泡潤アーモンド

爆売れホホバオイル

(文責:堀内)

 もくせい舎の「釜炊きオリーブ石けん」はオリーブ油100%のピュアな石けんですが、キャリアオイルを加えた仕様もあります。現在までのところ、ミネラル豊富なスイートアーモンドと万能化粧油のアルガンと2つがありますが、暖冬とはいえ乾燥気味で寒くなっている昨今では、保湿性を高めた石けんをご用意しても良いのではと思いました。

 当舎の材料選びは「手に取って確認する」ことが基本です。ネット販売が普及した昨今では現物を確認せずに購入することもありますが、当舎の場合は地元での入手にこだわり、通販は検討し尽くした上での注文になります。

 アルガンもスイートアーモンドも良い油ですが、どちらかといえばアッサリとした油です。ひまし油は若干の刺激と匂いがあり、求められているものがバリア機能であるとすると、蜜ろう、ココアバター及びシアバター、ラノリンが挙げられますが、販売した様子ではシアバター以外はどうも受けが良くない。蜂蜜も使えますが、当舎最高性能の石けんに対してはチープ感が否めず、香りも強い。無香で扱いやすく、劣化しにくい油で保湿性も高いとなるとホホバオイル一択になります。

ホホバオイル

 そう思い、草津イオンモールの無印良品に出向いたのですが、どうも乾燥肌対策を考えていたのは私だけではなかったようです。いや、ワイドショーで宣伝でもしたのか、売り場を見るとホホバの棚は空っぽ、ホホバを含む高級美容液すら棚から消えており、それだけなら「次に来れば良いや」ですが、鬼気迫るものがあったのは、試供品として提供されていたホホバオイルのプラ瓶のキャップが引きちぎられており、ノズルが露出していたこと。何をそんなに思い詰めたのか。冬場対策商品は秋までに用意しよう。

 この仕事をしていると、肌トラブルに悩む方の悩みは深刻で、相談に来る方はかなり思い詰めて真剣に考えている様子が伺えます。ホホバオイルは付けるだけで保湿効果が得られる不思議な油で、本には脂肪酸とアルコールが結合したエステルと書いてありますが、エイコセン酸を主成分とする「液体ロウ」の性質の方が重要です。用途は化粧成分等を溶解する油剤、あるいは皮膚をコーティングする閉塞剤がありますが、無印さんのオイルの仕様を読むと。

「ホホバの種子から搾ったオイルを化粧用に精製しました。肌なじみが良くさらっとした使用感(良品企画)。」

 とあり、信用して良いだろうと。というのは、良く似た性質の油に、からし油から合成するエルカ酸エステルがあり、「合成ホホバ油」としてアメリカやメーカー向けに販売されていますが、毒性があり、心疾患リスクが報告されています。ですが妖気すら漂っていた売り場の様子では、通販の毒ホホバも良く売れているでしょうね。

泡潤アーモンド

熟成ツイン10

 石けんを評価する肌の種類は脂性肌、乾燥肌、普通(混合)肌があります。ホホバオイルは脂性肌の人にはやや刺激が強く、乾燥肌の人にはマイルドという奇妙な特性があります。当舎には乾燥肌の者がいないので、つい採用が後回しになりましたが、販売記録を見ると対面販売で乾燥傾向の方に嗜好があったことが分かります。販売中の石けんでホホバオイルを用いたものは「泡潤アーモンド」と「もくせいXシリーズ」のハニーを除く全品があります。


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