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姥捨

現代社会の深刻な問題の筆頭は高齢化問題だ。

さらに加えて少子化も進んでいる。

医療技術の進歩で、人間はなかなか死ななくなった。病院のベッドで心臓だけが動いている沢山の老人が、チューブに繋がれて植物状態で生かされている現状を見たことがある。

高齢者の医療費が高騰するのも理解できる。

50歳定年、60歳代で死ぬ、70歳は古来稀なりとした寿命設計で組み立てた年金は破綻しているのだろう。

社会の高齢者に対する、負担能力の限界に到達した感がある。

1983年に深沢七郎の原作で映画化された『楢山節考』を思い出した。姥捨山の伝説を小説化したものだ。

食糧不足に陥った田舎で、食い扶持を減らすために、年寄りを山に捨てたという言い伝えだ。

昔、学校の授業で、教授が冗談交じりに、「年寄りの人口を減らさないと社会が破綻してしまう。年寄りを殺すわけにいかないのでインフルエンザの強力型をこしらえて、ウィルスをばらまくと自然に選別的に年寄りの人口が減る。」などと物騒なことを言っていたが、現状を見ると、『楢山節考』を思い出す。

ワクチンを年寄りから順に接種するとのことだが、本当にワクチンが有効で人類のためになるのなら、将来のある若者から接種するのが本筋だと考える。社会の負担になっている老人など後回しで良いのだ。




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