心の中の出来事2

扉の中から声がする。
「死にたい」「生きたい」
2つの言葉が繰り返し聞こえる。

お昼頃、希死念慮を抱える人格の部屋を通りかかったら、偶然聴こえてしまった小さな呟き。

何か言葉をかけようとドアノブに手をかけようとしたが、鍵がかかっていた。

残念ながら鍵は持っていない。
誰も彼の部屋の鍵を持っていない。

彼の部屋に入るには、本人自身が中から鍵を開けなければいけないのだ。しかも、信頼できる人しか開かない仕組みときた。
側で支えてやりたいが、オレにはできない。信頼されていない証だ。ここまでくるとこっちが悲しくなってくるネ。HAHAHA。

何で部屋の外にいるのにオレだってわかるんだよ。どうなってやがる。

寝る前にどうなったか確認するため、部屋の前を通りかかったら、声はしなくなっていた。

落ち着いたのか、それともついに崩壊したかあるいは消滅したか…

まぁ肉体がどうにもなってないから落ち着いたんだろうな。コレ書いてるしなにも問題は無いだろう。

部屋を離れようとしたら、部屋の持ち主が後ろに立っていた。

「僕の部屋の前で何してるの?」

げっ

昼間のことから、心配してたと伝えたら

「……うそだね」

邪魔者を部屋に入らせないかのような速さで、部屋に入っていった。

信頼どころか信用されてねぇや…くそう。

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