誕生日前日の過ごし方 2024年5月1日
ーーーーーーーー本日、二〇二四年五月一日ーーーーーーーー
僕は明日、二十歳になる。
二十歳。
少し前までは成人の年齢は二十歳であり、人生の節目として重んじられてきた。
現在の成人の年齢は十八歳なので、二十歳は別に特別な数字ではない。
僕が八十歳まで生きるとして、二十歳になる今年は、人生の四分の一の通過点点以外の何物でもない。
ただ、一つ年齢を重ねた。
カウントダウンとカウントアップを続ける人生。
人生に更に一日が積み重なり、残り時間を一日減らす。
誕生日だからと言って喜ぶのはもうやめた。
周りは祝ってくれる。大切な家族、友達が祝ってくれる。その事実だけで僕は満足だ。幸せ者だ。
いつ死ぬかなんて誰にも分からない。その瞬間(とき)が来るまで、静かに待つ。
誕生日の前日だろうと、変わらない明日を待つーーーーー
9:00
朝食を食べ終えた僕は日課である英語の勉強を開始する。
記念すべき二十歳を迎える前日だろうと、世間様がゴールデンウィークで浮かれていようと、僕はルーティーンワークを遂行する。
日々努力を欠かさなかった者と、日々手を抜いた者、その差は加速度的に開いていく。
毎日、英語の勉強を続けた僕は、数年後には外交官にもなっているかもしれない。
さて、今日は何から手を付けようか。
英文読解か……
うーん…………
難しくて読めないからパスか……
リスニングか……
うーん…………………………
難しくて聞き取れないからパスか……
英語で日記でも書くか……
うーん…………………………………………
まぁ出来ないだろうしパスか……
じゃあ、単語だな。
さて、始めますか……
ふむ……
カキカキ……
create……創り出す、引き起こす
次。
Increase……増加する、増やす
次。
improve……向上させる、よくなる
次。
purple mirror……紫鏡
次。
ん?
紫鏡…………?
おいおいおいおいおいおいおいおい!
紫鏡!?!?!?
なんでターゲット1900に紫鏡が載ってるの!?
二十歳になる時に覚えてたら死ぬやつじゃん!
紫鏡の存在は知ってたけど、今の今まで忘れてた。
え、このタイミングで思い出すのはヤバくないか?
明日二十歳になるのよ?
え、俺死ぬの?
嫌すぎる。
あんなにイキって「変わらない明日を待つ。」とか言ってたのに、明日来ない感じ?
紫鏡を覚えてたせいで?
え、ターゲット1900に紫鏡を載せんなよ。
二浪してるやつも使うやろ!
やばいよ。
とりあえず今日のうちに「紫鏡」って言葉を忘れなきゃ!
……
…………
え、無理すぎない?
人間って能動的に何かを「忘れる」って出来るの?
人間って「忘れたい」って思えば思うほど忘れられない生き物よ?
↑元カノのことが忘れられないメンヘラキモポエマー?
どうするの?
とりあえず何か別のことを考えるしかないか。
……
…………
………………
……………………芋洗坂係長って今何してるんだろう。
エンタの神様に出てた人。
「動けるデブ」枠でテレビに出てたけど、テレビに出てるデブキャラって大体機敏な動きするよな。
「動けるデブ」って芸能界においては、あまりアイデンティティにならないのかな。
芋洗坂係長なぁ……
Calbeeの特別PR大使とかになってたら面白いな。
…………
………………
調べたけどなってなかったな。
まぁなってないわな。
広報部の会議で「芋洗坂係長に任せましょう!」っていう意見が出ても誰かが止めますわな。
結局、芋を洗ってるだけだしな。
ポテチ工場のラインの1番初めにいる人。
芋洗坂係長。
だとしたら、それでよく係長まで昇進したな。
エンタの神様でもトップバッターだったな。
……
なんか、ポテチ食べたくなっちゃった。
のり塩が1番好きだな。
そういえば、
エンタの神様に塩コショーって芸人いたよな。
これ、誰に聞いても覚えてないって言われるんだよな。
アクセルホッパーとか犬井ヒロシとかは皆覚えてるんだけどな。
塩コショーいたけどね。
ブラックジョーク系の外国人二人組。
…………
あっ2008年に解散してたんだ。
…………
僕も死んだら皆に忘れ去られるのかな。
ってか僕は今、何を忘れようとしてたんだっけ。
あ、紫鏡か。
…………
思い出したじゃねえか!
