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【2023年版】初心者でもわかるゲーミングPCの選び方とおすすめ構成【アフィなし】

「ゲーミングPCって何を買えばいいの?」

ゲーマー知人・友人からこのような質問を聞くようになった。日本でもPCでゲームを遊ぶ文化が根付いて久しい昨今、懐も温かいし、そろそろゲーミングPCを買っちゃおうかなというゲーマーが増えている。それ自体は実にめでたいことなのだが、「ゲーミングPC おすすめ」などと調べたところ、アフィリエイトリンクに誘導する個人ブログか自分のコラボPCを紹介するインフルエンサーの記事・動画が多数であり、今「ググる」ことの限界を改めて知ることとなった。

もちろん、アフィやコラボが悪いわけではなく、ブロガーや実況者のファンであればそうしたPCを買えばいいのだけど、よりフラットかつ専門的な知見から「どのPCを買えばいいのか」という選び方からお伝えするのも大切かと思い、改めて記事を書くことにした。よってこのnoteは読者からの購読により運営されているので、特定の企業からは一切お金を受け取っていない。

筆者はかれこれ20年以上PCゲーマーであり、自作もBTOも経験したので、ゲーミングPCについては多少は精通していると自負している。その上でゲーマーなら一度はPCでゲームを遊んでほしいと思うし、そのためゲーミングPCのメリットとデメリット、パーツの選び方、10万円から30万円以上まで予算に応じた構成など、一通り伝えられると思う。少しでもゲーミングPCに興味がある人に読んでいただけると幸いだ。


ゲーミングPCを買うメリット・デメリット

そもそもゲーミングPCが流行ってるのは何となく知ってるけど、SwitchやPS5と何が違うの?いっそスマホで十分じゃないの?という方もいるかもしれないので、そもそもゲーミングPCを買うメリット・デメリットについて説明する。


メリット①:PCは「PCでしか遊べないゲーム」「コンソールで遊べるゲーム」のどちらも遊べる

「ゼルダを遊びたいからSwitchを買う」とか「ホライゾンを遊びたいからPS5を買う」というように、そもそもゲーム関連のデバイスを買う最大の動機は、「このゲームが遊びたい」というゲームタイトルありきのものだろう。この点においてゲーミングPCには「PCでしか遊べないゲーム」もさることながら「コンソールで遊べるゲーム」まで網羅することで、最大のゲームハードといえる。

まず「PCでしか遊べないゲーム」として『リーグ・オブ・レジェンド』や『VALORANT』、『Escape from Tarkov』のような配信でもおなじみのマルチプレイタイトルや、『Satisfactory』や『Factorio』、『RimWorld』のような人気インディーゲームタイトルもPCでのみ遊べる(遊べた)し、更に『Dark and Darker』や『Farthest Frontier』のような開発段階のゲームもPCでのみプレイ可能という例が無数にある。

中にはPCからコンソールへ移植されるゲームもあるものの、これらはあくまで「PCで成功したタイトルが、数年後に移植した例」であり、他にも『PUBG』や『Minecraft』のように、実は国際的に人気のゲームの多くが「PC」という土俵で成功した後に、コンソールに移植されている。つまり、PCはゲームトレンドの最前線であり、話題の作品を一番ホットな時期に遊べるのだ。

逆に、コンソールからPCに移植されることも最近では増えた。例えば『Horizon New Dawn』や『God of War』などSIE作品の多くが移植されている上に、Xboxにいたってはそのほとんどの作品をXboxと同日で遊べ、しかも月額850円から最新作を含め数百本のゲームが遊び放題というXbox Game Passも共有している。さすがに任天堂タイトルは移植されないものの、3大プラットフォームのうち2つから移植されるのはPCぐらいだろう。「遊べるゲームのライブラリ規模」で言えば、コンソール全てを足してもなおPCが最大規模だ。

もちろん、こうしたゲームを「最高の環境で遊びたい」という欲望も、ちゃんとPCは(スペック次第だが)叶えてくれる。つまり、60FPS、144FPSでのヌルヌルした動作や、4K以上の美しい映像、更にレイトレーシング等のサポートなど、ゲームを最もリッチに楽しめるのはゲーミングPCだ。PS5やXSXではついに60FPSで動くオプションが増えているが、正直120FPSに目が慣れると60FPSですらトロいし、高解像度・高負荷設定と両立できるのはPCのみ。Switchとの比較など言わずもがな。

