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カトラ・トゥラーナ

物心ついて以来、この人すごいなとその才能の輝きを感じた人は一人しかいない。この言い方は微妙で、もう少し精確に言うと、蓮實重彦、松永澄夫、ジャン=リュック・マリオン、Я eck等々、同世代から下まで考えると、河添剛に廣瀬純等々、この方はすごいなと思うような知己を得た人はそれなりにいるのだが、その才能が開花して世に知られる以前から輝きを感じ、やはりこの方は本物だったのだと後で気付いた方、そういう意味で才能の原石に触れてしまった方は一人しかいない。

高校二年の秋の文化祭だから1979年だったか、学園祭の舞台に、一高のジミー・ペイジと呼ばれていた先輩(名前は失念してしまった)一人をバックに引き連れて、女装で現れ「アッコちゃんすきすき」一曲だけ歌って圧倒的な印象を残して去って行った方だ。その後、仲間を引き連れて仙台の一番町だったかを歩いているのをお見かけし、さらに、風の噂で、早稲田にささっと入って行ったと聞いていたところ、こちらも上京して暫く経ってから、高田馬場の夜のホームで山手線にそのときもお仲間と乗り込んで来るのを見かけた。言葉も交わしたこともないが、とても美しくて端正、高貴な顔立ちだったので、すぐにわかった。服装もとても奇抜で目立つ方だったが、高円寺風というのとも違って品があったように思う。

その方、広池敦さん率いるカトラ・トゥラーナの36年振り(で正しいのか?)の新譜『Reboot』が出て、7月にはそのレコ発ライブがあるらしい。CDもまだ手に入れていないが、長文のセルフ・ライナーもあるとのことで、楽しみ。

東京に行くとこういう人ばっかりなんだろうなと思っていたら、そうでもなかった、という感想を抱いてから40年。ライブも行ってみたい。

https://www.facebook.com/KATRATURANA

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