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スピードトリプル1200RR 冬季の慣らし運転

グリーゾから1200RRに乗り替えて約4ヶ月。尖った性能のバイクは久々ということもあり、戸惑いつつ乗っています。オドは1900で、ナラシが完了したところです。

個人的な好みではスタイリングは最高。エンジンの感触も良いのですが、今のところ、ほとんどの局面で乗りにくさを感じています。ナラシが進めば多少あたりがついて乗りやすくなるかと思いましたが、そうでもありません。「乗り易い」と評するインプレは私の腕不足を考慮しても、恵まれた条件下での話と思わざるをえません。

私はこのバイクの設計で想定されているライダーより小柄だと思いますので、電子サス設定をコンフォートの標準からさらに緩めたり、フロントのプリロードを緩めたりしていましたが、どうもしっくりきません。

しっくりこない


逆に、締める方向の「スポーツ」モードにしたところ、(起きていることを考えれば当たり前ですが)車体が一回り縮んだような感触になり、スポーツ走行を心がける前提なら操作しやすくなりました。より性格が穏やかな「ロード」「レイン」のコンフォートセッティングは楽ですが、バイクとの一体感は減退し、積極的な運転には向きません。

走る場所や時間によって気温が乱高下する季節で、路面の状態はウェットあり、融雪剤ありでバイクが伝えてくるインフォメーションは目まぐるしく変化します。暖かくなってきたとはいえ、春先の山道ではドライ路面が貴重である一方、頻繁に現れるフルウェット路面では「レイン」モード以外ではとても怖くて楽しむ余裕はありません。

このように乗りにくさを感じてきた大きな要因はタイヤかもしれません。

RRの純正タイヤはハイグリップのピレリ、スーパーコルサV3ですが、高い剛性により積極的なライディングを求めてくる一方で、条件の悪い路面では性能を発揮しません。ウェット路面にさしかかるや否や、一挙に接地感が失われて冷や汗をかきます。

ライフは短いです。納車前にディーラーの方からは「5000km程度で交換」と予告されていました。私は5000「も」持つかどうか疑問でしたが、やはりというか、2000にも達しない現時点でスリップ目前です。
また、9月であればこのタイヤの魅力が感じられたのかもしれませんが、11月末からの乗り始めでは「味わう前に終わってしまった」感があります。
良い路面やサーキットでせっかくのV3を味わいたい気はしますが、既にいちばん美味しいところは過ぎています。そしてもう一度このタイヤを選ぶのは相当な勇気がいります。10,000キロ走行するためのタイヤ代だけで、スーパーカブ50の新車が買えそうな金額に達します。

同じバイクでツーリングタイヤを履く方もいるそうですが、使い方次第ではアリかもしれません。3ランク落としてツーリングタイヤにするのは、それはそれで潔い割り切りですが、私は1ランク落としてロッソコルサ、あるいは2ランク落としのミシュランのパワー5あたりに履き替えて、感触を試すつもりです。

1200RRはV3を履きこなす性能を持ちますが「ブッ飛ばす」あるいは「サーキット志向」の人が懐古的なロケットカウルをもつこのバイクに惹かれることはあまりなく、普通にネイキッドのRS、もしくはBMWのS1000RRあたりを買いそうです。このバイクはわずか一年でディスコンとなりましたが、バイクにはマッチしているけれども商品性とはアンバランスな装着タイヤが、原因の一つではないかと思えてきました。

諸々試して良い結果がでなければ、このバイクは割と早めに手放すかもしれません。とはいえタイヤ交換がとても楽しみになってきたことも確かです。

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