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俊太へ あれから4年の歳月が過ぎた。 順当にいけば、君は高校生になっているころだね。今も…
早朝、夜が明ける少し前に小野さんはシジミ漁にでていった。そして翔子さんは朝食の用意をして…
「もしも」ということばは歴史では禁句だが、もし神庭荒神谷遺跡の発見がなかったとしたら、出…
ぼくらは大山が見えてきたあたりで、いったん休憩を入れた。 休憩に立ち寄った「道の駅・大山…
早いもので、もう近所の桜は散ってしまい、周りの山々も新緑が目立ち始めた。 最初の頃は慣れ…
ぼくは中山圭吾。この春、二浪の末、鳥取のTK大学に入学した。 TK大学は故郷の新潟から…
プロローグ 「圭ちゃん、本当に大切なものは目に見えないんだよ」 あれはいつ頃のことだったのだろう。 そうだ、おばあちゃんがぼくにそういったのは、ぼくがまだ小学校に上がって間もなくの頃。確か家の裏にある小さな祠を遊びがてら覗いたときのことだ。あのとき、おばあちゃんは確かにそういった。 いつもは優しいおばあちゃん、けれど、そのときだけは真顔でそういったんだ。そのときのことを、今でも思い出す。 あれからずいぶん時間が経ったけど、ひょっとするとおばあちゃんは本