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人前で初めて大喜利をする日 2024年6月2日

数日前にふと「大喜利してぇ」という欲が出てからの僕は速かった。
衝動のままに直近に行われる「大喜利天下一武道会」という大会にエントリーしました。

今回で第十八回と中々歴史のある大会で、東京予選には「大喜る人たち」で見る人だ!となるようなネームも。
お笑いサークルに入っているわけでもなく、フリーでお笑いをやっているわけでもない僕の初大喜利の場にしては、些かスケールが規模が大きい気がしてきました。
キャンセル待ちの状態だったのですが、大会の前日に欠場者が出て、正式に参加が決定しました。
当日、会場は楽屋Aという大阪四ツ橋にあるお笑いLIVE&BAR。(初めて訪れました)

開場前の会場前には既に結構な人だかりが。どうやら今日僕が競い合う大喜利プレイヤーの方たちのようです。皆各々が輪になって談笑をしています。
ここで僕は「何故ぼっちでこんな場所まで来てしまったのだろう。」と勝手に疎外感を覚え、勝手に萎えていました。
自分以外が身内感のある空間に抵抗がある僕(サークルの新歓に一人で参加しようとして、集合場所の駅まで来て、改札を出る直前に嫌になってUターンした事がある。)は、この時点でだいぶ怖気付いていました。

そして開場。一人で入場。一人で着席。
周りが楽しそうにお喋りをしている中、ぽつねんと配布された出場者情報を読む僕。

僕の出場者情報

何でこんなことしちゃうかなぁ。
僕が予想していたよりも意気込みのところで大喜利している人いなかったし。
カスみたいなイキリをした後に滑る可能性を全く考慮できていませんね。

そんなこんなで開幕。
ルールは一問3分半を二回。その後、一番面白かった人に投票。得票数上位二人が二回戦進出。
9グループある中の4番目の出番でした。
グループ分けは事前にくじ引きをしていたらしく、「Aグループ○○さん、○○さん、○○さん、、、」と1人ずつ発表していました。
やはり、大喜利界隈の皆さんは大体の人と面識があるらしく、一人ひとりにリアクションを取っては、「このグループやばい!」とか言っていました。
僕はどなたも存じ上げないので、その間ぼーっと自分の名前が呼ばれるのを待っていました。(木曜屋さんは流石に「あっ」と思った)
勿論、僕の名前が呼ばれても誰一人反応無し。
アウェーやねぇ。きついねぇ。帰りたいねぇ。

お笑いって相互的なものだから、知り合いが多ければ多いほど有利なものだと思うのですが、どうですか?
身内ノリ、身内票なども入りやすいのですか?
大喜利初心者なのでその辺は浅い理解ですが、既に心の中では「勝ち目ねー」と断じていました。 
A〜Cグループはしっかり面白く、面白い人は「自分で流れを作って、そこに連投して笑いを産む」みたいな高度なことをしていました。
会場の傾向を掴もうとしたけど、特に分かりませんでした。単語回答も長文回答も絵回答も憑依回答も、面白い回答がウケていて、僕の価値観と観客の反応に相違はないなと思いました。
それは基本的には良い事だと思いますが、自分で書いていて「あんまりだな」と思うものは出してもウケないので、自分で納得する回答しか出したくないと自分の中で変にハードルが上がってしまいました。
さすがにほとんど皆さん大喜利慣れしていて、ツボを押さえる回答が多く、見ていて楽しかったです。

そして、いよいよ僕の出場するDグループ。
どうやら本戦出場経験者が三人もいる激戦区らしい。じゃあ勝てんやん。
お隣の方も本戦出場経験者。
登壇して着席する前に目が合い、軽く会釈したら返してくれました。なんか嬉しかったな。
大会後FF内になったし。(Twitterで僕の出場者コメントをイジっていた(救われる))

ここから先は大喜利初心者の癖に、回答の意図だとか、お題の解説だとか、能書きを垂らしているので、不快に思われる大喜利上級者(笑)の方はブラウザバック推奨です。


一問目。

もう限界の保険会社が
ヤケクソで販売した保険では、
こんなときに保険金が下りる

割と自由度の高いお題。
「ヤケクソ」が包含するものがあまりにも多いので、普通に保険に関係ない面白シチュエーションを言うだけで回答としては成立します。
ただ、それが綺麗な回答かと問われると微妙な気がします。理不尽な回答でウケを取れるのは実力が既に知られている前提のものなので、経験不足かつ身元不明の僕がやるのはあまりにもリスキー。
僕はある程度、整合性がある回答をしないとウケないし、崩すとしても後半からでしょう。
しかし、親の扶養で暮らす箱入り20歳の僕。
保険について一秒たりとも考えたことがありません。なのでだいぶ苦戦しました。

