心の中の出来事5
とか題名に書いたけど、あくまでも独り言でありただの日記だ。
特に何も起きなかったからといって、日記に「特に何もなかった」と書くのはなんとなく許せん。
まぁそれは個人の意見であって、誰かに押し付けるような意見では無いし、そもそも押し付けるのはおかしい。だから自分の中に留めておこうと思う。
書くのは何だっていい。
例えば、今日はこんな失敗をしてしまった、っていう失敗談でもいいし、こんな事があった!っていうちょっとした小話でもいい。
ちょっと脚色してもいいと思うし、物語風に書いても許されると思う。だって日記なのだもの。
『詰まるところ、ぽえむでも良い、ということであるな?』
良くねぇし、どっから入ってきた。ここはオレの部屋だ。お前さんの部屋は別の場所だろうが。
『硬い事を言わなさんな。我とお主は別物であれど、刻同じくして生きる者であろう?』
生きた時間が違うだろ。そもそもオレはお前さんが何者か知らないし、検討もつかん。
いつからここにいて、どうして人格として成り立ったのかもわからん。そんな奴を同類としてみるのは、おかしいとは思わないカナ?
『此処にあり、此処に生き、此処で死ぬ』
元からいたとかそんな事は無いだろ。
元々は、「外に出せず表現できない想いを溜め込んだ結果生まれた、ある種のわだかまりだけじゃなく、中学生の時に発症した中二病等の病気が突然変異して生まれたような奴」だという認識を持ってたわけだしナ。
『知らずに生きた愚か者は、可能性すら否定するだけ、であるな』
馬鹿でけっこう。
だがな。基本人格から生まれたという線はとうの昔に捨ててるし、お前さんが否定したんだろ?
『知らぬ存ぜぬ覚えてぬ』
無理に韻を踏もうとするな。逆におかしくなってるぞ。
『我とて全てを記憶している訳では無い。だが、お主の言う基本人格とは話したことも無く、見たこともない。故に違うと言える』
だからオレは疑ってるんだ。
お前さんは何者だ?てサ。
『何者か不明であるから、いつ消滅してもおかしくない。あやふやで幻の様な者。何者か問われ、何者でも無い不透明な者。自身でも正体が掴めぬ人格。それが我である。
と、既に解は得ている』
頭いてぇ…ズキズキする…
『で、あっても、お主どころか肉体に影響を与えているのであるから、やはり我は此処の一部であるとも言えるのだよ。
そろそろお暇致す。
きっとお主我と話した事なぞ、覚えておらんだろう?だから此処に書き記している。ある種の記録として。
書いた事すら忘れているのは…はてさて、良いものなのか』
激しい頭痛と共に霞む視界。
ソイツの書いた紙が、開けた扉の風圧によってバラバラと床にばら撒かれる。
出て行くのと同時に頭痛が治る訳でもなく、しばらく頭痛は続いていた。
正直思う。
筆談するのは構わないが、紙は片付けていけ。
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