【連載小説】ある青年の手記 第Ⅲ章 (3)今更の"economic animal"
まず、彼を殺した「ブラック企業」について考えてみる。「ブラック企業」。辞書で引いてみると、「労働条件や就業環境が劣悪で、従業員に過重な負担を強いる企業や法人。長時間労働や過剰なノルマの常体化、セクハラやパワハラの放置、法令に抵触する営利行為の強要といった反社会的な実態がある。ブラック会社。」(デジタル大辞泉)とある。何を基準としてそれを「劣悪」とするのだろう。「労働基準法」だろうか。僕という人間は日本とっては異邦人といっても過言ではなく、日本の社会については全くの無知なので