見出し画像

P.M.A.

A.M. とその家族とバギオに行くことになった。マニラから7時間、田舎だから道路事情も悪い。舗装も簡易舗装並みでデコボコしている。途中タルラクを経由したが街道でカニを売っている。足に毛がはえてる種類だから、あれは日本にもあるモクズ蟹の類で、茹でるか蒸すかするととても美味しいはずだ。旅行の途中なので買うのを諦めた。バギオに到着すると避暑地というだけあって涼しい。イチゴが名産だということで美味しかったが、ゴルフ場のマーケットで買ったバナナケーキはいまでもその味を覚えている。初日はホテルに泊まりナイトマーケットを見て回った。N.M. が P.M.A.ドクターと友達だということで、日本では防衛大学に当たる P.M.A.を訪問した。学長が出てきて色々校内施設を案内してくれた。グランドでは軍事訓練が行われている。教室では軍事に関する授業が行われている。2日目は急遽、P.M.A. の宿舎に泊まることになった。私には個室をあてがってくれた。涼しい地区なので風呂で温まりたかったが冷水シャワーの設備しかなかった。学生たちは歓迎してくれて私の部屋に温水器を届けてくれた。その温水ヒーターはバスタブ投入式だったが6個全て故障、学生たちは気の毒がってくれたが、仕方ない「冷たいシャワーも捨てたもんじゃない」とやせ我慢だった。帰りは暗くなってて蟹売りがいなかった。

後日ドクターと食事に行くことになった。彼専用のジープで、前部には運転手と助手が乗り後部座席に私とドクター、車両後ろのステップに護衛が乗っている。彼が持っているのはライフルではなく軽機関銃。よく見ると安全装置が外してある。「なぜ安全装置が外してあるのか」ドクターに聞いたら、彼曰く「私が反政府軍のお尋ね者で賞金がかかているから、生きていても死んでいても $4,000 貰えるらしい」と笑いながら言った。私も笑ったが、顔が引きつっているのを感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?