絵はリズムだ

60年間にわたり『絵はリズムだ』という概念を考え続けている。

最近どうやら考えがまとまりつつある。一般にはいろいろな考え方があり『一定のテンポをキープし流れを崩さないように描く』当時小学校6年生、12歳であった私は、大岡昇平が言ったという『絵はリズムだ』という言葉に囚われてしまった。初めて聞く言葉に頭の中が混乱して絵とリズムの関連性にどうにも思い至らなかった。

小学生だった私には、絵と音楽の両方を同時に考えることは大変だったので、叔父にもらったギターを弾きながらリズムとは何かを考えることから始めた。ギターを弾くことで音楽を演奏することはできるが絵は表現できないことに気がついた。50歳でトロンボーンを始めたという大岡昇平はどのような気持ちでこんなことを言ったのだろう。リズムは音楽用語であるので絵とは関連性は薄いと思えるのだが。

義務教育が終わる頃には私は絵をあまり描かなくなったので、リズムについては音楽を通して考えるようになった。人前で弾くこともあり「上手いけど、時々リズムがおかしいね。」との評を受けたこともある。

37歳になった頃、地元にJAZZバンドがあることを知った。JAZZはリズムを大事にすると聞いているから。偶然トロンボーンのメンバーが不足しているとのことだったので欠員補充の形で入れてもらえた。大岡昇平もトロンボーンを50歳から始めたとのこと、親しみを感じた。


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