今、惜しかったよな?
ちょっと忘れかけてたのに。
あーーーもうこれは無理だ。
脳の奥深くに完全に記憶されたわ。
紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡
紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡
紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡紫鏡
え、どうする?
何の時間だったの?
エンタの神様を少し思い出す時間。
理想は、芋洗坂係長IN、紫鏡OUTだったのよ。
普通に紫鏡がフィールドに残り続けてるな。
紫鏡のスタメン落ちはまずないな。
脳内のグラウンドで今一番いい動きしてる。
芋洗坂係長がどんだけ「動けるデブ」だとしても、紫鏡と交代することはまず無いわ。
はぁ。
とっりあえず……外に出て気でも紛らわせようか。
12:00
散歩したついでに、マクドナルドでテイクアウトしちゃった。
じゃーん!
油淋鶏チーズチキンタツタ!!
すげぇ!コナンじゃん!
今年のコナンの映画も結構面白かったなぁ。
ってかマクドナルドとコナンと油淋鶏って俺の好きな物が三つも入ってんじゃーん!
美味しさも三倍かな°・*:.。.☆
なんちて(笑)
いただきまーす。
↑結構ちゃんとマクドナルドとかでも僕は「いただきます」って言うタイプ(笑)
え、少数派かなぁ(笑)
普通は言わん?(笑)
店出る時も「ごちそうさまでした」って店員さんに言うけどね?(笑)
え、なになになになに(笑)
そんなに変かなぁ?(笑)
あ〜なるほどね。
レストランとかは言うけど〜マクドナルドは言わないか〜
まぁ分からなくもない(笑)
てか食っていい?(笑)
普通に腹減ってる(笑)
↑普通にってなんだよ!(笑)
いただきまーーす!
うめっ
チーズこれ必須だわ(笑)
まとまり方が違う(笑)
あ〜
うめ〜な〜
…………
ゴッシタ……(ごちそうさまでしたと言っている。)
15:00
やばいな。
絶対に紫鏡を忘れることは出来なさそうだ。
うだうだしてるうちに午後三時よ?
もうこれは死を受け容れて、自分に出来ることを探した方が良さそうだ。
こういう時って皆は何を心の拠り所にしてるんだ?
いきなり友達に聞いたらキモイかな。
一人で毎日シコシコnoteを書いてる人に、悩みを相談出来る友達なんていませんわな。
明日死ぬとか言っても、誰にも信じて貰えないだろうな。
そんぐらいの信頼度。
誕生日前日にこんな沈むことあるかよ。
…………
とりあえずAIに相談するか。
なんでだよ。
なにわの女侍?
え?
なにわの女侍???
ソシャゲの後半に出てくる属性盛られまくったキャラ?
しばらくは環境トップ?
強すぎてなにわの女侍を入手出来なかったユーザーが「なにさむナーフしろ」って運営に訴えるやつ?
クリスマスにはサンタコス着た別verが登場するやつ?
え、
なにわの女侍???
どういうこと?
なんでなにわの女侍に心の拠り所を教えて貰ってるの?
AI=なにわの女侍??
心の拠り所聞いただけなのに……
…………
信念や自己の強さ、仲間や家族との絆か……
くだらん!
なんだよそれ!
なにさむ!明日死ぬんだよ!?
僕はやだよ!
何も残らないじゃん!!
くそっ!
え、諭された?
なにわの女侍に?
え?
なにわの女侍に???
まじなんなんだよ。
一人称が「なにわの女侍」なのも意味分からんし。
…………
仲間との絆が支えになるか…………
友達に電話するか。
17:00
やっぱり最期に電話したいやつは小学校からの一番の友達のあいつしかいないよな。
高校からは違う学校行ったけど、今でも一緒にテニスしたり(ソフトテニス)、映画見に行ったり、定期的に会ってるからなぁ。
なんならコナンもあいつと見に行ってるじゃん。
めっちゃ最近会ってたわ。
え、良いのかな。
最期の電話ぞ?
久しぶりに話したいやつとかの方が良いのか?
……
いや!
やっぱり一番の親友と語らいたいかな。
へへ。
まぁ人生最後の日も普段と大して変わらない日常を過ごしますかね。
既読早。
なんなん。
いや、別にいいけどね。
そっか……
既読無視か……
ふぅ…
ふぅぅぅぅ…………
うん。
とりあえず二番目に仲良かったやつにでも連絡してみよっかな。
prrrrrr..…
『もしもし?』
あっもしもし?
