既存戦略調査 (1) mmbot

少し調べている感じ、ちょっと前にmmbotというキーワードがかなり流行っている模様。mmbotをまずは重点的に調べてみたい。

mmbotとは?

一括りにmmbotと言っても多くの戦略が存在し、界隈では多種多様なHFTbot(高頻度取引)も全てまとめてmmbotにされている気がする
https://note.com/akaness_note/n/n3c816e051f8c

今では、取引を頻繁に繰り返すbotがざっくりmmbotと呼ばれている様子。mmbotのmmはもともと「マーケットメイク戦略」を指すっぽいので、まずはなるべく原義っぽいところを把握して、その後広げて見ようと思う。

原義のmmbot = マーケットメイク戦略

マーケットメイクにおける数学的理論は以下の洋書2点を参考としています。
「High-Frequency Trading: A Practical Guide to Algorithmic Strategies and Trading Systems」 (Aldridge、2013)
「Algorithmic and High-Frequency Trading」 (Cartea, Jaimungal, Penalva、2015年)
http://we.love-profit.com/entry/2018/02/12/113916

仮想通貨に限らず、もともとHFTの世界に存在していた戦略みたいですね。

マーケットメイク戦略は板の上下に指値(売り指値と買い指値)を提示し、自身の利益を得るものです。
「ある一定期間Tを経た後の自身の資産価値を最大化する指値の幅を求める問題」
http://we.love-profit.com/entry/2018/02/12/113916

とりあえず板に売りと買いの両方で指値を入れるということは分かりました。それ以降は、数式が多くて解読に時間がかかりそう……雰囲気を掴んだ後より正確な理解のために後で戻ってくることにします。

ある時点での板状況が上の状態であったとします。ここでもしbest askとbest bidの内側に指値を打つとしたら100299円ショート、100251円ロングになり、両方約定出来たとしたら差額の48円が利益となりますよね。
https://note.com/akaness_note/n/n3c816e051f8c

なるほど!分かりやすい。

こちらの図もかなり分かりやすいです。

アクティブスプレッドとは?

これがもし次のt秒間で100150円から100450円の間まで変動すると予測出来たらどうでしょうか。100449円ショートと100151円ロングで差額298円となり単純に最良価格の間に挟むよりも利益が大きくなります。
歩み値や板情報等の分析を行い、このアクティブスプレッドを予測することがこの戦略の要であり、予測精度の高さがそのまま利益に直結すると言えるでしょう。
https://note.com/akaness_note/n/n3c816e051f8c

best ask, best bidの差ではなく、板の厚みを考慮した実質的なスプレッドという意味ですかね。

在庫とは?在庫管理とは?

当然100%予測出来ることはまず無いため、片方だけ約定。あるいは両方約定しないということが多々あります。(在庫を抱えるリスク)
不利なポジションを持ったまま価格が動いてしまうとその分が損となるため、アクティブスプレッドだけではなく自分のポジションも要素として考慮する必要があります。
https://note.com/akaness_note/n/n3c816e051f8c

全部約定したら絶対に得するわけですが、そんな訳はもちろん無いと。その対応が在庫管理と呼ばれている様子。

AKAGAMI氏のツイートの解読

ここまでくると、このツイートを読めるようになってくる。mmbotの戦略の基礎の基礎が分かりやすく解説されている。このツイートは恐らく以下のような意味であろう。

在庫が無い場合の基本的な処理

・WINDOW 期間のレートの標準偏差 σ を計算
・mid ± σ * EFFECT に指値を入れる

在庫が有る場合

・持ってしまっているポジションを考慮し、指値を上下にずらすことで、在庫解消を図る。(posというのは恐らく持っているポジションのボリュームかと思われる。それに比例した分だけ動かす模様。)

投資指標

今現在は1.1+1.2として、1.1の戦略をベースに投資指標を用いてアクティブスプレッドを予測している。
https://note.com/akaness_note/n/n3c816e051f8c

上のAKAGAMI氏のツイートではアクティブスプレッドを「標準偏差×定数」で推定していた。これを、このブログのあかネス氏は、何らかの投資指標を使って予測しているようだ。

参考までに、短期の予測指標の候補としては以下のようなものが考えられます。(a)テクニカル(b)約定情報や板情報(c)裁定(d)市場間連動性。
https://note.com/uki_profit/n/n24a110c0a609

情報係数による評価

情報係数(IC)というもので評価するそうです。参考記事のものは0.17、僕のは0.1程度ずいぶん差があります。現在も探査中です。
https://note.com/sakiyama100/n/n20ef5a4c9549?magazine_key=mbe85e78703fc
(3)統計的に有意な投資指標
今回のチャレンジで採用した投資指標は非公開です。今回はその特性のみを公開します。投資指標のパフォーマンスは情報係数で判断します。今回採用した投資指標は情報係数がおよそ0.17程度であり、かなり優秀な指標だと思います。
https://note.com/uki_profit/n/n24a110c0a609

投資指標は情報係数で評価する。

速度について

「3. ロジックのコスト」で速度についてかなり解説されている。

その他メモ

mmbotの源泉はスプレッド。これの熾烈な取り合いが既に行われていると思うと、新規参入は厳しそうな印象もあるが……

mmbotって名前も、そしてまたその戦略も、海外でも使われてるみたいですね。取引所固有の議論もあるのでバランスが重要そうですが、英語の情報もしっかり見ておいたほうが良さそうです。


最後に

結構な量になってきたので一旦ここまで。

今後調べないといけないもの

・在庫管理に関する考え方
・バックテストの仕方
・bitflyerのAPIの遅延について、特にweb APIが良いという噂について……?

早く脱エアプしたいので、まずはmmbot系で行くと決めて行動しようか。








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