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1-1.青銅器とは何か?

1.青銅器とは何か?


1-1.青銅器とは?

 青銅器の歴史は古い。紀元前3500年前のメソポタミア、エジプト文明の時代に青銅器の使用が始まる。その後、各地でも用いられるようになると、アジアでは中国で紀元前2000年ごろから青銅器の使用が始まったようである。

 日本で青銅器が交易品として入ってきたのは古く、縄文時代の三崎山遺跡(山形県)からは約3000年前の交易品・青銅製刀子が出土している。しかし、本格的に青銅器が使用されるようになるのは、これよりずっと後の紀元前2世紀の弥生時代からである。

 中国では青銅器の後に鉄器の使用が始まることから、歴史の教科書では、技術の向上によって青銅器から鉄器へと移っていったと述べられていることが多い。しかし、日本では青銅器と鉄器はほぼ同時に入ってきており、技術の向上云々は当たらない。

 弥生時代、青銅器は祭器として用いられていたという。紀元前2世紀から2世紀までの約400年間にわたって制作、使用された。主に銅剣、銅鐸、銅矛などがある。青銅器は銅に錫と少量の鉛を混ぜて、約1100℃に溶かして鋳型に注いで作る金属器である。鋳型は石で作られるか、土(砂)を用いられたりもする。

 青銅器の面白いところは生活圏内で発見されることが極めて少ない祭器であるということがあげられる。だいたい人里離れた谷や丘陵斜面などに埋められている(例外もあり)。よって道路拡張などの工事をしている最中に、偶然発見されることが多い。当たりをつけて発見することができるというようなものではない。このことから青銅器は日常生活で用いられたものではなく、特別な時に掘り出して使用されていたことが推測できる。ただ弥生時代の墓から青銅器が発見されることは少ないので、王のような権力者の副葬品として用いられたのではないことがわかる。

 では、なぜ青銅器は地中に埋められているのであろう?これについても諸説あり、いまだ定説はない。主な説について考えてみよう。

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