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なかなかジャズに出会えなかった話

そもそも僕がどんな風にしてジャズと出会ったのか。

高校を卒業した僕はスタジオミュージシャンを目指して、アルバイトしながらギターの練習を日々してたんです。

まぁいわゆるフリーターです。

アメリカに行って勉強したいとか思っていたし、留学でもしたら飯は食っていけるものだと思ってたんですよ。
スタジオミュージシャンになりたかったのも、安定して飯を食うため、という今となっては不思議な勘違いをしてました。

そんな18歳くらいのときに何かのきっかけで、「スタジオで仕事するならジャズのコードとか知らないと」みたいな話を雑誌かなんかで読んだんですよね。
素直ですからね、18歳。
スタジオで仕事するには!PUFFYのバックバンドでギターを弾くには!→ジャズを学ぼう!
というこれまた不思議な勘違いでジャズというものに触れようとしたわけです。

そんで、ジャズってなんだ?と思って唯一知ってるジャズギタリストのジョージベンソン氏のCDを聴いたわけですが、ダサいわけですよ。ドラムとかぱいんぱいんいってる打ち込みみたいな音だし。歌もなんかしっとりしてて気持ち悪いし。
ジャケットからしてダサいもんね。服も茶色すぎるし。

George Benson 「That’s Right」

あれ、高校の先輩がジャズギターっていったらベンソンさんって言ってたよな、、、。このダサアメリカンPOPソングなに。ってなったわけです。

いや、ジャズって、高校の時に働いてた居酒屋でずーっとかかってたロリンズのサキコロみたいなサウンドじゃないの?アコースティックな音で、全部の曲でドラムソロがあってさ、と思うわけです。まぁ、サキコロがすごい良いとも当時思ってないんですけどね。

Sonny Rollins 「SAXOPHONE COLOSSUS」

で、確かですけど、当時付き合ってた女の子がジャズのCD持ってるっていうから借りたんですよね。
それがパーカーのナウズザタイム。

いや全部同じ曲やん。

これはほんと当時はそう思いました。
一曲目のThe song is you以外は全部同じ曲よ。
区別つかないんですよ。耳がバップのサウンドに慣れて無さすぎて。

Charlie Parker 「Now’s the time」

ハンクジョーンズのピアノのイントロから始まってパーカーのわけわかんないソロになって。やたら速い曲あったりだけど、全部同じ曲に聴こえましたよね。

なんかジャズってスーパー意味わからんし、コードブックとかみてジャズのコード押さえてみても、洒落てんのはわかるけど、どうやって使うのかわからんし。

あんま別にかっこいいとも思わねぇなと。
これならGuns N’ Rosesのほうが500倍かっこいいし、

(初期の、マットソーラムじゃない時の、かっこいい)GUNS N’ROSES

Slashのブルージーな感じが1番だと思ってましたよ。

(痩せてる時のかっこいい)SLASH様

ジョージベンソンとかよりスラッシュのほうが800倍かっこいいと思ってました。

高校の先輩でバークリー行ったドラムの先輩に国際電話して話きいたりして(今ジャズドラマーとして活躍されている方です。)デニスチェンバースがどうのこうのというからブレッカーブラザーズのアルバム聴いたりしましてね。デニスチェンバーズはマジでカッコよかったんですけど、ブレッカー兄弟とかマイクスターンとか何がいいのか全然わかんなかったですよね。ギターとか変なエフェクターかかってダサい音してるし。

RETURN OF THE BRECKER BROTHERS

このジャケットとか、誰が良いと言ってこのデザインになったのか、誰が良いと思ったのか、ぜひ聴いてみたいですね。売る気がないとしか言いようがない。パッケージの大切さをちゃんと教えてあげたい。怖いわ普通に、色んな意味で。

インターネットなかったですからね、当時。情報もないんですよ。YouTubeあったら、もう少し短期間で目的のジャズに辿り着いたことでしょうよ、さぞや。

確かブルーノート東京にマイクスターンとデニスチェンバースのライブを聴きに行ったんです。18歳の時。
金ないのにギリギリでチケット買っていって、なんか注文しろっていうから1番安いの頼んだのがオリーブの漬物で、酒も飲めないのにそんなもん食っても美味いわけないから、それ以降オリーブ嫌いになってやりましたよ。
そのライブも結局フュージョンなんで、スターンのギターなんてくそダサいわけです。変なダサい音してるし。ふぁんふぁんした音。
デニスチェンバースの腕がまぁ太くて、アスリートの太ももくらいあったのはよく覚えていて、黒字に金の刺繍が入ったベスト着てたのがダサかったな。

と、まぁなかなかジャズ体験をしないわけなんです。したいのに。

つづく

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