見出し画像

腎臓結石

ある夜、下腹部の異様な緊張感の後、突然激痛が襲ってきた。今まで経験したことがない痛さだ。日頃、友人から聞いていたので、「これは腎臓結石か尿管結石だろうな」と考えようとしたが、とても痛くて思考が続かない。激痛の波状攻撃が来た。脂汗が額ににじむ。とても我慢できるレベルではないので夜間診療病院まで送り届けてもらった。

夜間なので、誰も患者がいなくてすぐ受付をしてもらえた。問診票を書いて受付に提出したところ、少し待合室で待つように指示された。

待合室に向かう途中、救急車が滑り込んできて急に賑やかになった。救急車から患者が運ばれ、病室に向かった。警察はくる、事故の加害者はくる。待合室は大騒ぎになった。緊急の手術をするらしく、医師、看護師、レントゲン技師、スタッフが呼び出され病室に向かった。

待合室で痛さで、のたうちまわっている私は放置状態だ。周期的に痛みが引く時がある。痛さが半減したときに、通りかかった看護師に「私はどうなるの?」と聞いたところ「交通事故で、怪我をした患者の手術をしています。少しお待ちください」と言われた。

そのまま放置されて、痛さで話すこともできない私は気が遠くなりそうだった。3時間ほど経ったところで、ようやく手術の終わった医師が戻ってきた。問診票を眺めて「これにお小水を」と紙コップをくれた。検尿窓口に提出したらすぐ呼び出され、「尿管結石ですね」との診断で、痛み止めと結石の溶融剤を処方された。診療時間は数分間。

あとで看護師が教えてくれた。「救急患者が最優先ですから、このような時は遠慮せずに救急車を使ってください

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?