誰よりも先に「ざせつ」と答えてそれが微スベりしてからは沈黙が続きました。
(グループでの第一答を取りたかったため急いでひらがなで書いてしまったが、漢字の方が良かったと思う。漢字だった"とて"。)
とりあえず短い回答、絵回答、憑依回答をやってみて、どれが僕に向いているのか試してみるもどれも不発。(強いて言うなら憑依回答向きか?くらい)
そして、特に何も出来ずに第一問は終了。
コンスタントにウケている人はいたけど、大爆発は無かったという印象でした。


二問目

教師「やる気がないなら帰れ!」

やる気はないが学校が好きで
帰りたくない生徒「○○○○」

難しい。
まずセリフ指定なのである程度の憑依は必須。
「やる気がない」「学校が好き」「帰りたくない」この三つの項を満たす回答を出すのは難し過ぎるので、ほとんどの人が「学校が好き」「帰りたくない」の二つに焦点を絞って回答していました。
もう負けの匂いがしていたので、僕も「正解を出すのに固執せず、好きに答えよう」みたいな心持ちで挑めました。

僕の一答目。
「これだけ聞いてください……!」と言いながらフリップを縦にして描いたリコーダーで校歌を吹く。

一答目に出すものじゃないな。
めちゃくちゃウケた訳ではありませんが、リコーダーを吹いている間にじわじわと笑いが起こる感覚に、かなり手応えがありました。
ここで「憑依+前フリじっくり」が僕に向いているのではないかと思いました。(僕自身の事を誰も知らないので、キャラを乗せた方が伝わりやすいというのもある。)

二答目、三答目と、ややウケ。
そして、時間的にラストの四答目。
「え、じゃーあ、俺の考えたぁ、オリジナル時間割だけぇ、発表するんでぇ、するんでぇ……」と言いながらフリップを出す。
「ずずずず」(フリップには「1図工2図工3図工4図工」)

これはウケました。
なんならこのお題の中ではトップクラスにウケました。
前フリの「オリジナル時間割」の段階からウケていて、フリップを出す時にニヤついていて見返すと気持ち悪かったです。
自分の回答の中で更に大喜利をする入れ子構造になっていて、本来の「帰りたくない生徒のセリフ大喜利」から「オリジナル時間割大喜利」にすり変わっています。
決して美しい回答とは言えませんが、既に「ウケりゃいい」マインドになっていたので、臆さずに出すことが出来ました。

自分の大喜利スタイルが掴めてきたタイミングでタイムアップ。
結果は7人中4位。
善戦した方ではないでしょうか。普通に自分以外一票も貰えないと思っていたので、とても嬉しかったです。
ここから更に上位に行くためには回答数をもっと増やす必要があると感じました。(7分の中で出した回答は7個だけ)

本戦出場者の方はどなたも外さず面白い回答をぽんぽん出すので、「すげー」と思いつつも、結構誰にでも本戦出場のチャンスが転がっていたとも思いました。


そして、一回戦で敗退した人達で行うエキシビションマッチ。勝敗もつかないので、皆が好きなようにふざけていました。
僕のグループのお題は写真で一言。(外国人がパソコンの前でたはーってやってる写真)

下ネタを二連続で出した後の三答目。
「限りなく食事に近いフェラチオ」

これがこのお題のイチウケでした。
ほとんどお題とは関係ないですが、もうこれでいいです。ウケりゃいいです。
なんかエキシビションで「割と大喜利出来るかも」なんて偉そうなことを思っていたりしました。
因みに、村上龍の小説「限りなく透明に近いブルー」のモジリだということに気付いたでしょうか?



てな感じで初人前大喜利を終えました。
面白かったですと声をかけて頂いたり、Twitterをフォローして頂いたり、敷居は高いが優しい界隈だなと思いました。
これから少しずつ大喜利界隈にも顔を出そうと思うので、その時はお手柔らかにお願いします。



嬉しいね。


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