ストームクルーザー

　ストームクルーザーは、モンベルのレインウェアだ。
　見た目がかっこよくて、ウインドブレイカーっぽくも着られるので、ずっと愛用している。
　……って、愛用して30年も経っているので、もはや漏水を防ぐ裏地のテープは全て剥がれてレインウェアとしての昨日はほぼ失われている。
　ただ、布地そのものはまったく破れたり擦り切れたりはしていない。GORE-TEXってすごいな、って思う。

　ただ、さすがにレインウェアとして着られないのはどうなの？　と、ここ十年ほど買い替えなければと思い続けてきた。
　だが、ストームクルーザーは高い。貧乏な上に、着るものにお金をかけることに極端に気後れする性格なので、なかなか思いきれない。
　そうやってずるずると先延ばしにしてきたが（雨の日にスクーターに乗るときはワークマンの実用的なレインコートで我慢）、このところの長雨でついに我慢できなくなり、モンベルショップに行った。

　好みの色のを買って帰ってきて着てみると、30年前のものとは基本設計が違う。フードが一体型で、いまいちなデザインだ。フードをかぶらずに後ろに垂らしているときには襟がなくなってしまうというか……。
　昔のはフードは畳んで襟元に収納できるスタイルで、これが前で合わさって喉元の保温に役立つ。このデザインがすきだったのに。
　調べてみると、どうやら着脱式の型が別にあるらしく、そっちの方がまた襟があって私の持ってる30年前のタイプに近い。しかたなく、色が好みではないがもう一度ショップに戻って交換してきた。
　こちらも、フードは外せるとはいえ収納はできないデザイン。
　明らかに前の方がかっこいいし機能的なのだが……。
　防水を突き詰めた結果なのだろうけど、前の合わせ部分もチャックのみでマジックテープの合わせはなくなっている。これだと、暑いときにマジックテープで真ん中へんだけを止めておく、ってことができない。
　まあ、このほうが機能が活かせるのだからしかたないが。

　文句ばかり言ってるけど、雨の中で着てみるとさすがの撥水と着心地の良さ。ワークマンの似た商品を何度も見に行って触って、買わなくて正解だったと思ってしまうのだ。

　また30年ぐらい持ってくれるといいな。