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生き物の死

誰にも避けて通れぬ道がある。
みんな確実に死を迎えるということだ。厳粛な気持ちで読んでいる。

誰か名前を忘れたが、昔の哲学者が「死を見つめることが生きることだ」と言って
いたような気がする。

今回は「生き物の死にざま」を手に入れた。セミ、ハサミムシ、サケ等 29 種類の生物の生き様を詳しく述べている。

今回はサケに注目してみた。
サケは川で生まれ海を回遊してまた川に戻り一生を終わる。

川で生まれたサケの稚魚は川を下り、やがて外洋で旅を続ける。日本の川で生まれたサケは、オホーツクからベーリング海へ進み、そこからさらにアラスカ湾を旅する。
生き物の死にざま 稲垣栄洋

地球半周ほどの距離を4年ほどかけて元の川へ戻ってくると言われているが詳しいことはわからないらしい。

外洋には外敵がたくさんいて、卵を食べられてしまうので、外敵の少ない川へ戻って散乱するようだ。

「食べられてしまう」と言う語感から、不謹慎ながら食欲に向かってしまった。

我々もサケは好んで食べている。
サケは川に入ると体質が変わり、全く味が悪くなってしまう。川にはサケの餌がないので仕方がないのだ。卵を産むために食事をせずに上流に向かって泳ぎ続ける。体力は消耗し続ける。

塩分のある海から真水の川に入るのだ、うなぎとか特殊な魚を除いて真水には耐えられないはずだ。
例えが適切ではないが、タクアンを真水に入れてしまうようなものか。

サケはやはり海のものでないと美味しくない。秋鮭は美味しいが、5〜7月に取れるトキシラズはさらに脂が乗って美味い。

網で取るよりも釣りのものが最高なのは言うまでもない。
魚屋のトロ箱の脇に 沖 釣 特 特 特と表示されているものがあったら迷わずに買ってみると良い。

川のものも時々出回っているが 丘 と表記されている。

卵を産んだサケは死んでしまうわけだが、死体は腐敗してプランクトンを発生させて稚魚の餌になる仕組みらしい。

あまりこの死魚が増えると不衛生になり、環境にも悪影響が出るので、ある食品メーカーが回収し、サケ茶漬けなどに加工されているのは有名な話だ。

横道に逸れてしまったが、この本「生き物の死にざま」は命の何たるかを感じさせてくれる素晴らしい本だ。

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