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映画マリオの「批評家 vs 観客」の構造は本当か? ──ゲームゼミ週報
今年に入って「ゲームゼミ月報」を連載している。まとまった記事にするほどでもないが、Twitterで呟くには安易に消費されかねない内容を、短いコラムとして3本ほど毎月掲載する、というものだ。
ありがたいことに読者からそこそこ好評で、その中から「どうせなら毎月3本より、毎週1本のほうが読みやすいのではないか」という感想を頂いたので、実験的に週0.5~1本ぐらいの感覚で投稿することにした。ゲームゼミに購読すると全部まとめて読めるので一層お得になるぞ(宣伝)
以上、アナウンスおしまい。ここから本題です。
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映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(以下、映画マリオ)がすばらしかった。筆者は既にゲームゼミとU-NEXT SQUAREの二か所で記事を書いたが、筆者個人も大いに楽しめた。実力はあるがレガシーを築けていない若いアニメスタジオIlluminationと、レガシーこそあるが安心してそれを任せられるパートナーがいなかった任天堂、まさに理想のマリッジと言える産物というのが、あちこちで話している筆者の感想である。
とはいえ、映画マリオを絶賛する声には、一体どういうわけか「評論家は酷評、観客が絶賛したあの映画『マリオ』……」という枕詞がつく。まぁ筆者もアイスブレイク気味に引用してしまったが、冷静に考えるとこの対立構造はおかしい。そもそもこの枕詞の根拠には、Rotten TomatoesでCritiqueが59%に対してAudienceが96%という大きな差が、日本公開前に広く知られたからなのだが、これを根拠に「観客が絶賛」しているとみなすのは、実は大きな間違いなのだ。
先に公開(4月5日)された米国からは、「絶賛するファンと酷評する批評家」で評価が真っ二つに割れている――」との報が日本に入ってきていた。
「あらゆる新記録を打ち立てている一方で、批評家の評は必ずしも優しくない。批評家と観客の意見の食い違いはハリウッドで頻繁に起きてきたことだが、とりわけ今回は「批評家はわかっていない」という不満の声が聞かれる。」
そもそも、Rotten Tomatoesの「Audience」を「一般的な観客」とみなすことが、実は間違っている。
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