心の中の出来事4

「お話しようじゃないか」

うわ。なんの前触れもなく、ノックも無しになんか来た。

「なんかとは失礼だなぁ。昨日のプリンの話読んだよぉ?
 随分とまぁ、面白おかしく話を盛り上げていたじゃないか。
 一部脚色とか入ってないかな?」

藪から棒に失礼すぎる。アレはオレとアイツだから成り立つ会話状態であって、どうあがいてもお前さんとの会話ではあんな状態成り立たんわ。

「なるほど。ところでコーヒーのブラックとかどうだい」

話が繋がらねぇナ。
何が「ところで」なんだよ。
何も繋がってないし、無理やり話題を変えるな。

「まぁまぁ、私と君の仲じゃぁないか」

プリンの話からどこをどう解釈したらブラックコーヒーの話題になるんだ。

「プリンは美味しい。ブラックコーヒーも美味しい。ねぇ?」

ねぇ?じゃないダロ。
プリンは甘いがコーヒーは苦いし、ブラック飲んで腹痛に襲われた経験…忘れたとは言わせねぇゾ。

「忘れた」

オォイおじさぁん。

「オジサンとは失礼だなぁ。まだピチピチのおじさんなのに」

何がどう違うんだ。あとピチピチは現代で言ってる人1人しか知らんわ。

「なんだ私か」

んなわけあるかい。

「コーヒーのブラックはいいぞぉ?」

飲まないって言ってるダロ。
いい加減にシロ。ナ?

「ポエマーの抹茶スイーツは食べたのに?」

なんで知ってる。どこで聞いた。いや本人からだろうけど、アレはまだ渋甘だからセーフなんだよ嫌いな味だがナ。

「つまりコーh」
ヒーも一緒とか言ったらグーで叩く。

「……ケチだよねぇ。もう少し大きな器でも持ったらどうだい?」

カフェオレだったら飲んでやってもいいンだぜ。それなら飲める。

「あのねぇ」

あー…飲みたきゃ飲みゃーいいダロ。勝手にしろ。
ただし自己責任で、人格同士の味覚の伝達と記録は接続するな。それが条件だ。
個人で楽しむならそれでいい。

「なるほど」

ただし、もしもこの条件が守れないのであれば…2度と飲ません。

「……じゃあおやすみ」

おい目を逸らすな。なんで返事しねーんだ。

うわ頭いてぇ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?