出てくれてありがとう。まじで。
『はい?』
『どしたん?』
え、いや別に特に何もないけどさ。
あ、声がさ、
『声が?』
声が聞きたくなったのよ。
『遠距離彼女かよ。』
は?近距離でも彼女と電話しろや。
『沸点どこ?』
まぁ、普通に近況報告とかしようと思ってさ。
『なるほどね。てか今日って5月1日やん!明日誕生日やんな?おめでとー。』
あぁ、そっか、明日誕生日か。
まぁありがとう。
『え、それが目的ちゃうん?プレゼントねだろうと電話したんやろ?』
違うって。
『まぁええわ。あ、でもプレゼントするで?何がいい?』
いや、プレゼントなんかいいよ。
『いやするって。遠慮すんなよ。』
本当に大丈夫だって。
『なんでそんな頑ななん?まぁ別に欲しいものも特に無い感じ?』
……うん。まぁないかな。
『おけ、じゃあ適当になんか買うわ。』
……ありがとう。お返し出来なかったらごめんな。
『いや、しろよ。』
お前の誕生日来る前に死ぬかもしれないだろ。
『え、何?死ぬん?』
いや、もしもの話だってば。
『普通に意味分からん。』
俺が死ぬ可能性の話をしただけじゃん!
『何なんお前病気とかしてたっけ?』
いや、違うけど……
『まじでなんやねん。』
例えばさ、俺がもし明日死んだらさ、俺の死因とか気になる?
『は?そりゃ気になるやろ。え、自殺とか考えてないやんな?』
いや、ほんとにそれは無い。
『話が読めないんやけど、お前は明日死ぬわけ?』
…………
……………………
あのさ
『うん』
俺、もしかしたら明日死ぬかもしれなくてさ
『なんで?』
むらさ……いやっ…………あれ、お前って誕生日いつだっけ?
『え、今月の27日よ。』
そっか、それで二十歳になる訳だよな。
『せやで。んでなんなん?なんで明日死ぬかもしれんわけ?』
二十七日……近いな…………
ごめん、今の話もろもろ忘れてくれね?
(こいつにも紫鏡を教える訳にはいかねえな。)
『はああ?無理すぎるやろ!』
そうだよな……まぁ忘れられないよな。
『当たり前やろ。』
まぁ人間って「忘れたい」って思えば思うほど忘れられない生き物やもんな。
『元カノのことが忘れられないメンヘラキモポエマー?』
おぉ、すごいな。お前は俺か。
『は?』
いや、まあさ、話変えようぜ。大学は今どんな感じなのよ?
『まぁまぁおもろいで?』
サークル入ってるもんな。
『サークルはまじで楽しいんだけどさ、授業がダルすぎてねぇ。』
18:00
ちょっ……えっ???それまじで言ってんの?笑笑
『まじよ。だからそいつだけ長野に置き去りよ。』
ふぁーーーーー笑笑笑笑笑笑
19:00
待って待って待って待って。
『ここで赤甲羅ボーン!!』
はいクソゲー。
『雑魚乙。』
うん、いいよ。悦に入っときなよ。
まーったく悔しくない。
ごめん、もう大人だからさ、その程度の煽りじゃ効かないんだわ笑
『お前、引きこもりの癖にゲーム弱いよな。』
てめぇ!!!!!!!
『ふっ……ふはははははははははは』
本当によぉ笑笑
ピロリン♪
20:00
ひっぐ……ひっぐ…………それで?
『もう貴方の元には居られませんって飛び立っていったわけよ。』
そんなぁ、うわああああああああん!
『鶴の恩返し初見なことある?』
21:00
『足音がして振り返ってみたら誰もいないわけよ。』
うんうん。
『ほっと一安心して、正面を向き直したら、目の前に血塗れの女が立っていて、お前だあああああああああ!!!!って』
うんうん。
『怖くない?』
怖いよりうるさいが勝つな。
『もう二度と怪談してなんて言うな。』
22:00
寝物語
『……林間学校』
歌物語
『……リクライニング』
軍記物語
『……つまらんねん。物語統一すんのやめろや。』
…………
『琉球』
海物語
『それはちょっと違うやろ。』
23:00
忘れたいことってある?