またVRを楽しむのなら、やはりPCはほしい。最近は「Meta Quest 2」や「PICO 4」などスタンドアロン型のVRも増えているものの、これらを使っても結局PCに繋がないと遊べないゲーム・アプリは多数ある。


メリット②:PCはマルチメディア・マルチタスクができる

メリット①で「PCでしか遊べないゲームがある」と論じたが、コンソールがそもそも「ゲームを遊ぶこと”しかできない”ハード」なのに対して、PCは「ゲームを含め、何でもできるハード」だ。Googleでブラウジング、U-NEXTやYouTubeで動画視聴、Discordで朝までダベり、Twitterでクソリプと格闘、Spotifyで音楽をかけ、Kindleで小説を読み、Zoomで会議に出る……その中で「ゲームを遊ぶ」があるというだけのこと。つまり究極のマルチメディアハードだ。

もちろんコンソールにもアプリは導入できるし、スマホと組み合わせれば上述のことはだいたいできる。しかし利便性が桁違いにPCの方がよい。そもそもコンソールのアプリは最適化不足で絶望的に遅いし、スマホの小さい画面と操作性では作業量に限界がある。その点、PCはゲームを遊びながら、攻略情報をブラウジングし、それでわからないのでYouTubeで後追いし、プレイ中にはSpotifyで作業用BGMをかけるなんてことを、1台で同時にシームレスにできる。

よってPCは「ながら作業=マルチタスク」にも最高のハードウェアであり、特にゲームを遊ぶ上で、ゲームを遊びながら誰かと通話する、攻略情報を探す、動画を撮影するなどの作業は欠かせない。PCのゲームプレイが快適なのは、潤沢なスペックもさることながら、まさに「ながらプレイ」需要に応えられる点にある。これに一度慣れるともうコンソールのシングルタスクには戻れない。


メリット③:PCには「クリエイターになれる”かも”」の可能性になる

ここまではゲームを楽しむ・消費する点でコンソールやスマホと比較したが、PCはそれらと比べ、実際に創作することができるツールでもある。つまり、動画を撮影する、絵を描く、文章を執筆する、そしてゲームを作るといった創作活動は、PCがなければそもそも始められないのだ。

とりわけ、ゲーミングPCに搭載される高性能なCPU・GPUは、こうした創作活動全般にも必要とされる。つまりショボいCPUのPCで動画撮影をするとエンコードだけで馬鹿みたいに時間を食われるし、ショボいGPUではUnityすら満足に立ち上げることができない。そのためゲームもさることながら、動画撮影やゲーム制作、プログラミングに興味がある人にとって、ゲーミングPCは最高の選択肢になる。

もちろん、今すぐ何かしら創作を始めたいと思っていなくても、「やりたい」と思ったときに手元にそのための道具があることは大切だ。何を隠そう、筆者もまたPCでゲームを遊ぶついでに、その感想をブログに書き始めたのが、現在のキャリアの始まり。もしPCでゲームをしていなければブログを書くこともなかったかもしれない。


デメリット①:高い

ピンキリだが、少なくともスペックに対するコストパフォーマンスで、コンソールよりゲーミングPCが優れることはまずない。その理由は、コンソールは大量生産のために最適化したチップを独自に共同開発している上、ゲームソフトも単一のコンソールに最適化できるから。


デメリット②:大きい

でかい。シンプルに邪魔。


よってここまでのメリット・デメリットをまとめると

・ゲームが好きで仕方ない人(最高の環境で最大の本数をプレイしたい人)
・ゲーム+音楽、検索などマルチタスクがしたい人
・創作に興味がある人
・要するにゲームオタク

こういう方にゲーミングPCはおすすめできるし、逆にどれにもピンと来なかった方は無理に買わなくてもいいと思う。


PCの選び方

ではさっそくゲーミングPCの選び方について説明しよう。仮にゲーミングPCに興味を持って調べた人ならわかるように、ゲーミングPCは本当に魔窟だ。まず販売店が無数にあり、メーカーも無数にあり、メーカーごとの型番も4~5ケタの謎の数値が無数にあり、構成パーツは10種類近くあり、そのくせべらぼうに高かったり、安かったりする。

結局、ゲーミングPCに興味はあるけど買わなかった人に「なぜ買わなかったのか」と聞くと、その原因は値段ではなくラインナップの魔窟さに困惑したからという理由が大半だったりする。コンソールなら基本的にSwitch、PS5、XSXの3つのうちどれかでいいので遥かに楽だ。

だがここを読む方はどうか安心してほしい。PCゲームを20年遊び続けた筆者なりに、はっきりと、何を注目して買えばいいのか説明できる。

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