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読書百遍義自ずから見る

どくしょひゃっぺんぎおのずからあらわる

読書について考えることがある。
私は身近に散らばっている本を適当に手に取ってみる。
常に10冊程併読しているのでどれでも良いのだが、手にした本に目を通す。

先日読んでいたところまでは理解しているつもりでいたので、栞を挟んである箇所から先に進もうとした。

手違いで栞を落としてしまい、どこまで読んだのかわからなくなったので十数ページ遡って見ることにした。

早読みをしていたのだが内容については理解していると思っていた。

読み進めると、以前読んだページなのに理解の感覚が違う。新しい視点で理解できるのだ。

これは面白いことに気がついた。

以前は、読みこぼしがないように、作家ごとにまとめて。開高健なら店頭にある著書を全て約50冊ほど、池田晶子の場合は20冊ほど購入した。

これ等を読み飛ばして、すっかり理解していたつもりでいた。

これが全くの勘違いで、再度手に取って見ると新しい視点が見えてくる。つまり一度の読書では『自分の知識経験の範囲内でしか理解できない。』ということに気付いてしまった。

いやこれは大変な失敗をしたと反省しながら、書棚を整理し直しもう一度読み直す決心をした。

歴史書など、著者が書きたくても書けなかった事実が言葉遣いから理解できる。

自分の理解力を超えたことは理解できないことを自覚した。

人生の楽しみができたが、これから30年ほどは退屈しないと思う。

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