『黒歴史はまぁいっぱいあるな。』
俺さ、小四の時の授業参観で、周りの親に良い所見せたくてさ。
授業中に喋ってた奴に「授業中やろ!静かにしろ!」って注意したら、そいつが発表中やったことがあるわ。
『何してんねん。』
23:30
『あ〜そんなことあったっけ?』
覚えてないの?そのせいで俺だけ怒られるはめになったんですけど。
『忘れたわ、そんなこと。』
まぁ俺は記憶力いいからな……
23:50
俺が今覚えていないことって、俺にとっては大切なことじゃないってことなのかな?
『というと?』
昔好きだった人の名前、今までお世話になった担任の先生の名前、仲のいい友達の名前、
今の俺を構成する大切な人の名前は、しっかり覚えてるんだ。
『まぁそうだろうな。』
今俺が思い出せない人や言葉、それらは俺の記憶から排除され、不必要な情報として消えてしまったものなんだ。
『うん。』
そりゃ人間の記憶力には限界があるから、溢れかえった情報を取捨選択して、脳に収納する。
『メカニズムとしてはそうかな。』
必要(記憶する)な情報が50%、不必要(忘れてしまう)な情報が50%で構成されているとして、俺の脳には今まで得た情報の必要度の高い上位50%が入っていることになるよな。
『まぁそうかな。』
じゃあ不必要な情報である50%をそもそも遮断した時に、俺は得た情報を全て記憶していると思う?
『そりゃ無理やろ。』
そうなんだよ。多分、必要な情報の中で、更に重要度の高い半分しか記憶出来ないんだよ。
『うん。』
お前が今後、色んな人と出会って、その全てが愛おしくて大切な出会いだとしたら、一体いつ、お前は俺の事を忘れる?
『は?忘れないやろ。普通に今も連絡取ってんだし。』
じゃあ俺から今後一切連絡がつかなくなったら?
『は?何言ってるん?』
数十年後、いや十数年後、もしかしたら数年後には、俺の名前をどこかで聞いて、「あっ、居たなそんなやつ。」ってなるんだ。
『ならねぇってば。』
大丈夫、俺は死ぬまでお前のことは忘れないから。
23:58
あと数分で日付が変わるな。
『おっ、そうやん。』
なんかさ、俺が覚えてない人の話とかしてよ。
『なんでよ。』
もしかしたら、要らない記憶を押し出してくれるかもしれないしさ。
『なんだよそれ。』
『あ、じゃああいつは?百人一首大会で94枚取ってぶっちぎりで優勝した子』
あ〜いたなぁ〜他は?
『修学旅行の鹿児島でインタビュー受けてたやつは?』
いたな〜ってか、それ俺の班のやつだよ。
『あ、そうなん?』
懐かしいなぁ。
23:59:00
『高校の文化祭で漫才してたやつ死ぬほど滑ってたよな。』
あ〜あったあった。あの場で滑るほうが難しいわ。
23:59:20
『ALTの先生の発音が終わってたよな。』
あ〜ミャンマー人ね?英語全く出来ない俺らでも訛ってることが分かったよな。
23:59:40
(結局、「紫鏡」を忘れることは出来なかったな……)
…………
あっ、そういえば……
『ん?』
あの子元気にしてるかな。
『誰よ。』
ほら、中学の時に一緒のクラスで、裁縫が上手だった子だって!中二の途中に転校した子!
あの子美人さんだったよな〜。
今何してるんだろ。
(黒髪が綺麗だったあの子。夏服が良く似合っていた。たなびく雲と青空とあの子。僕の視界のキャンパスに彩りを与えてくれた。
ありがとう。最期に素敵な思い出を呼び起こしてくれて。
ありがとう。僕は安心して向こうの世界に行くよ。
紫の鏡には僕がかっこよく映ってたりして。)
23:59:58
『あ〜去年、素人AV出てた子?』
23:59:59
00:00:00
00:00:01
00:00:02
え、まじで?????
…………ん?
日付け変わってんじゃん。
おやおやおや???
生きてる!!!
生きてる!!!!!
あれだ!日跨ぐ瞬間にAVの衝撃で全ての記憶が飛んだんだ!
知り合いのAVデビュー>自分の生死ってこと???
情けないな。
…………
でも生きてる。
危ね〜。
うめ~~~。
生きてるううううううう。
二十歳も全力で頑張るうううううう。
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