系統を要求するところです。ここが合体技と称した所以。たとえば、シーカーの「ライドオンブレード」は味方に戦士、騎士、魔術師、施療師のいずれか1人がいないと使えない、みたいな感じなんです。なので、先ほどアーキタイプによって同じキャラでもこなせる役割が変わることを説明しましたが、ここにジンテーゼの存在を踏まえると「全体の編成次第で各アーキタイプがこなせる役割すら変わりうる」のが正確なメタファーのアーキタイプシステムです。ヒーラーが全体回復を使えるかどうかが編成に依存するって相当こわない?

 試遊版で見られるジンテーゼは上記のような「複数の系統のうちいずれかがいればOK」という条件ばかりだったので、どう組んでもいくつかは使えていくつかは使えない、くらいのバランスになってるのかなと思いますが、この動画の10:40くらいで使ってる断岩無双裂空斬は戦士3人必須っぽいですね。こういうピーキーなものや、完全にパーティを決めてしまうようなジンテーゼもしっかり用意しているということでしょう。選択肢多すぎるって!


以上雑感

 という感じの試遊体験でした。P5Rなどで実績がある部分はきちんと踏襲しつつ、過去作ではコンセプトや設定との兼ね合いで弱くならざるをえなかった部分に新規のシステムやデザインでがっつり挑んできていると感じましたね。今回は見られなかったシナリオや戦闘以外のパートも相当に作りこんでいる雰囲気が各種情報から漂っていて、10月の発売が楽しみです。



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