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詩の部屋

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「詩の部屋」をテーマにした7行詩の連作です。
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#創作

詩の部屋 2 (2022年12月16日投稿)

  ○ 4 詩の部屋の壁を覆っているのは たくさんのスープ皿 底に描かれたいくつもの絵を見ながら この皿にはどんなスープを入れようかと想像する 机の上に書かれた落書きは 昔、小学校の机に書かれていたもの あの時落としたクレヨンもいっしょに置かれて   ○ 5 詩の部屋にあるはずの 詩を探して回る 机の裏を見てみて ソファのすき間をさぐる 壁を飾るスープ皿はどれも絵と柄だけ 言葉と言えるものは何もなく 疲れて一言も浮かんでこない   ○ 6 詩の部屋にある ノートを開

詩の部屋 1 (2022年12月15日投稿)

○ 1 詩の家に行ってみた ドアを開けて家の中を覗き込むと 壁いっぱいにスープ皿が飾ってある 黙って上がりこんでリビングまで行くと 真ん中の机の上には紅茶が置かれている ただし砂糖壺は見当たらない 今頃大きな声で呼んでも何の気配もない ○ 2 詩の家の中 花瓶は沢山あるが どれにも花は生けられていない 部屋はきちんと整頓されていて 掃除も行き届いているが 詩集の姿はどこにもない 詩はいますか?、と大声を出しても返事すらない ○ 3 詩の家の椅

連作「詩の部屋」について。

 こんばんは。  今日から「詩の部屋」という詩の連作を少しずつアップしていこうと思います。「詩の部屋」という連作は2020年の春から初夏にかけてTwitterに挙げた作品です。基本的な形式は7行詩になります。この7行詩という形は、谷川俊太郎さんの「庭」(『ミライノコドモ』2013年)という詩を参考にして始めたものですが、Twitterを始めてすぐにそこで挙げるのによい形式かもしれないと思うようになりました。なので、「詩の部屋」はTwitterでアップするために書いたものです。